JALグループより新しい旅のカタチ、「旅アカデミー」がスタートした。観光ではなく“学び”を目的にした地域体験プログラムだ。旅アカデミー最大の特長のひとつが、地域を訪れる前に、座学プログラムを受講して現地での体験をより濃密な時間にできることにある。その魅力を体感すべく、ELEMINIST FollowersのTsukiさんが、香川県三豊市の「地域で自分を生かす‟ローカル副業”入門」に参加した。まずは、座学プログラムの様子をお届けする。【読者プレゼント付き】
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都会を飛び出し好きな地域で働きたい、そう思ったことはないだろうか。コロナ禍でリモートワークやテレワークが推奨されたこともあり、旅をしながら仕事をするワーケーションや多拠点移住といった働き方が注目されるようになった。また、人生100年時代ともいわれ、自分らしい働き方、生き方について模索する人も多いだろう。
そんな人にぴったりと言える新しい旅のカタチが、JALグループよりスタートした。「旅アカデミー」が目指すのは、観光ではなく“学び”を目的にした地域体験プログラムだ。国内外で豊かな生き方を実践している人々と出会い、自分らしい生き方のヒントを見つけようというもの。
多岐にわたる社会課題を背景に、JALでは、移動を通じて人とモノや地域がつながることは、持続可能な未来の実現に貢献できるという考えに行きついたという。旅アカデミーは、「移動を通じた関係・つながり」を創造する未来を描いた「JAL FUTURE MAP」の具体的な取り組みの一環で、地域と深く関わり、何度も訪れる第2の故郷を見つけてほしいという想いが込められている。
旅アカデミーは、これまでにない画期的な仕かけがある。旅へ出かける前に、各回のテーマに沿った人を講師に招いた「座学プログラム」が複数回用意され、実際にその地域を訪れて体感する「現地プログラム」とあわせて2部で構成されている点だ。地域の魅力や事前情報をインプットしておくことで、理解が深まるのはもちろん、テーマにゆかりのある講師や同じ想いを持った仲間と出会い、つながることができる。
旅アカデミーでは毎回テーマが設けられ、それぞれのテーマにあわせて2~3名が講師として、座学プログラムから現地プログラムまで帯同する。講師となるのは、そのテーマや地域を知り尽くした人。机上での学びではなく、そのテーマを実践する人から直接生きた学びを得られるはずだ。
魅力的なクラスが目白押しの旅アカデミーのなかで、ELEMINIST FollowersのTsukiさんが参加したのは、「地域で自分を生かす“ローカル副業”入門」だ。ここでは、3回の座学プログラムについて紹介する。
香川県三豊市(みとよし)は、高松空港から車で1時間ほど。瀬戸内海に面した、人口6万人を切る小さな町だ。ここがいま、ローカル・スタートアップの中心地として盛り上がりを見せている。講師の方の言葉を借りるなら、「三豊市は、地域づくりに関わる人のテーマパークのようになっている」という。
地元の若手経営者と外部から訪れたイノベーターがタッグを組み、次々と新しいビジネスを発案。約3年で実に80以上のプロジェクトが立ち上がり、年間2000名近くがプロジェクトの視察に訪れるほどだ。
この町でいったい何が起きているのか。さまざまな取り組みに触れることでローカルビジネスの生み出し方や、地域と関わり自分の居場所をつくる方法を学ぶ。「地域で仕事をしてみたい」「二拠点で働きたい」「副業したい」、そんな人にとって絶好の機会だと言える。
古田秘馬氏(株式会社umari 代表取締役)。慶應義塾大学中退。東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がける。
3回の座学プログラムのうち1回は、オフラインで東京都内の会場で開かれた。講師は、地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がけ、三豊市に讃岐うどんの文化を学べる体験型宿泊施設「UDON HOUSE」をつくった古田秘馬氏。プロデューサーとしての知見から、ローカルビジネスの面白さ、イノベーションの起こし方について語った。
古田氏が力説したのは、「100万人が1回訪れるのではなく、10万人が10回訪れる場所にしたい」という地方創生のキーワード。地方でよくありがちなのは、全国展開する大手の店を呼びたいという声。しかしそれでは、どの地域でも同じような景色になってしまう。だからこそ「その場所にないものは、自分でつくる」という観点が大切だという。
実際に三豊市では、ビール好きの人が意見を出し合って生まれたブルワリーや、自分たちでカフェをつくろうと生まれたコーヒーショップなど、地域発信のビジネスが数多く誕生し、それらが集まった商店街ができているのだ。
