依存症治療を支援するクッキードウ専門店がアップサイクル企業とコラボ 複数の課題解決へ一気に貢献

トレーに乗った成形後のクッキードウ

米・サンフランシスコ発のクッキードウ専門店「Doughp」は、ビールの醸造工程で生まれるビール粕でつくる「Beast Mode Brownie クッキードウ」を販売開始。食品をアップサイクルする企業「ReGrained」協力のもと、人にも社会にも地球にもやさしい商品が誕生した。

2021.04.16

起業のきっかけは依存症の経験 社会問題解決のために活動する「Doughp」

Beast Mode Brownie Cookie Doughのパッケージ

クッキードウとは、オーブンで焼く前のクッキー生地。いわば生菓子のようなスイーツだ。材料は加熱処理されているため、生のまま食べられる。日本人にとってはなじみがないスイーツだが、いまや全米各地に専門店が出店するなど一大ブームとなっている。

数ある専門店のなかでも成長著しいのが「Doughp」だ。代表を務めるKelsey Moreiraさんは会社を設立する以前、重いアルコール依存症に悩まされていた。断酒のきっかけにと始めた菓子づくりに次第に没頭し、2015年には病気を克服。「依存症に悩まされている人を救いたい」と思った彼女は、2017年に勤めていた会社を退職し、「Doughp」の立ち上げに至る。

2019年、スタートアップが投資家にプレゼンをして出資を募るアメリカの人気番組「Shark Tank」に出演すると、一気に売り上げを伸ばした。2020年には、その驚異的な成長スピードとミッションドリブンな活動を評され、経済誌「Forbes」が選ぶ、世界を変える30歳未満の30人「30 Under 30」の一人にKelseyさんが選ばれた。

さらなる社会貢献を目指して開発したのが、ビール醸造工程で生まれるビール粕をアップサイクルした「Beast Mode Brownie Cookie Dough」だ。食品をアップサイクルする企業「ReGrained」協力のもと誕生した。

味のベースは、チョコレートをふんだんに使ったブラウニー生地。「ReGrained」のビール粕をアップサイクルしたパウダーを使うことで、小麦粉より7割、全粒粉より6割の実質糖質量をカットできる。ほかの商品に比べ、プロテインは2倍、食物繊維は6倍も豊富だ。

売り上げの一部は、依存症治療をしている女性をサポートする「SHE RECOVERS Foundation」と環境保護団体「1% for the Planet」に寄付される。

別々の社会課題に取り組む企業のタッグ 相乗効果によって高まる価値

「ReGrained」の共同創業者かつCEOであるDan Kurzrockさんは、2社のコラボレーションについて「非常に相性がよい」とコメントしている。消費者にとっては1商品で2社分の取り組みに貢献ができ、ブランドにとっては別の社会問題に興味のある高感度の層を取り込める機会となるからだ。

世の中の流れを見ても、「Doughp」や「ReGrainded」のようにソーシャルグッドなミッションを持つ企業の需要は高まっている。電通がインド・中国・アメリカ・イギリス・日本の5カ国で約2,600人を対象に実施した調査によると、「社会をよくする企業・ブランドの商品を購入する」と回答した人が7割以上いることもわかっている(※)。

企業側のメリットと消費者への需要を考えると、本気で社会課題に取り組む企業同士がタッグを組む機会は、今後さらに増えていくことだろう。これからどんなプロダクトが生まれてくるのか楽しみだ。

参照サイト/Doughp
https://www.doughp.com/blogs/news/regrained-press-release

※電通と電通総研、ソーシャルメディア利用×ソーシャルグッド意識の5か国調査を実施|dentsu
https://www.dentsu.co.jp/news/sp/release/2021/0210-010332.html

※掲載している情報は、2021年4月16日時点のものです。

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