理論上、河川ごみの8割を削減 太陽光で動く「水上ゴミ収集車」が2021年に製造完了

環境団体「Ocean Cleanup」が、水上ゴミ収集車「Interceptor」の製造を発表した。屋根に搭載されたソーラーパネルによる自家発電により、二酸化炭素を出さない仕組みを採用。2021年5月の完成を目指して、船体の開発が進められている。

小嶋正太郎

農家 / 編集者

元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。

2020.12.25
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プラスチック汚染「水上ごみ収集車」を開発

全長600mのU字型プラスチック製チューブで、海に浮かぶたくさんのごみを回収する──。

オランダ生まれのボイヤン・スラットさんが率いる環境団体「Ocean Cleanup」が提案するプロジェクトは、エシカル・サステナブルライフに興味のある人なら、どこかで聞いたことがあるかもしれない。

最近「Ocean Cleanup」は、自分たちで回収したプラスチックを材料としたサングラスの製造も発表しており、もっとも勢いのある団体のひとつ。

そんな彼らがさらなるプロジェクトをローンチ。海だけでなく川に浮かぶプラスチックごみも回収しようとしているのだ。

「Ocean Cleanup」の水上ごみ収集車「Interceptor」

「Ocean Cleanup」の新たなプロジェクトは、川をきれいにすることを目的とした水上ごみ収集車「Interceptor」の開発。2019年にはプロトタイプが公開されていたが、12月10日、本格的な製造を始めることを発表した。

フィンランドに拠点を置く企業「Konecranes」とパートナーシップ契約を締結し、世界で汚染されている1000以上の川のごみ収集を目指すそうだ。

「Ocean Cleanup」のボイヤン・スラットさんは、この発表に関して以下のようなコメントをしている。

「非常に挑戦的な年の最後にもかかわらず、『Interceptor』の製造を始められることをうれしく思います。私たちにとって、深刻化するプラスチック汚染をくい止める重要な機会となるでしょう」

太陽光発電で稼働、二酸化炭素排出量はゼロに

「Interceptor」を上空から見た様子

「Interceptor」は屋根に搭載されたソーラーパネルによる自家発電で、二酸化炭素を出さない仕組みを採用している。また、自動でごみを回収できるようになっていて、プラスチックごみなどは内部のコンテナに入れられる。そして、それをリサイクル。

ごみを回収する「Interceptor」

こうして世界中の1000以上の川からごみをなくそうとしているのだ。本当にすべてを回収できたとしたら、計算上、世界中の川に浮かぶごみを80%も削減できるという。

「Interceptor」の製造が完了すると言われているのは2021年5月。「Ocean Cleanup」の活動には世界中の人たちが注目することになるだろう。

※掲載している情報は、2020年12月25日時点のものです。

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