イギリスに拠点をおくエネルギー企業「OVO Energy」が意外なデータを発表した。もしも同国に暮らす成人が一人あたり1件のメールを送らなければ、年間で1万6433tもの二酸化炭素排出量を抑えられる可能性があるという。じつは、メールの送受信には多くの電力が消費されているのだ。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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まったく知らないことでも知ったあとに「意外と当たり前のことだった」と思う機会は決して少なくない。この記事で伝える内容を知れば、おそらく同じようなことを考えるだろう。
メールの送受信を減らすだけで大量の二酸化炭素排出量を削減できる理由について、紹介したい。
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昔よりも使用頻度は少なくなったとはいえ、いまでもメールを使っている人は非常にたくさんいる。だから少し考えてほしいのだが、話が終わったあとに「ありがとうございました」ということだけを伝えるメールを送ってはいないだろうか?
イギリスに拠点をおくエネルギー企業「OVO Energy」によれば、もしも同国に暮らす成人が一人あたり1件のメールを送らなければ、年間で1万6433tもの二酸化炭素排出量を抑えられる可能性があるらしい。
「ありがとうございます」と伝えるだけのメールを否定しているわけではないが、不要な場合も多い。送る必要はないと思いながらも礼儀として送っている人もいるかも知れない。そうしたメールを減らすだけで地球温暖化を悪化させない取り組みができるのだ。
もちろん、これは受信の場合にも当てはまる。企業やブランドのニュースレターに登録したまま迷惑ボックスへと転送するようにして、そのままにしている人もいるはず。地球のことを考えるなら、少しでも多くのニュースレターを解除しておいた方がいいのだ。
ちょっとわかりにくい例えかもしれないが、「OVO Energy」は1万6433tという数字はイギリスからスペイン・マドリードへのフライトを8万1152回分、ディーゼル車3334台分の二酸化炭素排出量に相当すると言っている。
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メールを送受信するだけで、なぜそんなに? と考えている人もいるかもしれない。
理由はメールの送受信には見えないところで非常に多くの電力を消費しているからだ。
そう説明すると、Wi-Fiなどの使用はすぐに思いつくかもしれないが、これにはサーバーを冷却するために使用する空調システムなども関係している。1回あたりのインパクトは大きくないとはいえ、塵も積もれば山となるだ。
仕事に関するメールを減らすのは難しいかもしれないけど、購読していないニュースレターや好みではなくなったブランドの告知メールなどは配信停止にして、少しでも地球のためになることをしてみるのはいかがだろう?
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