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英ウェイ―ルズの街、カーディフで、AIを活用したコーヒーカップのリサイクルプログラムが始まった。市内の複数のコーヒーチェ―ンやファーストフードが参加するプログラムで、AIを活用した世界で初めてのリサイクルシステムとして注目される。
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ロンドンから電車で数時間の場所にある、ウェイ―ルズの首都、カーディフ。ここで4月下旬より、新しいリサイクルプログラムが始まった。AIを活用した世界で初のリサイクルプログラムとみられる。
この取り組みは、ウェールズの非営利団体Keep Wales Tidyが主導。全国カップリサイクル制度(National Cup Recycling Scheme)、アプリ開発会社Bowerと提携して行われる。
このプログラムに参加するのは、カフェ・ネロ、コスタ・コーヒー、グレッグス、マクドナルド、プレタ・マンジェなど、市内にあるおよそ20店舗だ。
利用者は、Bowerの専用アプリをダウンロードし、アプリのAIフォトスキャナー機能を使って使用済みのカップをスキャンし、対象店舗にコーヒーカップを返却する。こうすることで、カップ1個につき5ペンス(約10円)の報酬が得られる仕組みだ。
イギリスで廃棄される紙コップは、年間25億個にものぼるとみられる。
しかし、Keep Wales Tidyによると、紙コップは通常のリサイクルシステムでリサイクルするのは難しいという。中の飲みものが浸透しないように、カップの内側がプラスチックでコーティングされていることが理由だ。
そのため、同団体では使い捨てされるコーヒーカップの量を減らし、埋め立て地へ送られたり焼却処分されたりするごみの量を減らすために、今回のプログラムを計画したのだ。
ちなみに、コーティングされた紙コップでも専門のシステムではリサイクルが可能だ。紙コップの紙は高品質の繊維でつくられているケースが多く、ブランドの紙製パッケージなどに生まれ変わる。プラスチック部分は、園芸家具やケーブルバンドなどに加工されるという。
複数の店舗が参加した地域ぐるみのリサイクルシステム。利用者にもリサイクルで報酬が得られれば、持続可能なシステムとして広がっていく可能性もあるだろう。今回のプログラムはひとまず、3ヶ月間の実証実験ののち、改善点などが考慮されていくものとみられる。今後の行方にぜひ注目したい。
※参考
Cardiff launches AI-based paper cup recycling scheme|Packaging Gateway
World first AI-based paper cup recycling initiative launches in Cardiff|Keep Wales Tidy
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