アイルランドを拠点にするメーカーがつくったスニーカー「Sampla」は、リンゴを原料とした素材「AppleSkin」を使っている。レースにはオーガニックコットン、ソールには天然ゴムを採用するこだわりをみせている。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
「すだちの香り」で肌と心が喜ぶ 和柑橘の魅力と風土への慈しみあふれるオイル
ルックスだけで購入を決める人も多いだろう。「Sampla」はそれくらい魅力的なスニーカーだ。
クラシカルなテニスシューズのDNAを受け継いだルックスに、淡い色を組み合わせでいまっぽさを演出。Everlane(エバーレーン)のようなブランドとの相性はバッチリだろう。シンプルな雰囲気をつくりたいなら必ず活躍してくれるはず。
とはいえ、Samplaの特徴はそれだけではない。アッパー部分に採用している素材は「AppleSkin」と呼ばれ、リンゴを原料としているのだ。
Samplaはアイルランドを拠点にするメーカーが製造するスニーカー。イタリア・ボルツァーノで排出された、そのままではごみとなってしまうリンゴをアップサイクルしている。
動物性素材を一切使用していないため、アニマルフレンドリーを謳っている。もっとも環境に配慮しているスニーカーと表現してもいいかもしれない。
そのSamplaに使われるAppleSkinは、回収したリンゴをすりつぶし、乾燥させ、リサイクルのポリウレタンと混ぜ合わせることで、製造できるという。仕上がりは多少の雨になら耐えられるほどになるそうだ。
またSamplaは、レースやソール部分にもサステナビリティへのこだわりをみせている。
レースには、ポルトガル産の遺伝子組み換えなどをおこなっていないオーガニックコットンを使っている。ソールには自然由来のゴムを使用。
そして、スニーカーの製造はポルトガルにある工場で、一つひとつが丁寧に作業されているという。これは原料となるリンゴやコットン、ゴムなどの輸送距離を短くするための取り組み。
物理的な距離を短くすれば、カーボンフットプリントを実質ゼロに近づけられるからだ。物価の安い国や地域にある工場に依頼をすれば、おそらくコストは削減できるはずなのに、それをやらない姿勢に感銘を受ける人も少なくないだろう。
またSamplaはシューズが購入されるたびに植樹をすることも約束。もっともサステナブルなスニーカーは、ここまで地球の環境を考えているようだ。
生産はまだ始まっておらず、現在は公式サイトプレオーダーを受付けしている。
ELEMINIST Recommends