季節の変わり目の温度変化で秋バテになりやすいこの時期。地球温暖化による激しい寒暖差が追い討ちをかけている。地球にも体にもやさしい食生活を取り入れるヴィーガンミールキット「Purple Carrot」で、新しいライフスタイルを見つけてみては?
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エレミニスト編集部
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今年の東京は、異例の涼しさで9月を迎えた。急な肌寒さに、慌ててクローゼットから長袖の服を引っ張り出した人も多いだろう。
9月1日、前日まで続いた真夏日から一転、気温は急降下。28年ぶりとなる「夏の低温注意報*」まで発表された。このまま秋の陽気に変わっていくのかと思えば、雨とともに再び気温は上昇。季節を見失うような天気が続いている。
地球温暖化の影響は夏の気温上昇だけではない。今回のような気温急落や集中豪雨などさまざまな形で表出し、その起こる頻度がを上がっている。まさに地球が悲鳴をあげている状況だ。
私たち人間のカラダもまた、この変化についていけなくなっている。こうした季節の変わり目の寒暖差は自律神経のバランスを崩しやすい。この季節に現れる「秋バテ」は温度差が激しいほど起こりやすいといわれる。
地球も人間もまいってしまっているこの状況で、自分にできるアクションをどう見つけたらいいのだろうか。
ヴィーガンとはベジタリアンの一種で、肉や魚だけでなく卵や乳製品、はちみつなども避ける完全菜食主義のこと。食生活に限らず、服やコスメも動物素材を使ったものを避けるライフスタイルを選ぶ。
目的は、健康・美容や宗教のほか、動物搾取に加担しないこと、環境負荷の削減が挙げられる。近年、ヴィーガンへの関心が高まっている理由は、この「環境負荷」の点が大きいだろう。
肉食がどうして環境負荷につながるのか整理したい。地球上ではいま、畜産動物が増えすぎている。野生動物はわずか4%、人間が36%、家畜が60%という生物多様性のアンバランスが深刻化しているのだ。
増やしすぎた家畜の飼育には広大な土地を必要とし、餌となる大量の穀物を栽培するための農地も広がるばかりで、アマゾンをはじめとする森林破壊を引き起こしている。
さらに家畜から排出される温室効果ガス、排泄物による水質汚染、飼育に必要とする大量の水、過密飼育による感染症の発生など、とくに工業型畜産が抱える問題は多い。
ヴィーガン料理への関心の高まりから、スーパーでも大豆ミートを見かけるようになった。しかし、いざ食卓に取り入れようにもレシピ探しが案外難しい。
「ふだんはノンヴィーガンだけれど、ほんの少しヴィーガン食を取り入れてみたい」。そんな人には、「時々ヴィーガン」な暮らしをコンセプトにしたヴィーガンミールキット「Purple Carrot(パープルキャロット)」がおすすめだ。
「Purple Carrot」は米国生まれのヴィーガンミールキットブランドで、日本では農作物やミールキットを食品宅配する「Oisix(オイシックス)」が販売を行っている。
メニューは和食から中華、イタリアンまで幅広く、どれも本格的。ひと皿で食卓を華やかにしてしまいそうなメニューばかりだ。それぞれのメニュー写真をみると、自分でつくるには難しそうな気さえしてしまうが、どれも約20分でできあがるようにつくられているから驚き。
2人前分ずつのキットになっているので、ひとり暮らしからファミリーまで家族の人数に合わせて購入しやすいのもうれしい。
今回は「豆腐そぼろのビビンバ」をELEMINIST編集部のメンバーたちで調理してみた。まず袋を開けてワクワクしたのは、シャキッとした野菜の新鮮さだ。Oisixの厳しい基準をクリアした安心感のある食材を手にすると、体にいいものを取り入れる実感が湧く。
今回のキットに入っているビーツのように、なかなかスーパーでは手に入りづらい食材を楽しめるのもOisixならではだろう。調味料もまとめてあるので「20分で完成」というフレーズ通り驚くほど簡単にできあがった。
「味のついた豆腐そぼろは十分な満足感。いろいろな野菜を食べられるのがうれしい」
「体にいい料理は薄味を連想させるが、やさしい味わいながらもしっかりと食べ応えがあって、シンプルにおいしい」
「食材や調味料が揃っているから調理が楽だし、疲れた平日の夜には大活躍しそう」
コンセプトを裏切らない手軽さとおいしさに、ヴィーガン経験者も初心者も大満足の仕上がりだ。
それぞれの野菜が一つひとつプラスチック素材に包まれていることに、一瞬抵抗を感じたが注釈表記を見て安心した。パッケージ素材には植物由来プラスチック(バイオマスフィルム)が使用されていて、環境配慮への一貫性が保たれている。
もっとも印象的だったのは添えられたレシピだ。キットを使った調理方法の下に、もう一つ似たようなレシピが掲載されていて、そこには「もう一回つくろう」というメッセージ。キットがなくてもつくれるよう、より細分化した材料と分量が書かれていて、ユーザーが一からつくれる仕掛けがプラスされているのだ。
もう一度キットを買ってもらうのではなく、このレシピを暮らしに取り入れてほしいという思いが感じられた。
「Purple Carrot」の利用者の8割以上はノンヴィーガンだという。週末だけ、夜だけ、自分のペースで好きな頻度でヴィーガン食を取り入れる「時々ヴィーガン」は、忙しい現代人に寄り添ってくれる感覚がする。
自分にとってもサステナブルに、地球のためのアクションを起こすことがいまを生きる私たちに求められていること。
無理をせず、時にキットに手助けをしてもらいながら、日常のなかに新しい「食」の発見を取り入れる。食べたことのない食材を口にする発見、つくったことのないレシピの発見、肉がなくても満足感は得られるという発見。
そんな「食」を通じた新しい発見は「おいしい」という喜びとともに記憶され、いつしか自然と自分のライフスタイルに溶け込んでいくはずだ。
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