ドイツの化粧品会社「Beiersdorf(バイヤスドルフ)」は、「NIVEA(ニベア)」のシャワークリームとシャワージェルをリフィルできる専用ステーションを大手ドラッグストア「dm」に設置した。リフィルができる回数は、ひとつのボトルにつき3回までだという。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
どんなブランドのシャンプーやコンディショナーでも詰め替え用が販売されているが、そのパッケージさえもなくせるとしたら? 「NIVEA(ニベア)」を抱えるドイツの化粧品会社「Beiersdorf(バイヤスドルフ)」が考えたのは、シンプルな解決策だった。
NIVEAのシャワークリームとシャワージェルをリフィルできる、専用ステーションの設置だ。
これはドイツの大手ドラッグストア「dm」に設置されているリフィルステーションのイメージ画像。現在は試験運用のため一部の店舗にのみ置かれているという。
すぐさま画期的なアイデアとして評価されそうだが、実はインドにおける実験では失敗しているのだとか。
もともとインドでは製造販売の効率化を図るためのプロジェクトとして、このリフィルステーションを設置することを構想。より頻繁的に使用してもらうために、といった具合だ。しかし、同国ではNIVEAがプレミアムブランドとして認知されていたために、消費者の支持を得ることができず頓挫。
そういう背景があるのだが、Beiersdorfはサステナビリティを推し進めるプロジェクトの一環として、再度このリフィルステーションを設置する決定を下したそうだ。
消費者は空になったボトルを店舗に持参し、詰め替えを行うだけ。と同時に、バーコードが印刷されるので、それを貼り付けてレジで生産する仕組みだ。
リフィルが可能な回数は、現状ひとつのボトルにつき3回まで。これは衛生上の観点からの決定で、安全を確保するためだという。
とはいえBeiersdorfは、今後その回数を増やすために、さらに実験を重ねていくことを約束している。またこの実験運用中であれば、最初のボトル(4回目のリフィルに必要となるボトル)は無料で提供されるそうだ。
実際に使用していないのでレビューや評価はできないが、NIVEAのようなグローバルブランドがこのような取り組みを始めれば、ほかの多くの企業もあとに続く可能性があるだろう。日本では設置場所を確保する難しさもありそうだが、少しでもプラスチックごみをゼロにしようとするブランドやメーカーが出てくる期待をしても、裏切られることはなさそうだ。
参照元/Beiersdorf
https://www.beiersdorf.com/beiersdorf-live/career-blog/blog-overview/2020/08/12-refill-instead-of-throwing-away
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