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男女の格差を数値としてまとめた「ジェンダーギャップ指数」。世界経済フォーラムから、最新のランキングが発表された。2025年の全ランキング結果と日本の順位、世界の動向について紹介しよう。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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日本は118位で、前年(2024年)と順位に動きはなかった。スコアのもととなった4つの分野の内訳は以下のとおりだ。
分野 | スコア(順位) | 前年のスコア(順位) |
経済 | 0.613(112位) | 0.568(120位) |
教育 | 0.994(66位) | 0.993(72位) |
保健 | 0.973(50位) | 0.973(58位) |
政治 | 0.085(125位) | 0.118(113位) |
経済と教育の分野ではスコアを上げたが、保健についてはスコアの変化はなく、政治についてはスコアが大きく下がった。結果として、総合スコアは、前年より0.003アップと、ほぼ変動がなかった。これまでも指摘されてきているように、日本のジェンダーギャップ指数のスコアと順位が低い大きな理由のひとつが、政治の舞台に登場する女性が少なく、男性が主体であることだ。
なかなか縮まらない、世界のジェンダーギャップ。昨今はビジネスのあらゆる分野にAIの活用がはじまっており、このAIの台頭によって、ジェンダーギャップにも影響をもたらすとみられている。
例えば、AIが生成したコンテンツに登場する人物には、医師は男性、看護師は女性というステレオタイプで役割が割り振られるケースがあると考えられる。これは、AIが学習したデータに、そもそもこのようなジェンダーバイアスがかかっていたと見られる(※2)。このようなAI生成のコンテンツが大量につくられると、ジェンダーギャップが広がる可能性もある。
一方で、AIによってジェンダー平等にもとづいたコンテンツがつくられるのなら、人々の間のジェンダーギャップの解消につながる可能性もあるだろう。
ただ、そもそもSTEM(科学、技術、工学、数学)分野に携わる女性が約3割と少ないことから、AIリテラシーの差が広がり、ジェンダーギャップが広がるという意見もある。
AI技術の革新とともに、そのようなジェンダーギャップへの影響にも、今後注視していくべきだろう。
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