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インド中部の都市ナグプールでは、これまで廃棄されていたオレンジの皮を活用する取り組みが広がっている。ファッションや洗浄製品の原料として利用する動きに加え、研究機関によって包装材の開発も進められており、これまで廃棄物として扱われてきた素材の新たな可能性が模索されている。

natsumi_kawaide
ライター
フランスのパリに滞在中、ライターとして欧州の旅行見本市や日本文化イベントを取材。帰国後は旅行情報誌の編集に携わり、現在はフリーランスのライターとして活動している。
ナグプールは「オレンジシティ」の愛称で知られる、インド有数のオレンジの産地だ。現地では、若い起業家や研究者たちを中心に、オレンジを活用した製品開発や研究が進められている。その取り組みのなかで着目されたのが、これまで廃棄物として扱われることの多かったオレンジの皮だ。
オレンジの皮を活用する取り組みは、さまざまな分野で進められている。たとえば、オレンジの皮を原料とした植物由来の繊維素材をファッションに活用する開発。そのほか、廃棄されたオレンジの皮などを発酵させ、自然由来の洗浄製品の開発にも利用されている。
こうした動きは製品開発にとどまらない。ナグプールにあるヴィスエソラヤ国立工科大学ナグプール校(Visvesvaraya National Institute of Technology、VNIT)では、オレンジ廃棄物の活用に関する研究が進められている。
研究対象には、土壌改良や害虫対策などの農業分野も含まれる。オレンジの皮をどのように活用できるかという観点から、製品開発とは異なるアプローチで研究が行われている。
オレンジの皮を活用した研究のひとつが、食品向け包装材の開発だ。VNITは、インド柑橘類研究センター(ICAR-CCRI)と提携し、オレンジの皮を活用した生分解性包装材の開発に着手した。
共同研究では、オレンジの皮由来の成分を活用した食品向け包装材の開発を進めている。農業廃棄物の活用とプラスチックごみ削減への貢献も、この研究の目的のひとつだ。
包装材の開発にあたっては、VNITとICAR-CCRIがそれぞれの専門性を生かしながら研究に取り組んでいる。具体的には、VNITが包装フィルムの設計・開発を担当し、ICAR-CCRIは品質分析や微生物評価、保存期間の評価を担う。食品向け包装材としての活用を見据え、ナノテクノロジーや化学工学といった分野の研究者も参加しながら、複数の観点から検証が行われている。
ナグプールにおけるオレンジの皮を活用した取り組みは、ファッションや洗浄製品の開発から農業分野の研究、包装材の開発まで多岐にわたる。食品加工の過程で生じる副産物をどのように活用するかは、多くの地域で共通する課題だ。ナグプールで展開されている取り組みは、これまで廃棄物として扱われてきた素材に新たな用途を見いだそうとする事例のひとつといえるだろう。
※参考
How this 'smart' Maharashtra woman is turning orange peels into cash|THE ECONOMIC TIMES
CCRI, VNIT collaborate to develop eco friendly packaging from orange peel waste|THE TIMES OF INDIA
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