イギリスのマクドナルドが循環型プラットフォーム「Loop」とのパートナーシップを発表。2021年から再利用可能なカップの提供を開始するという。回収されたカップを洗浄した後に再利用する仕組みを導入。店舗に限ったサービスではなく、テイクアウト時にも利用できることが最大の特徴だ。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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ここ数年で使い捨てプラスチックの使用はどんどん規制がかかり、多くの店舗では代替品として紙でできた製品が採用されている。日本もレジ袋有料化を機に変わり始めてきた。
とはいえプラスチックから紙へ切り替えるだけでは、付け焼き刃の対応でしかないのも事実。消費をし続けていることは同じだからだ。
イギリスのマクドナルドは、ほかの大手ファストチェーンよりも先に一時的な対処を見直し、根本的な解決に動き出すようだ。循環型プラットフォーム「Loop」とのパートナーシップを発表した。2021年から取り組みが始まるという。
マクドナルドが打ち出した施策の内容を紹介するにあたり、まずはLoopについて触れておこう。
Loopではユーザーが使った容器を回収し、洗浄をして、また使ってもらうというサービスだ。米・ニュージャージー州トレントンに拠点を置く「TerraCycle」が運営している。12月1日から、日本でもリユース容器を使ったテイクアウト弁当、惣菜の販売サービス「Loop Takeout Bento」がスタートする。
マクドナルドはLoopと協力し、まずは再利用可能なカップを提供することから始めるという。消費者はデポジットを支払えば、環境に配慮した容器で飲み物を楽しめる。もちろん返却すればデポジットはかえってくる。
店内だけの話なら新鮮味はないが、テイクアウトでも利用できるのが最大の特徴だ。Loopのサービスがあるからこそ成り立っているといっても過言ではない。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策として、米・ミネソタ州セントポールに拠点を置く企業「Ecolab」とのパートナーシップ契約も発表しており、衛生面ではとくに心配する必要はないだろう。
すでにイギリス国内の多くの店舗では、容器の原料をプラスチックから紙に切り替えていて、リサイクルシステムも確立しているとのこと。
それでもなおサステナブル施策に力を入れるのは、環境汚染や気候変動に歯止めをかけられていないからかもしれない。
マクドナルドは一歩踏み出した取り組みで、本気で地球に配慮している印象だ。この熱量はほかの大手ファストチェーンを運営する企業にも伝わり、食品業界が変わるきっかけになるだろう。
参照元/McDonald's Corporation
https://news.mcdonalds.com/mcdonalds-loop-reusable-cup
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