そんな三豊市で生まれたローカルビジネスの成功の秘訣は、“高”付加価値ではなく、“他”付加価値だという。例えば、「さぬきうどん英才教育セット」では、自宅にいながらにしてうどん打ち体験ができるキットを販売し地元の高齢者の間で好評だという。これは、孫が遊びにきたときに一緒にうどんをつくれるためで、うどんを“孫とのコミュニケーションツール”という違う価値にした結果だ。
また“共助”の考え方も重要だ。人材不足、資金不足などによってプロジェクトや取り組みが頓挫しても、「自分たちでやるしかない」という声が生まれる。住民や地元企業が一緒になって立ち上げた“共助”によるビジネスモデルが三豊市には数多く存在する。「この分野では私たちが最先端をいっていると思う」と古田氏は自信をのぞかせた。
ヨガの講師を行うほか、サステナブルアクティブウェアブランドiMの立ち上げなど、自らのビジネスを行っているTsukiさん。
10代まで地方の田舎で過ごしたというTsukiさんは、地方出身者として思うところがあったようだ。「地方に住む人間からすると、新しいことを始めたり変わったりすることが苦手、外から来た人への反発、といった感情があるように思います。ですが三豊市のように、アイデアを持った外部の人と地元の人がタッグを組むことで、こんなにも面白い化学反応が起こるんだ!と驚きました」
「きっと、外部のやり方をそのまま持ってきただけでは相乗効果は生まれないのだと思います。地元に貢献できるものを、地元の人と一緒につくる。それによって、『自分たちの手で、もっと何かできるのでは?』そんなポジティブな気持ちが町全体に広がり、三豊市の活性化につながっているのだと感じました」
ローカルビジネスの醍醐味を、「地元に根ざした私たちの手で、0から1 を生み出すこと」と語る原田氏。
このほか、現地に行くまでに2回オンラインでの座学プログラムが行われた。講師は、東京の大手企業を退社して三豊市に移り住み、多くのビジネスを立ち上げている原田佳南子氏と、三豊市でブルワリー(ビール醸造所)を経営しながら、前職からの経理財務、戦略MGインストラクターの3本柱で働く三浦功喜氏だ。
原田氏は、三豊市に新たなにぎわいを創出しようと、自身の会社と地元企業11社とともに出資した宿泊施設「URASHIMA VILLAGE(ウラシマビレッジ)」をつくるなど、三豊市を訪れるイノベーターたちのメンター的存在だ。
三豊市を初めて訪れたとき「この町に残りたい! 自分の故郷にしたい」と感じたことがきっかけで、「みんなでブルワリー」をオープン。規格外などの地元産果物を使ったクラフトビールを提供している。
また、旅アカデミーの参加者にとって一番参考になるのが、三浦氏かもしれない。なぜなら、会社員を完全に辞めて移住したのではなく、東京での仕事もリモートワークとして継続しているからだ。三豊市のフルーツをアップサイクルしたクラフトビールをつくろうと思いつき、実現している人物だ。
そんな、現在進行形で三豊市でのローカルビジネスやローカル副業を実践している人のリアルな声を学べる場が用意された。
座学プログラムを受けた後は、いよいよ1泊2日の「現地プログラム」だ。3人の講師のパッションに触れ、副業やローカルビジネスへのモチベーションが高まった人も多いだろう。
Tsukiさんも「三豊市への知識や愛着を持って旅行当日を迎えられるので、参加前から他にはない特別感を感じています。座学を受けるなかで、ツアーに参加する目的や自分のやろうとしているビジネスについて、より深く考える時間が持てました。どんな学びがあるのか、三豊市へ行くのが楽しみです!」と意気込みを語った。
次回は、「現地プログラム」の様子をお伝えする。実際にどんなプロジェクトが動いているのか。地元経営者による取り組みのプレゼンテーションや、瀬戸内の美しい景色を望む観光地や施設の紹介など盛りだくさんの内容だ。期待いただきたい。
この記事を読んでアンケートに回答した方のなかから2名様に、JALオリジナル アメニティ(ヘラルボニーのポーチ)をプレゼント。JAL国際線ビジネスクラスのアメニティで、「HERALBONY(ヘラルボニー)」のコラボデザインだ。セットに入っている歯ブラシは、従来廃棄処分されていたお米のもみ殻を配合したバイオプラスチック「TEXa」使用しプラスチック使用量を35%削減。内容品の袋には、新規石油由来プラスチックを使用しない紙製のものを採用している。
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※商品はELEMINIST編集部よりお送り致します。
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●ご応募期間:2025年2月6日(木)まで
●ご応募方法:ローカル副業入門【現地編】の記事末にあるアンケートにご回答、必須項目にご入力ください。
●当選連絡:当選者には、2025年2月下旬にELEMINIST編集部(edit@eleminist.com) よりメールにてご連絡させていただきます。
撮影/岡田ナツ子 取材・執筆/村田理江 編集/佐藤まきこ(ELEMINIST編集部)
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