Photo by Rhamely on Unsplash
『ヴォーグ』や『Glamour』『GQ』などの雑誌を出版する世界の大手出版社、コンデナストは、同社が手がけるすべての雑誌や媒体のコンテンツで、動物の毛皮を使用しない方針を発表した。

ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
アメリカNYに本社を置くコンデナスト(Condé Nast)は、ファッション誌『ヴォーグ(VOGUE)』や女性誌『グラマー(Glamour)』のほか、『GQ』『WIRED』など、世界に影響をもたらす力のある媒体を数多く抱える、大手出版社のひとつだ。
そんなコンデナストは、同社が手がけるすべての雑誌や媒体の編集コンテンツと広告コンテンツで、動物の毛皮を使用しない旨を宣伝した。
今回の同社の宣言は、およそ9か月にわたる動物愛護活動家らの活動の結果だ。彼らが抗議活動を根強く続け、ついに同社は脱毛皮を発表するに至った。
これまで、多くのラグジュアリーブランドが脱毛皮宣言を行ってきた。
例えば、これまでに脱毛皮宣言を行ってきたブランドには下記などがある。
・ドルチェ&ガッバーナ
・マックスマーラ
・バーバリー
・シャネル
・プラダ
・ヴァレンティノ
・ヴェルサーチ
・ケリング(グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ等) など
また、ヨーロッパを中心に、例えば下記など、毛皮の生産や輸入を禁止する国も増加している。
・イタリア
・フランス
・ハンガリー
・アイルランド
・ノルウェー
・米カリフォルニア州 など
さらに、米国のサックス・フィフス・アベニュー、カナダのハドソンズ・ベイなどの大手小売でも毛皮宣言を行っているところが増加。サステナブルをテーマにしたファッションショーの波も広がりつつある。
『ヴォーグ』は世界を牽引するファッション誌のひとつとして、毛皮を「美しい高級ファッションの象徴」として紹介してきた歴史がある。
そのような『ヴォーグ』をはじめ、多くのメディアを抱えるコンデナストがファーフリーの宣言に至ったことは、ファッション業界やメディアにとっても大きな転換点のひとつになると言える。
ちなみに、同じく影響力の大きいファッション誌『エル(ELLE)』は2021年に毛皮フリーの方針を採用している。
ただ、このようにファッション業界全体での毛皮排除へのシフトは進んでいるが、一方で毛皮の流通量が少なくなることで、毛皮回帰を求める動きも一部で生まれる可能性は否定できない。
毛皮を選ばない選択が「かっこいい」ものであるという価値観が、世界に広まっていくことを期待する。
ELEMINIST Recommends