建築スタジオ「Fokstrot」が手がけるデンマーク・コペンハーゲンの港に浮かぶ公園「Copenhagen Islands」。広さは20㎡(約12畳)で、木造船の伝統的な技術と地元の木材を使っている。地球温暖化による海面上昇に耐えられるという。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
デンマーク・コペンハーゲンにある水上公園「Copenhagen Islands」の紹介をしたい。
詳しい説明に入る前に、まずはこの公園が目指している理想について触れておこうと思う。
いくつもの公園が水上に浮き、それぞれをボートやカヤックで移動しながら、たくさんの人たちが交流する場所になる。遊泳エリアが設けられたり、サウナが設置されたり、カフェがオープンしたり、野菜を育てる場所ができたり……新しいカタチの公共スペースをつくろうとしているのだ。
プロジェクトの目的として、デンマークに古くからある港での暮らしをアップデートし、社会的な結びつきを改めて強化したいとも説明されている。
そんな想いを持って、ひとつ目の島がつくられた。
手がけたのはコペンハーゲンを拠点にする建築スタジオ「Fokstrot」と、オーストラリア人アーティストのMarshall BlecherさんとMagnus Maarbjergさん。
「CPH-Ø1」と名付けられたこの公園は、2018年に完成。広さは20㎡(約12畳)で、木造船の伝統的な技術と地元の木材を使っているそうだ。地球温暖化による海面上昇に耐えられる。
中央には木が一本植えられていて、無人島をイメージしているとのこと。また、知恵と活力も象徴するという。
ウェブサイトでは「こうして島を設置することで、近くを通った人の頭の中にすぐに疑問を生まれるでしょう」と説明。「コペンハーゲンにできる全く新しい公共スペースでもあります。位置が変わり水に浮かぶ公園は、探索をしたい人などを惹きつけるに違いありません」とも。
そして、2021年の春に「CPH-Ø2」と「CPH-Ø3」が建設される予定という。
また、季節によって公園の位置を変えようとしている点も興味深い。
上記画像の左は夏を想定していて、それぞれが離れることで遊泳エリアなどが設置される。上記画像の右は冬で、なるべく密集しイベントやフェスの会場となるという。
新たな公園ができる2021年以降も、「Copenhagen Islands」の動向には注目だ。
参照/COPENHAGEN ISLANDS
https://www.copenhagenislands.com/
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