数値規制で生体販売は変わるのか 犬猫の幸せのために知っておきたい4つのこと

犬猫をペットとして迎える人は、年々増えている。しかしその陰には、劣悪な繁殖や飼育放棄などの課題がある。その根本にあるものはなにか、2020年に定められた数値規制でどう変わるのか。朝日新聞の専門記者である太田匡彦さんに、犬猫について知っておきたい事柄をうかがった。

2021.02.20

4. ブリーダーや保護施設からの“お迎え”で犬猫の幸せを後押しできる

繁殖業者を訪問するイラスト

「いいブリーダーを見つけるのは難しいですが、犬や猫を大切にしている業者はちゃんといます。うちの猫より毛並みがいい繁殖用の猫を見ると、さすがプロだなと感心してしまいます」

劣悪な繁殖現場から犬猫の保護施設、優良ブリーダーまでさまざまな業者を取材してきた太田さん。実は、ご自身もこれまでに2匹の保護猫を引き取り、飼育しているそうだ。

これから犬猫を迎えようと考えている人が、売り手を見極めるときに意識したいポイントを教えてくれた。

純血種がほしいならブリーダー

もしどうしても純血種の子犬・子猫がほしいなら、ブリーダーをたずねてみるといい。いいブリーダーを見極めるには、どんな環境で育てているのか、親犬猫の状態を自分の目で見ることが一番だ。

「ネットからの情報だけで決めてはいけません。飼育状況を直接見れば、どれだけ手をかけているのかわかります。ぜひ自分の目で、これから迎え入れる犬猫の環境を確認しましょう」

逆に犬舎を見せてくれなかったり、ちょっとおかしいなと感じたりすることがあれば、注意が必要だという。

種類を問わないなら保護施設

犬猫の種類は問わない人、辛い思いをした犬猫を家族に迎えたい人は、保護施設へ足を運んでみよう。ちなみに、保護施設にもたくさん純血種がいる。

保護施設でも飼育環境を見極める目が必要だ。こちらも施設の内部を見せてくれるか、その施設の犬猫が保護されれた経緯、ホームページなどでシェルターの財務状況が開示されているかをチェックしよう。

「保護犬、保護猫を迎えるときは、自分のライフスタイルと性格や健康状態が合うことも重要です。例えば高齢の飼い主と毎日長い時間過ごしていた犬は、長時間留守番をさせることで分離不安を起こすことがあります」

シェルターでは、保護団体が一定期間犬猫と過ごすことで、性格や病気、特徴を把握している。犬猫と飼い主がマッチングできる点は、ペットショップにはない良さだと太田さんは言う。

彼らの未来は私たちの手のなかにある

日本の生体販売における課題は、この記事で紹介したこと以外にも存在する。

法律や厳格なルールなど制度面の整備も必要だが、私たちが悪質な業者に加担しない姿勢も、もちろん求められている。

保護犬、保護猫の認知度の高まりや、2019年に改正された動物愛護法の中身を見れば、すべての犬猫が家族と幸せに暮らせる日は、着実に一歩ずつ近づいている。そのために、私達ができることをひとつずつこなしていこう。

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太田匡彦(おおた・まさひこ)
1976年生まれ。98年、東京大学文学部卒。読売新聞東京本社を経て2001年、朝日新聞社入社。経済部記者として流通業界などの取材を担当。AERA編集部記者、文化くらし報道部を経て、特別報道部・専門記者。著書に『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』『「奴隷」になった犬、そして猫』(いずれも朝日新聞出版)がある。
「shippo」(朝日新聞)でも記事を掲載。

イラスト/川合翔子

※掲載している情報は、2021年2月22日時点のものです。

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