ノルウェーのスタートアップ「Othalo」と「国連ハビタット」がパートナーシップ契約を結び推し進めるプロジェクトを紹介しよう。なんと、サハラ以南のアフリカにあるスラム街に、プラスチックからできた住宅をつくろうとしているのだ。この計画でスラムに住む10億人を救おうとしているという。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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サングラスやスニーカー、時計、タオル……たくさんの製品がプラスチックごみからつくられるようになった。急激に増えていて、むしろそうしたアップサイクル製品が主流になる日もそう遠くはないはずだ。
プラスチックごみの再利用が当たり前になりつつある時代だからこそ、「The Future of Housing」というプロジェクトが生まれたのだろう。
なんとプラスチックから街をつくろうとしているのだ。
このプロジェクトを手がけているのは、ノルウェーに拠点をおくスタートアップ「Othalo」。彼らは都市化と居住の問題に取り組む国連機関「国連ハビタット」とパートナーシップ契約を結んでいる。
そして、プラスチックごみから住宅をつくり、ゆくゆくは街を形成しようとしているのだ。
それが「The Future of Housing」の概要である。
究極のサステナビリティと表現しても過言ではない街づくりには、しっかりとした背景がある。彼らは10億人のためにプロジェクトを構想し始めたのだ。
というのも、「Othalo」の公開している資料によれば、いま、サハラ以南のアフリカには約10億人がスラム街に暮らしているという。
上下水道が整っていない、衛生環境がよくない、自然災害の影響を受けやすい……そうしたスラム街が抱える問題を解消するべく、住宅を建設することにしたそうだ。より快適な日常生活を送ってもらうために──。
大きな夢を叶えるべくプラスチックごみを材料にすることにしたのは、主に3つの観点から。既存の方法では効率性やコスト、サステナビリティを追求できないと判断したとのこと。
あえて説明する必要はないかもしれないが、捨てられているプラスチックを再利用することで、生分解に時間がかかってしまうごみを削減できるというメリットもある。
「国連ハビタット」で都市エネルギーに関する事業を統括するVincent Kitio氏は、「The Future of Housing」の取り組みについて、こうコメントしている。
「アフリカの国々で起きている住宅不足とプラスチックごみ問題を同時に対処できるのは、たったひとつのテクノロジーしかありません。それが『Othalo』です」
「Othalo」は今後18ヶ月かけて住宅建設に必要となる部品を開発しながら格安でできる住宅をデザインするとのこと。その後、大量生産フェーズに入り、サハラ以南のアフリカに存在するスラム街を改善していくそうだ。
10億人という大人数を救うプロジェクトは、さらに注目されていくに違いない。
参照サイト/Othalo
https://www.othalo.com/
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