9月21日から27日まで、ニューヨークで「Climate Week NYC」が開催された。それにあわせて環境問題を解決するまでのデッドラインを示したアート作品「Climate Clock」が設置された。このままいけば、あと7年で人類は後戻りができなくなってしまう。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
Photo by Guillaume de Germain on Unsplash
環境問題を解決するまでにはデッドラインがある。そう耳にしたとき、「当たり前だろう」と思う人も少なくないはず。とはいえ、期限が7年後に迫っているとしたら……。「かなり時間がない」と感じるのではないのだろうか。
たくさんの人たちに環境問題の深刻さと期限を喚起するために、ニューヨークのユニオンスクエアに、「Climate Clock(クライメイト・クロック)」というアート作品が設置された。
ユニオンスクエアの大きなデジタル時計は、もともと「Metronome(メトロノーム)」と名付けられた都市と時間の関係性を表すアート作品だ。1999年に設置されてから、たくさんの人に時間を伝えている。
そんなアートが発信するメッセージが変わったのは、9月21日から27日まで、同市で「Climate Week NYC」が開催されたから。ここでは地球温暖化や気候変動など、環境問題に関して、さまざまな視点から解決策や取るべき行動が議論された。
そして「Climate Clock」はユニオンスクエアに掲示されることで、誰もが理解しやすい方法で、地球が抱える問題を解決する必要性を訴えたのだ。
Photo by Jonathan Ford on Unsplash
手がけたのは環境活動家兼アーティストのガン・ゴールデンさんとアンドリュー・ボイドさん。ふたりがリードして、ウェブサイトも開設している。
このふたつが示す環境問題解決のデッドラインは、あと7年95日8時間26分19秒(9月28日時点)だ。
これは現在の二酸化炭素排出量をもとに計算されていて、世界の平均気温上昇を1.5度未満に抑えられるまでの期限とも表現できる。
デッドラインを超えてしまうと、熱波や洪水、干ばつ、森林火災、水資源の枯渇など、地球はさまざまな災害に見舞われる可能性が高くなってしまうのだ。
「Climate Clock」のウェブサイトでは、もうひとつの数字も伝えている。それは、再生可能エネルギーの使用割合。
現在は27.754641922%(9月26日時点)だが、これをデッドラインまでに100%にする必要があるという。次の世代に過ごしやすい環境を引き継ぎたいなら──。
いますぐにできることがあるなら、絶対にやった方がいい。地球が(想像以上に早い)タイムリミットを抱えているということは忘れずにいたい。自戒の念を込めて。
参照/CLIMATECLOCK
https://climateclock.world/
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