2021年の「ミシュランガイド・フランス」に、同国で初めてヴィーガン料理店が一つ星を獲得した。この栄誉に輝いたのは、ボルドーほど近くの町に店を構える「ONA」。サステナブルな店舗運営に尽力したレストランに贈られる「ミシュラングリーンスター」も獲得している。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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1月18日、ミシュランガイド・フランスの2021年版が発行され、フランスで初めてヴィーガン料理店が一つ星を獲得した。
選出されたのは、ボルドーから少し離れた小さな町・アレスにあるレストラン「ONA」。シェフをつとめるClaire Valléeさんは元考古学者という異色の経歴の持ち主で、独学で料理を勉強し5年前に店をオープンさせた。
店名は「origin non-animale(動物フリーの起源)」の頭文字をとっており、料理だけでなく店内装飾にも皮や羊毛など動物由来のものを一切使っていないという徹底ぶりだ。
提供しているのは、モミ、ポルチーニ、レモングラスなどの野菜やきのこをふんだんに使った7品で構成されたコース料理。メインディッシュに肉を使うことが多いフランス料理だが、動物由来の食材を含まない食事が評価されるのは快挙といえるだろう。
さらには、サステナブルな店舗運営に尽力したレストランに贈られる「ミシュラングリーンスター」も獲得。地産地消にこだわった食材調達や生ごみの堆肥化、再生可能エネルギーを利用した運営が評価された。
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ヴィーガン料理を提供するレストランが星を獲得したことは過去にもあったが、専門店が選出されたのは世界的にみても初めてのことだ。
ミシュランガイドの国際的総責任者であるGwendal Poullenecさんはこう語る。
「一般的に、ヴィーガン料理で美食体験ができると考える人は少ないかもしれません。今回の星獲得がきっかけで、そんなしがらみに囚われてきた料理人たちが、ヴィーガン料理の世界に足を踏み入れる可能性もあります」
飲食業界でもっとも影響力がある媒体に評価されたことは、エシカルでサステナブルなヴィーガン料理がより一般的になる未来に期待できるだろう。
参照サイト/MICHELIN GUIDE
https://guide.michelin.com/en/article/news-and-views/michelin-guide-france-2021-am-par-alexandre-mazzia-in-marseille-honored-with-its-third-star
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