ドイツのEVスタートアップ「Sono Motors」が、ガラスではなくポリマー素材を採用することで、製造コストや重量を抑えた太陽光発電テクノロジー「Sono Solar Technology」を発表した。化石燃料を使用せずに手頃な価格で手に入るEVの開発を目指すという。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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2021年1月11日から14日まで、世界最大級の国際見本市「CES 2021」が開催された。毎年いくつものイノベーティブなアイデアやプロダクトが発表されているが、注目したいのはドイツのEVスタートアップ「Sono Motors(ソノモーターズ)」だ。
すでに知っている人も多いかもしれないが、彼らは太陽光発電だけで走行可能なEV「Sion」の開発を進めている。
彼らは、ドアやボンネットなどのエクステリアのほぼ全面に248枚のソーラーパネルを搭載したEVの開発と製造を目指している。この太陽光発電だけでも走行は可能で、最大航続距離は35kmとのこと。
充電ステーションを利用すれば、最大250kmの充電も可能で、天気にかかわらず運転を楽しめる。とはいえ自家発電ができ、充電する機会も減るため、環境への負担は軽減されるだろう。
そしてCES 2021で発表されたのが、独自の太陽光発電テクノロジー「Sono Solar Technology」だ。機密情報のため詳細は明かされていないが、ガラスではなくポリマー素材を採用することで、製造コストや重量を抑えられるそうだ。しかも、発電の効率性も高まったという。
「Sono Motors」のCEO兼共同創業者Jona Christians氏は、「Sono Solar Technology」の開発に関して、こうコメントしている。
「ポリマー素材の非常に柔軟な特性のおかげでポテンシャルのある使用方法を見つけられ、とてもうれしく思います。これからもテクノロジーを強化し、次なる成果を出すことを楽しみにしています」
今回の発表のポイントは、「Sono Motors」が製造コストを抑える方法を見つけたということだ。現在は2万5,500ユーロ(約320万円)でプレオーダーを受け付けているが、もしかしたらこの値段も下がるかもしれない。
ちなみに、彼らが目指しているのは化石燃料を使用せずに手頃な価格を実現すること。
エシカル・サステナブルライフを送るのはコストがかかると考えている人も多いため、彼らのような企業が目標を達成すれば、そのイメージを変えられる可能性もある。これからも「Sono Motors」には期待したい。
参照サイト/Sono Motors
https://sonomotors.com/
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