サステナブルな投資「SRI(社会的責任投資)」とは?

いままでと違う投資のあり方SRI(社会的責任投資)。利益だけでなく、働く人や地球環境も大事にする企業に的を絞って投資するのが基本スタンスだ。SDGsの達成が叫ばれる昨今、投資を通じてよりよい社会づくりに貢献できるとあって、じわじわと最注目され始めている。

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2020.08.21
SOCIETY
編集部オリジナル

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SRI(社会的責任投資)とは

社会

Photo by Hannah Busing on Unsplash

SRIとは「Socially Responsible Investment」の略で、日本語では「社会的責任投資」だ。最近では「サステナブル投資」と呼ばれることもある。

SRIは従来の投資とは違い、投資先の企業がCSR(社会的責任)を果たしているかを判断基準としている。

この責任というのは、利益をあげて株主に還元することだけではない。持続可能性への配慮やダイバーシティの推進などに、ポジティブな姿勢で積極的に取り組んでいるかが、SRIにおいては最重要視されるのだ。

SRIの大きな特徴は、社会にとって喜ばしくないもの、たとえば軍事産業やタバコ産業、ギャンブル産業などは投資対象から外されるということだ。

長期的な目線で見て持続可能であり、人々に広く受け入れられる企業に投資先を絞り、クリーンなお金の流れをつくる。そこがいままでの投資との大きな違いだ。

SRIの歴史

投資

Photo by Roman Synkevych on Unsplash

社会責任投資の起源には諸説あるが、古くは紀元前1500年ごろに遡るという。

ユダヤ教の教会はこの頃すでに、人道的で倫理的な投資をすることを、ユダヤの法のもとに定めていた。正しい政治や経済のために、人々に危害が加わるようなところへの投資を禁じる、というのが当時の判断基準だったようだ。

それが近代に近づくにつれ、宗教的な倫理面を重視するという選定方法から、社会への責任の取り方や、環境への配慮などを考慮する投資スタンスに変化していった。最近では、SDGsに貢献できる金融商品として改めて注目を浴び始めている。

1960年代

反アパルトヘイト運動が盛り上がりをみせたり、ベトナム戦争が起こったりするなかで、道徳心のある企業への投資に関心が高まっていった。株主行動が活発になったのもこの頃。

ベトナム戦争で使われたナパーム弾の生産元であるダウケミカル社では、間接的に戦争に関与していることに耐えきれなくなった株主側が、企業に爆弾の製造を中止するように働きかけた。

1990年代

環境問題対策を行う企業への投資が、大きなビジネスになるという認識が広まった90年代。1997年には、イギリスにあるサスティナビリティ社の創立者の一人であるジョン・エルキントン氏が、「トリプルボトムライン」という考え方を提唱。

企業活動において、環境、社会、そして経済に対しても配慮し、ステークホルダーと良好でインタラクティブな信頼関係を築こう、というものだ。

これは今日でも、サステナビリティー・レポート作成時の基準となっている。

ESG投資との違い

環境

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ESG投資のEは環境(Environment)を意味し、Sは社会(Social)、Gはガバナンス(Governance)で、環境問題に対する姿勢や活動なども考慮した上で投資することを指す。

SRIとESGはだいたい同じ意味で使われている。強いて両者の違いをあげるとすると、SRI投資は、倫理的な観点から企業を評価し、それにそぐわない場合は投資対象から外すことがある。

一方のESG投資は、環境・社会・ガバナンスへの対応しだいでは、SRI投資家が投資先から排除した企業でも、投資を行う可能性があるというところだ。

例えば、オーガニック栽培かつフェアトレードに注力しているタバコ業者を「善」とみなして投資することもあり得るのだ。

SRIが必要な理由

グローバル化

Photo by Vladislav Klapin on Unsplash

SRIは中長期的な利益を目的としている。働きやすい職場づくりや環境問題対策などは、一朝一夕でできることではないからだ。SDGs時代の投資は、企業が社会的責任を継続的に果たしていけるかどうかの「持続可能性」を重視する必要が出てくる。

これまでの投資は、短期的な利益だけに目を向けがちだった。しかし、環境を考慮しない企業を支え続けてきた結果として、温暖化や大気汚染などが顕著になってしまった。

それに日本はいま、少子高齢化やグローバル化への対応など、やることが山積みだ。これからは外国人労働者やリタイア世代を雇用すること当たり前になるので、職場のダイバーシティについて配慮できることも、企業評価の際に重要視されるようになる。

SRI投資は人、利益、そして地球もすべて大事にする投資スタンスだ。銘柄を評価して選定する「スクリーニング」をするだけではなく、支援が届きづらい層へのコミュニティ投資もするし、株主と企業が活発にコミュニケーションを取るのも当たり前。

つまり、従来型の投資より、高い透明性を望めるということだ。

サステナブル市場の規模は、世界的に拡大している。現状、日本の市場規模はおよそ100億ドルだが、SDGsの達成が責務となったいま、さらなる長期的な成長が期待されている。

未来を見据えた、中長期的な投資を

持続可能性や倫理面、社会的なども考慮して、銘柄を選ぶ人が増えている。これからはSDGsの達成が企業にとって重要になってくる。

世間から認められているだけでなく、働く人にも地球にもやさしい企業に資産を投じるのが、これからのスタンダードだ。金銭的な利益を重視するか、良心に従うべきか、ジレンマに苛まれることもあるかもしれない。

しかし、正しい投資ができる投資家が増えれば、世のなかのお金の流れはもちろん、社会をも変えることができる。

参照資料

A History of Impact Investing|Investopedia
https://www.investopedia.com/news/history-impact-investing/

The History of Socially Responsible Investing|CNote
https://www.mycnote.com/blog/the-history-of-socially-responsible-investi

日本サステナブル投資フォーラム
https://japansif.com/

海外のSRI市場|大和総研
https://www.dir.co.jp/report/research/introduction/financial/esg-sri/20140526_008569.pdf

※掲載している情報は、2020年8月21日時点のものです。

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