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チョウは、生物多様性や自然環境の変化を知るうえで重要な生きものだ。1970年代以降、チョウの減少が続くイギリスでは、2010年から毎年、市民が屋外でチョウを数える全国調査が実施されている。

Kojiro Nishida
ライター
イギリス、イースト・ミッドランズ地方在住。出版社で雑誌編集に携わったのちフリーランスに。ガーデニングとバードウォッチングが趣味。

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毎年7月中旬から8月上旬にかけて、イギリスでは国民参加型のチョウの調査「Big Butterfly Count(ビッグ・バタフライ・カウント)」が行われる。参加者が屋外でチョウや昼行性のガを数えるプロジェクトで、同国で冬の恒例イベントとして親しまれている野鳥調査「Big Garden Birdwatch(ビッグ・ガーデン・バードウォッチ)」のチョウ版ともいえるものだ。
自然保護団体「Butterfly Conservation(バタフライ・コンサベーション)」が2010年に始めたこの調査は、誰でも参加でき、方法もシンプルだ。
参加者は、天気のよい日を選び、庭や公園など観察する場所を決める。そこで15分間、見つけたチョウや昼行性のガの種類と数を記録し、結果を公式サイトまたはアプリから報告する。期間中であれば、日や場所を変えて何度でも参加できる。
公式サイトやアプリには、チョウやガを見分けるための識別チャートが用意されているため、詳しい知識がない人でも気軽に参加できる。
また、一匹も見つからなかった場合も、その結果を報告することが大切だ。チョウが確認されなかった地域の情報も、自然環境の変化を把握するための重要なデータとなる。
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バタフライ・コンサベーションの報告によると、イギリスでは1970年代以降、チョウの種の80%で、個体数または分布域、あるいはその両方が減少している。
チョウは花粉を運ぶポリネーターであると同時に、食物連鎖を構成する一員として、生態系に欠かせない存在だ。また、環境の変化に素早く反応することから、生物多様性や自然環境の状態を知るための指標にもなっている。
つまりチョウの減少は、ほかの野生生物の減少を知らせる早期警告ともいえる。チョウの数や分布を継続的に記録することは、自然環境の変化を把握し、保全につなげるうえで欠かせない取り組みだ。
チョウの発生時期や個体数は、その年の気温や降水量などの影響を受ける。
雨が少なく、暖かく乾燥した春となった2026年のイギリスでは、例年より多くのチョウが見られる可能性があると予測されている。しかし、ある年に多くのチョウが見られたからといって、長期的な減少傾向が改善したとは限らない。
自然環境がどのように変化しているのかを把握するには、毎年同じ方法で観察を続け、長期的な傾向を調べることが重要だ。
※参考
Will you be joining this year's Big Butterfly Count?|BBC
The State of the UK's Butterflies 2022 Report|Butterfly Conservation
Big Butterfly Count
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