お知らせ機能で収集を効率化 クロアチア企業に学ぶ「スマートごみ箱」の手本

ソーラーパネルの自家発電による電力で誰もが充電できるベンチを開発するクロアチアのスタートアップ「Include」。このほど、圧縮機能により3倍も収納できるスマートごみ箱を開発した。ごみの圧縮機能とお知らせ機能を搭載、環境への配慮を徹底している。

小嶋正太郎

農家 / 編集者

元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。

2020.12.08
EARTH
編集部オリジナル

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自家発電による電力で誰もが充電できるベンチ

サステナブルやエシカルと聞くと、すぐに北欧諸国を思い浮かべてしまうが、ここで紹介する製品がつくられているはクロアチア。日本に暮らしている人の多くが名前を聞いたかもしれないが、同国のスタートアップ「Include」はスマートベンチの製造で知られている。

そんな彼らが新たな製品を発表した。それはごみ箱だ。

スタートアップ「Include」が開発するスマートベンチに座る男性

ごみ箱の紹介をする前に、スマートベンチについても触れておこうと思う。

現在は「Steora」シリーズとして複数のモデルがつくられているが、基本的な構造は同じ。ベンチにはUSBポートが搭載されており、内蔵されているソーラーパネルとそれによる自家発電により、座った人がケーブルをつなげばガジェットの充電ができるのだ。Qi規格に対応したワイヤレス充電も可能。しかも、このベンチは無料Wi-Fiスポットにもなっている。

ちなみに、最新モデル「Steora Cyclo」ではヨーロッパでの電動キックボードの普及を踏まえて、こうした大きな製品の充電もできるようになったという。ドライバーやレンチが収納されていて、もしもの時に修理ステーションのように使うこともできるとのこと。地味かもしれないが、バイクホルダーがあるのも嬉しいところ。

待ち時間でさえも退屈しない体験をできるのが、「Steora」シリーズの最大の特徴だ。

路上に設置されたスマートベンチ「Steora Cyclo」

圧縮機能により3倍も収納できる「スマートごみ箱」

スタートアップ「Include」が開発するスマートごみ箱

そして、ごみ箱の話。

「Include」らしくスマート化したことによって、多くの利点があるのだ。

まずは圧縮機能があること。たくさんのごみが捨てられたとしても圧縮機能により、通常の3倍ほど、ごみを収納できるという。これがごみ収集の頻度を抑えることにつながり、非常に多くの二酸化炭素排出量が削減されるとのこと。

それに続く特徴は、満タン状態になったらお知らせをセンターに通知できる機能があること。これもまた効率的なごみ収集を実現するのにつながり、環境にやさしい側面があるそうだ。

そして、すべての作業に必要となる電力は、スマートベンチと同じように本体に内蔵されたソーラーパネルによる自家発電でまかなわれる予定。

「Include」の地名度はまだまだ低いかもしれないが、これからの社会で公共空間のスマート化が進むことを考えると、すぐに名前を耳にする企業のひとつになりそうだ。

※掲載している情報は、2020年12月8日時点のものです。

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