海外Z世代で新トレンド イタリアのおばあちゃん流スローライフ「ノンナ・マキシング」

Photo by Erwin Voortman on Unsplash

イタリア語で祖母を意味する「ノンナ(nonna)」は、手仕事、家族を中心とした暮らしを象徴する言葉として定着する。そんなノンナのライフスタイルを取り入れる「ノンナ・マキシング」がいま、海外の若い世代を中心に広がっている。

Aoi Kurogi

ライター

元新聞記者。幼少期に地球温暖化のドキュメンタリーを見て以来、環境問題に興味を抱く。現在は国際環境NGOなどでも執筆活動中。

2026.05.20
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ノンナの暮らしから学ぼう

「あなたもノンナ・マキシングしなきゃ」

カナダのナチュラルスキンケアブランド「tallowtwins」が2月にインスタグラムへ投稿したテキストだ。この投稿がきっかけとなり、いま海外の若い世代で「ノンナ・マキシング」という考えが急速に広がっている。

ノンナ(nonna)とはイタリア語でおばあちゃんを指す言葉だが、手間を惜しまない料理、家族を中心とした生活、無条件の愛情、時間や年齢にとらわれない豊かさといった価値観を表現する言葉としても象徴的に使われている。

ノンナ・マキシングとは、そうしたノンナのライフスタイルを取り入れようとするネット上のトレンドだ。

「手づくり料理」「友人との長いランチ」「どこへでも徒歩」「SNSはなし」といった言葉と、イタリアのおばあちゃんたちの日常を切り取ったような画像が並んだ投稿は6万件近い「いいね」を集めた。

投稿後の1週間で「ノンナ・マキシング」という用語のGoogle検索数は700%も増加し、SNSだけでなく海外のネットニュースでも取り上げられている。

長寿国イタリアのノンナが実践すること

「マキシング」とは、何かの対象を最大化するという意味のネットスラングだ。SNSではこれまで、外見を磨くルックス・マキシングや睡眠を最適化するスリープ・マキシングなど、自己改善をテーマにした言葉が次々と登場してきた。

ただノンナ・マキシングはこれまでの傾向とは異なる。

マキシングの対象は外見の美しさでも効率でもない。旬の食材でいちからつくる食事、家族や友人と囲む食卓、スマホを置いて人と向き合う時間。誰かに見せるためでも、記録するためでもない、リアルな体験そのものに価値を見出そうとするものだ。

ノンナたちは、徒歩でどこへでも出かけ、年齢を隠すことなく、地域コミュニティにも積極的に参加する。こうした日常的な運動や、人と直接つながる暮らしは、心身の健康につながることもさまざまな研究が示している。

実際、イタリアは世界有数の長寿国であり、とりわけサルデーニャ島の村々は、100歳以上の人口密度が高いブルーゾーン(長寿地域)のひとつとして知られる。ノンナたちの暮らしぶりは、そうした長寿を支える要因のひとつなのかもしれない。

【最新2025年】平均寿命の世界ランキング 寿命が長い国と短い国はどこ?

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デジタルネイティブ世代が求めるアナログ回帰

若い世代がこうしたトレンドに惹かれる理由にはスマートフォンやSNSを長時間利用することによるデジタル疲労があるとみられる。

デロイト社の調査では18〜40歳の53%がスクリーンタイムのコントロールに苦労しているという。さらにZ世代の半数以上が、対面よりも画面越しに人と交流することの方が多いと答えている。

こうした状況への反動からか、近年は編み物や陶芸、ガーデニングなど、オフラインでの体験に惹かれる若者が増えている。専門家たちの間では、2026年はアナログ回帰の年になるとの予測もされている。

ノンナ・マキシングの広がりもまた、こうしたアナログ回帰の流れにある。便利さや効率性を追い求めるなかで、私たちが手放してしまった当たり前の暮らしへ、人々の関心が戻り始めている。

※掲載している情報は、2026年5月20日時点のものです。

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