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これまでにも人間の心臓・血液・肺から検出されたマイクロプラスチック。最新の研究結果で、人の脳からも検出され、2016年のサンプルと比較すると検出された量は15倍と、ずっと多くなっていることがわかった。
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直径5mm以下の小さなプラスチック粒子であるマイクロプラスチック。化粧品や衣類などから微細な粒子が放出されたり、洗濯によって流出したり、プラスチックごみが摩耗や風化によって細かく砕けたり、さまざまな経路で私たちのからだに忍び寄っている。
これまでに人の心臓や血液、肺からマイクロプラスチックが検出されたが、先日発表された研究結果で、人の脳からも検出。しかもその量が、以前よりも多くなっていることが明らかになった。
この研究を行ったのは、米ニューメキシコ大学アルバカーキ校の研究チーム。同チームは、2024年に法医解剖を受けた92人の脳、腎臓、肝臓の組織を調べた。その結果、45歳から50歳の正常な人の脳組織1gから4,800µgのマイクロプラスチックが検出されたのだ。これは脳の重量の0.5%に相当する。
しかも、2016年に行った同様の調査結果と比較すると、脳から検出されたマイクロプラスチックの量が約50%増えていたのだ。また、脳には腎臓や肝臓よりも7~30倍ものマイクロプラスチックが確認されたという。
さらに、検出されたマイクロプラスチックの大きさについても特徴がみられた。1µm~5µmの比較的大きな粒子は肝臓と腎臓に入りこみ、脳には100nm~200nmのような非常に小さなマイクロプラスチックが入り込んでいるとみられる。
私たちの身の回りにあふれ、空気中にも浮遊しているマイクロプラスチック。これらがどのように人の体内に侵入しているかは、まだ明らかになっていない。しかし今回の研究を行ったマシュー・カンペン教授は、「食事」が主な経路ではないかとみている。
「プラスチックは脂肪や脂質が大好きなので、私たちが食べる脂肪にくっついて臓器に運ばれる」と、マシュー教授は推測する。脳はおよそ6割が脂肪でできていて、脂肪の量がとても多い臓器であることから、脳に侵入したマイクロプラスチックの量が多くなったのではないかと、考えているそうだ。
体内に入り込んだマイクロプラスチックがどのような影響を与えるのかはまだ不明だ。ある生物学博士は「マイクロプラスチックが害を及ぼすという兆候はあるものの、全容はまだわからない」と述べている。
今の段階で私たちができることは、プラスチックのカップやペットボトルは使わないなど、プラスチックの使用をできるだけ避けるといい。とくにプラスチックは加熱すると食品に入りこむ可能性が高いため、電子レンジで食事を温める際はプラスチック包装を取ってから行うよう専門家はすすめている。
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