デンマークに拠点を置く「Sprout」が製造販売を手がける「Sprout Pencils」。長さが短くなった鉛筆を鉢のなかに入れると、植物の芽が生えてくる仕組みになっている。土に入れてから1〜4週間で発芽。バジルやカーネーションなど、さまざまな種類から種を選べる。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
デンマークに拠点を置く「Sprout」は、たくさんの人にサステナビリティを実現させようと努力している企業のひとつだ。
そんな彼らが販売しているのは「Sprout Pencils」という鉛筆。長さが短くなって書くことが難しくなった場合、土のなかに入れれば、植物の芽が生えてくる仕組みになっている。
この記事では、商品だけでなく企業としてSproutが抱えている想いも紹介したい。
商品の詳細に触れる前に、まずは企業の想いから。
Sproutは大きく分けて3つの軸を大切にしているという。まずはサステナビリティが本当に実現できると考えていること。気候変動やごみ問題が深刻化しているなか、もっとも重要なスタンスとも言えるだろう。たくさんの人に地球を気にかけるようになってほしいとも思っているそうだ。3つ目がシンプルで楽しくそれらを実践できるように心がけていること。
このような想いを抱えながらSprout Pencilsを開発。サステナビリティとは何か? を気軽に他人に紹介できるようにデザインしたとも説明している。
Sprout Pencilsは短くなって書くことが難しくなったら、土のなかに入れるのが正しい使い方。鉛筆の芯が出ていない方に植物の種が入ったカプセルがついていて、そこから新たな生命が芽吹くのだ。
もちろん、カプセルには地球に害のある原料は一切使っていない。生分解も可能だ。
鉛筆本体は森林伐採に関与することなくつくられているとのこと。
芽は土に入れてから1〜4週間で出てきて、購入する際にバジルやカーネーションなど、さまざまな種類から種を選べるそうだ。
Sprout Pencilsはすでに多くの企業がノベルティとして配布している。イケアやコカ・コーラ、ディズニー、ヒルトン、マリオット、ポルシェ、トヨタ、ロレアルなど、導入した企業は枚挙にいとまがない。
Sproutは、鉛筆以外にティーバッグつきスプーンも開発している。紅茶などを抽出したあとに、それで砂糖やミルクをかき混ぜられるという製品だ。インクを含むすべてが自然由来なので地球に害はないという。
そして、新製品としてアイライナーも開発したそうだ。これはSprout Pencilsと同じような仕組みで、植物の芽が生えてくるようになっている。
正直、鉛筆を使う機会が減っているのでほしいと思う人は少ないかもしれないが、こうしたサステナブルなアイデアに興味がある人は多いのではないだろうか?
参照元/Sprout
https://sproutworld.com/
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