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新たな大規模研究で、ビジネスクラスやファーストクラスはエコノミーに比べてCO2排出量がおよそ5倍になることがわかった。これらのプレミアムシートの廃止によって、航空業界のCO2排出量を半減できる可能性が指摘されている。

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エレミニスト編集部
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航空業界は世界の人為的なCO2排出量のうち、およそ4%を占めていると言われる。同じ交通手段でも、電車やバスなどの公共交通機関に比べると、CO2排出量が多い。そのため、航空業界では「SAF(サフ、持続可能な航空燃料)」の開発や使用に注目が集まるほか、欧州では短距離路線を廃止するといった措置を取るところもある。
そのようななか、新たな大規模研究でわかったのが、CO2削減の可能性とプレミアムシートの存在だ。
先日、科学誌『Nature Communications Earth & Environment』に掲載された研究では、2023年に26,000都市間を運航した2,700万便以上の商業フライトを分析している。乗客1人が1㎞移動するごとに排出するCO2を計算したところ、路線によって大きく異なるが、平均して84.4gだった。
この調査で対象となった期間と路線でもっとも排出量が多かったのは、米国でCO2排出量は1億4,460万トン、総排出量の25%を占めた。2位は中国、3位は英国だった。
またこの分析で、ビジネスクラスやファーストクラスなどのプレミアムシートは、エコノミークラスと比較すると最大で5倍もCO2排出量が多いこともわかった。仮に、エコノミークラスのみの座席構成にすれば、一度により多くの乗客が搭乗できるため、排出量を22~57%削減できると、この研究論文ではまとめている。
もし、プレミアムシートを廃止し、さらに燃費効率のいい航空機のみで運航し、さらに搭乗率を高めれば、排出量はさらに削減できる可能性があるという。その削減効果は、50~75%削減にもなると報告されている。
人々の長距離移動手段として欠かせない飛行機であるが、CO2排出量が多い点でまだまだ課題が多く、なにかと指摘を受けてきた。
そのため、世界のエネルギー企業がSAFの開発に力を注いでいるが、フライトの多くをまかなうほど十分にSAFを生産できる段階ではない。SAFの開発を待つだけではなく、現在できる新たな取り組みが必要ではないか。
この研究論文の共著者であるオックスフォード大学のミラン・クローワー博士は、次のように述べている。
「航空会社が燃費効率の高い航空機に切り替えることで、燃料消費量を25~28%削減できる可能性があることがわかった。各国でこのような航空機の切り替えを奨励する政策があれば、このシフトを促進できるはずだ」
航空業界全体で、さらなる取り組みを積極的にすすめていくことが求められている。
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