米ヴィーガンスタートアップが、ヘンプシード使用のプラントベースチーズを開発 フレキシタリアン需要取り込む

ヴィーガンスタートアップ「Grounded Foods」が開発したプラントベースチーズ

ロサンゼルスを拠点に活動するヴィーガンスタートアップ「Grounded Foods」が、100%プラントベースでできたチーズシリーズを発表。カリフラワーと市場に出す基準に満たなかった不揃いなヘンプシードが使われている。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.04.10

材料はカリフラワーとヘンプシード 100%プラントベースのチーズ

「Grounded Foods」のチーズとそれを使ったアボカドトースト

ロサンゼルスを拠点に活動するヴィーガンスタートアップ「Grounded Foods」が、100%プラントベースのチーズシリーズを発表した。

同社のヴィーガンチーズは、遺伝子組み換えでないカリフラワーと販売基準に満たなかった不揃いなヘンプシードが使われている。他社の製品と違ってナッツを使わず、ココナッツオイルを主な脂質の成分としていないのも特徴だ。大豆不使用、グルテンフリー、ケトジェニックフリーにも関わらず、味は乳製品を使ったチーズと遜色ないという。

アメリカ国内では、健康や環境への配慮から6割の人々がフレキシタリアン(準菜食主義)に移行しているようだが(※)、「Grounded Foods」は彼らの取り込みも狙っているようだ。

今回開発した製品について、代表取締役であるVeronica Fil氏はこうコメントしている。

「私たちはヴィーガンではありませんが、乳製品を生産するうえでサステナビリティに関する多くの被害があるのを知っています。私たちの目標は、人々が乳製品から離れるのを助けることです。おいしくて仕方がないものをつくることで、消費者にチェダーチーズを選ぶという選択肢は与えずに済むでしょう」

気軽にはじめられるプラントベース生活を後押し

「Grounded Foods」のチーズとそれを使ったピザ

アニマルウェルフェアの観点から放牧畜産を取り入れる酪農家が増えている一方、狭い牛舎のなかでひしめき合うように飼育される乳牛もいまだに多い。乳製品を大量に生産するには、工場式の畜産が効率的だからだ。また牛のゲップに含まれるメタンガスが地球温暖化を加速させているという説もある。

「乳製品は好きだが、乳製品を巡るサステナビリティには問題意識を持っている」。そんなニーズに応えるようとしたのが、「Grounded Foods」だ。

今後、さらに多くの人が意識的に食のスタイルを変えていくだろう。好きな味に似ている代替食品が食べられるというのは、新しい食生活を継続するうえでも大事なことだ。この製品は、より多くの人が楽しみながらヴィーガンフードに挑戦する機会を与えるはずだ。

※掲載している情報は、2021年4月10日時点のものです。

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