なぜ、オーガニックソープメーカー「Dr.Bronner」はチョコレートの販売を決めたのか?

オーガニックソープメーカー「Dr.Bronnner」が、ヴィーガンチョコレートライン「Magic All-One Chocolate」を発表。きっかけは取引のある生産者たちがカカオ栽培もしていると知ったこと。アグロフォレストリーを促進し、サステナブルなものづくりを目指す理由とは。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.06.10
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きっかけは取引のある生産者たち アグロフォレストリーによる持続可能な農園づくりをサポート

dr.bronnerのチョコレートパッケージ

カリフォルニア発の元祖オーガニックソープメーカー「Dr.Bronnner」から、ヴィーガン チョコレートライン「Magic All-One Chocolate」が発表された。販売は今夏から、全6種類のフレーバーを展開予定だ。

これまでチョコレートの生産には、環境や生態系の破壊と、児童労働などの人権の問題も孕んでいた。サプライチェーン確立を牽引したスペシャルオペレーション部部長Gero Lesonさんはこうコメントする。

「私たちは、搾取的な資本主義から真に建設的なモデルへの移行の先駆けになりたいと考えています。この考え方は、当社からMagic Chocolateを発売する決断の基礎となっています」

いっけんすると、ソープとチョコレートは全くつながりのないものに聞こえる。しかし、その生産過程を紐解くと意外なつながりが見えてきた。

同社がつくるオーガニックソープの原料となるパームオイルは、自然破壊や生物多様性を損わない形でのパームヤシビジネスの展開を目指す会社「Serendicpalm」から調達している。

そこに所属する800を超える農場のほとんどがカカオも栽培していることを知ったDr.BronnerのCEO・David Bronnerさんは、彼らのつくるカカオ豆やその他の作物をつかってチョコレートをつくることを考えた。

そうしてアグロフォレストリーを応援することで、取引のある農場もコミュニティーもますます健康になり、サプライチェーンに関わる人すべての生活の質を上げることができる。

また外装の包み紙には100%再生紙を使用。その内80%は使用済みの再生紙をさらにリサイクルしたものになる。「Magic All-One Chocolate」は8月より全米のドラッグストア、また公式オンラインショップにて販売開始予定だ。

アグロフォレストリーをきっかけにした、肩書きに囚われないものづくり

地平線まで続く農場

Photo by amir hamzah on Unsplash

サステナブルな農業として昨今注目されるアグロフォレストリー。その方法を促進することで、生産者は作物を安定的に収穫できるため収入が安定し、それらを原料として製品をつくるメーカーも安定的な供給を受けることができる。

また、アグロフォレストリーで獲れる作物は土壌がよいため質が高いものが多く、消費者側もメリットがある。

そう考えると、Dr.Bronnerのようにすでにつながりのある生産者ベースでものづくりをするメーカーが増えてくる可能性は十分ありえるだろう。

参照サイト/Dr. Bronner’s Creates Line Of Dark Chocolate Bars Like No Other To Spark The Next Generation Of Ethical Chocolate Excellence
https://www.drbronner.com/media-center/press-release/dr-bronners-creates-line-of-dark-chocolate-bars-like-no-other-to-spark-the-next-generation-of-ethical-chocolate-excellence/

※掲載している情報は、2021年6月10日時点のものです。

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