畜産業からプラントベース農業への転職を支援 米団体

プラントベースな農家へシフト

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アメリカを拠点に活動する団体「Brand New Life Project」は、畜産業の仕事から抜け出したいと希望する人たちを、より人道的で持続可能性のある業種へ転職できるようサポートする。将来的には、プラントベースの農家へのスムーズなシフトチェンジを目指している。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.09.15
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畜産業から、より人道的でサステナブルな業種へ

テーブルに並ぶ野菜たち

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国連の報告によると、現在世界では約17億人が畜産業に携わっている。畜産業での労働は、家畜の糞尿から発生するアンモニアや硫化水素などにさらされ、食品加工場では機械によるケガのリスクがあるという。

しかし労働環境への課題を理由に転職を希望しても、ほかに選択肢がないと仕方なく仕事を続けている人もいるだろう。

そんな人々を支援するのが、アメリカを拠点に活動する団体「ブレイブ・ニューライフ・プロジェクト(Brave New Life Project、以下BNLP)」だ。畜産業の仕事から抜け出したいと希望する人たちを、より人道的で持続可能性のある業種へ転職できるようサポートする。

支援のプロセスとしては、転職を希望する対象者が、キャリアプランを立てるBNLPの担当者と面談を行うことから始まる。そして、履歴書の書き方指導、面接の練習などの支援のほか、BNLPが有する雇用先ネットワークなどを利用できる。さらに、法的な面での相談やメンタルヘルスプログラムなどを必要に応じて受けることも可能だ。

このようにして、畜産業に従事している人が、よりいい労働環境の仕事に就けるようバックアップする。

プラントベースの農業へのシフトチェンジを支援

BNLPでは、将来的にプラントベースの持続可能な農業プログラムを構築し、畜産業に関わっている人たちのシフトチェンジを目指している。

畜産業は、水、土地、穀物を多く使用するため環境への影響が大きいことが問題となっている。また家畜から排出されているのが、大量の温室効果ガスだ。世界の畜産・酪農大手20社が排出する温室効果ガスの量は、ドイツやイギリスの経済活動による排出量より多いことが、欧州のNGOの発表で明らかとなっている。

そのため今後は、畜産業からプラントベースの農業への移行が進んでいくと考えられる。ただ、政府や自治体の支援体制などの面でも、より多くの人がスムーズに移行できるようになるまで、まだしばらく時間がかかるのが現実だろう。

そんななかBNLPのような団体があると、畜産業に従事する人々にとって、心強い存在となるはずだ。このような支援団体の活動は、労働者と地球の両方にとって有意義なものになると期待できる。

※参考
Brand New Life Project
https://www.bravenewlife.org/
THIS ORGANIZATION AIMS TO HELP 700,000 WORKERS TRANSITION AWAY FROM ANIMAL AGRICULTURE|VegNews
https://vegnews.com/2021/8/brave-new-life-project-workers-animal-agriculture
Livestock under climate change|FAO
https://unfccc.int/sites/default/files/resource/2_FAO_Carolyn_UNFCCC%20Koronivia%20Nov%202020_Livestock%20Adaptation.pdf

※掲載している情報は、2021年9月15日時点のものです。

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