モスバーガーの「グリーンバーガー」が、5月21日より全国展開された(今年3月に東京、神奈川の9店舗で先行発売)。主原料に動物性食品を使わないプラントベースのハンバーガーとなる。肉を使ったハンバーガーとの味の違いとは? プラントベースの解説とともに実食レポートをお届け。
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グリーンバーガー 538円(5月21日より全国展開)
肉が主役のハンバーガー業界に、プラントベース(植物由来)という新たなジャンルが加わった。モスバーガーの「MOS PLANT-BASED GREEN BURGER(グリーンバーガー)」が5月21日より全国展開。主要原材料に動物性食材を使わないハンバーガーで、今年3月から東京と神奈川の計9店舗で先行発売されていた商品だ。
大豆を原料とするパティは、高タンパクで低カロリー。バンズには栄養満点なほうれん草が入っており、野菜不足になりがちな外食時にも最適だ。リコピンたっぷりのトマトベースのソースは、ごぼうや人参を使用していて食べ応えも十分。カロリーも通常のモスバーガー(343円)より65kcalほど低い。
プラントベース食品とは、主に植物性食品でできている食品を指す。肉や魚だけでなく、乳製品、卵、はちみつなども基本的には使わない。日本ではまだなじみがないが、海外では野菜をしっかり食べたい人たちに支持されている。
グリーンバーガーには、中華圏の仏教徒が摂取を避けている五葷(ごくん)が一切入っていない。五葷とはニンニク、ネギ、アサツキ、らっきょ、玉ねぎなどの刺激が強い香味野菜を指す。飲食店のメニューで見かける「オリエンタルベジタリアン」とは、この五葷を食べない人たちのことだ。
通常のハンバーガーのパティには、甘みを足すために玉ねぎが用いられる。グリーンバーガーは、しいたけエキスを隠し味に用いて、肉にも負けない旨味を生み出している。日本には、五葷を抜いたメニューがある飲食店はまだまだ少ない。食のダイバーシティ化に対応するメニューとして、グリーンバーガーはひときわ注目を浴びている。
いま、世界中で野菜中心の食が注目されているが、「ミートフリーマンデー」という活動を聞いたことがあるだろうか。その名の通り「週に一度、月曜日だけ肉食を避けよう」というムーブメントだ。人間の健康だけでなく、環境負荷の軽減にも非常に効果があるという。
家畜の飼育や輸送の際には、膨大なCO2やメタンガスといった温室効果ガスが排出される。全世界で排出されている温室効果ガスの内51%は、畜産業が原因だというデータもあるほどだ。(※1)
プラントベース食品は、食肉生産時に発生する温室効果ガスの排出を大幅に削減できる。グリーンバーガーはヘルシーなだけではなく、地球環境にもやさしい商品といえる。
さて、気になるグリーンバーガーの味はというと、モスバーガーが全力を注いで開発しただけあって、ふつうのハンバーガーと錯覚しそうなリアルさだ。言わなければ肉が入っていないことに誰も気づかないのでは? と思わせるほどの肉々しさ。野菜嫌いな子どもにもうってつけだ。
五葷不使用だが旨味もしっかり感じられ、パティのような肉の重たさは感じることなくペロリと食べられる。店内にはほかのバーガーと同様に野菜の産地も掲示されているので安心感もある。
従来のバーガーのようにマヨネーズやバターは使われておらず、カロリーが気になる人にもおすすめだ。物足りない感じも特になく、野菜がいっぱい摂れることに満足感さえ覚える。
バンズには豆乳クリームを使用しパサつきを抑え、しっとりとコクのある食感に仕上がっている。プラントベースドなのに野菜の青臭さや苦さも全くない。
モスバーガーでは、グリーンバーガーの販売以外にも、環境に配慮した活動を行っている。食品ロスを最小限に抑えるために、オーダーが入ってから調理をするアフターオーダー方式を採用しており、一番おいしい状態で料理を提供できるようにしている。
店内で飲食する際には、使い捨て容器ではなく何度も繰り返し使える食器で提供している。またゴミの分別にも細かに行っており、飼料化できるものはきちんとリサイクルに回している。
地球の未来のことを考えると、今後は外食先も環境に配慮したお店を選びたいものだ。
問い合わせ先/モスフードサービス
https://www.mos.jp/
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