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開発などにより、都市部から姿を消してきた緑の風景。イングランド中部最大の都市・バーミンガム近郊では、都市交通を担うメトロ会社が、環境に変化をもたらすため新たな試みをスタートした。

Kojiro Nishida
編集者・ライター
イギリス、イースト・ミッドランズ地方在住。東京の出版社で雑誌編集に携わったのちフリーランスに。ガーデニングとバードウォッチングが趣味。

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イングランド中部を走るウェスト・ミッドランズ・メトロでは、トラムの停留所の一角を、野生生物のための自然スペースへと変える「エコ・アイランド」の設置を進めている。
エコ・アイランドとは、在来の野花を植えた、手間のかからない緑地スペースのこと。都市部でもしっかりと植物が育つように設計されている。単に美しい花壇をつくるのではなく、地域社会の中心に自然を取り戻すことが狙いだ。トラムの利用客にとっては、乗車時に自然の美しさを楽しんでもらうことも期待される。
最初の設置場所となったのは、バーミンガムの郊外、北西に位置するブラック・レイク停留所だ。約16平方メートルのスペースに、イギリス在来の野花が植えられ、ミツバチや蝶などのポリネーター(花粉を媒介する昆虫類)を呼び込むことを目指している。
その他にもテントウムシのように害虫を抑える働きをする昆虫や、野花の種を食べにやってくるスズメなど小型の鳥類、草丈のある植物を天敵からの隠れ場所や巣作りの場として利用するハリネズミなど、小型の哺乳類や両生類も見られる予定だという。
ウェスト・ミッドランズ・メトロでは、エコ・アイランドの重要性について、以下のポイントを挙げている。
・土壌をしっかりと支え、浸食を防ぐ
・水を適切に吸収し、排水の流れを整える
・有機物を育み、豊かな土壌環境をつくる
・開発などにより分断された緑地をつなぎ、野生生物が行き来できる環境を広げる
景観が美しくなるだけではなく、環境の再生や気候変動への適応において重要な役割を担うこととなる。
ウェスト・ミッドランズ・メトロのインフラマネージャーであるショーン・ウォーカー氏は、次のように話している。
「これらのエコ・アイランドは、とりわけ都市部のように、在来の植物や昆虫の生存が難しい場所において、地域の環境を大きく改善するための低コストな取り組みです。停留所の景観を向上させるという利点もあり、一年を通して、あらゆる希少種にとっての避難場所にもなります。これらの停留所でトラムを待つ人々は、都市化が進んだこの地域でも見られる自然の美しさを、少しの時間だけでも楽しむことができるでしょう」
この取り組みは今後数か月にわたって整備が進められ、12か月以内には、少なくとも6か所以上の停留所にエコ・アイランドの設置が完了する予定だ。
※参考
'Eco islands' to be built at tram stops|BBC
Welcome to Our Eco-Islands|West Midlands Metro
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