日本の高い山ランキングTOP20 環境問題や取り組みも

富士山と桜

Photo by JJ Ying on Unsplash

山に登ることで出会える絶景や美しい自然は、登山の醍醐味だ。日本には富士山をはじめ、魅力のある山が多くある。登山者にとっては、恵まれた環境といえるだろう。この記事では、日本の山を標高の高い順にランキングした。さらに山で起きている環境問題と、登山者ができる取り組みも紹介する。

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2024.09.29
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日本の高い山ランキングTOP20

日本の高い山ランキングTOP20を紹介しよう。20位は2山あるため、厳密には21山だ。標高は、国土地理院のデータを使用した。(※1)

1位|富士山(ふじさん)(標高:3776m)

富士山

Photo by Ian Chen on Unsplash

[山梨県・静岡県]日本の最高峰は富士山だ。国の史跡(史跡富士山)に指定されている。美しい形や四季で変わる姿も魅力だ。フジアザミやフジハタザオなど、富士山に多く見られる植物種もある。(※2)

2位|北岳(きただけ)(標高:3193m)

北岳と間ノ岳

[山梨県/赤石山脈北部(白根山)]日本で2番目に高い山は北岳である。山梨百名山の1つであり、花畑も見どころだ。山頂付近には、固有種の高山植物であるキタダケソウが自生する。(※3)

3位|奥穂高岳(おくほたかだけ)(標高:3190m)

奥穂高岳

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]3位は奥穂高岳である。飛騨山脈(北アルプス)の最高峰だ。飛騨側のルートは、所要時間・距離ともに余裕のある山旅ができるのが特徴だ。(※4)

3位|間ノ岳(あいのだけ)(標高:3190m)

北岳と間ノ岳

[山梨県・静岡県/赤石山脈北部(白根山)]同じく3位は間ノ岳。日本百名山の1つであり、北岳、農鳥岳とあわせて白根三山と呼ばれている。主稜は展望が開けているほか、稜線歩きを楽しめる。(※5)

5位|槍ヶ岳(やりがたけ)(標高:3180m)

槍ヶ岳

Photo by Bill Michaud on Unsplash

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]5位は槍ヶ岳である。稜線にはシナノキンバイ、クロユリなどの高山植物が咲いているほか、鏡池に映り込む槍ヶ岳の姿が見られる。飛騨側から見ると左に小槍を抱えているのが特徴で、その厳しい姿と同じように、登山には体力や日程に注意が必要だ。(※6)

6位|東岳(悪沢岳)(ひがしだけ(わるさわだけ))(標高:3141m)

[静岡県/赤石山脈南部]6位は東岳だ。別名「悪沢岳」とも呼ばれている。荒川前岳、荒川中岳とともに、荒川三山を構成している。千枚岳へと続く東西方向の稜線からは、360度の大展望が得られる。(※7)

7位|赤石岳(あかいしだけ)(標高:3121m)

 [長野県・静岡県/赤石山脈南部]7位は赤石岳である。赤石山脈(南アルプス)南部の主峰であり、登山者からの人気も高い。山頂からの展望のほか、山頂付近の線状凹地、山頂北東側のカールなどの地学的見どころも多い。(※8)

8位|涸沢岳(からさわだけ)(標高:3110m)

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]8位は涸沢岳である。近くには、山頂直下の斜面が円形状に削られた地形、涸沢カールがある。涸沢カールから穂高岳山荘、涸沢岳という登山コースがある。(※9)

9位|北穂高岳(きたほたかだけ)(標高:3106m)

北穂高岳

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]9位は北穂高岳である。奥穂高岳などとともに穂高連峰を成している。もっとも北に位置する難所であり、西面には「鳥も通わぬ」といわれる滝谷の岩場がむき出す。(※10)

10位|大喰岳(おおばみだけ)(標高:3101m)

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]10位は大喰岳だ。奥穂高岳や槍ヶ岳などをはじめとした飛騨山脈の1つである。(※1)

11位|前穂高岳(まえほたかだけ)(標高:3090m)

前穂高岳

[長野県/飛騨山脈南部]11位は前穂高岳である。穂高連峰のピークの1つで、奥穂高岳と吊尾根で結ばれた岩と雪の急峻な峰が特徴だ。(※11)

12位|中岳(なかだけ)(標高:3084m)

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]12位は中岳である。飛騨山脈南部に位置している。氷河のような地形が特徴だ。中部山岳国立公園に指定されている。(※12)

12位|荒川岳<中岳>(あらかわだけ<なかだけ>)(標高:3084m)

[静岡県/赤石山脈南部]12位タイは荒川岳<中岳>だ。赤石山脈(南アルプス)の荒川三山の中央に位置する。山頂部には赤石層群があり、砂岩とハイマツが茂る。稜線の直下には急峻な圏谷壁もある。(※13)

14位|荒川岳<前岳>(あらかわだけ<まえだけ>)(標高:3068m)

[長野県・静岡県/赤石山脈南部]14位は荒川岳<前岳>である。13位の荒川岳<中岳>と赤石山脈を成す。中岳同様に赤石層群があり、砂岩とハイマツが茂る。(※14)

15位|御嶽山<剣ヶ峰>(おんたけさん<けんがみね>)(標高:3067m)

朝の御嶽山

[長野県]15位は御嶽山<剣ヶ峰>だ。火山のなかでは、富士山に次ぐ高さである。また、富士山と同じ独立峰。「木曽の御嶽山は」という歌があることで有名な霊山だ。「御嶽山は滝の山」といわれるほど滝が多い。(※15)

16位|塩見岳(しおみだけ)(標高:3052m)

[長野県・静岡県/赤石山脈北部]16位は塩見岳である。赤石山地の山岳地形を展望できるほか、長野側から四万十帯の緑色岩などの海洋底岩石も観察できる。天狗岩周辺の赤色頁岩・チャートは見どころだ。(※16)

17位|農鳥岳<西農鳥岳>(のうとりだけ<にしのうとりだけ>)(標高:3051m)

[山梨県・静岡県/赤石山脈北部(白根山)]17位は農鳥岳<西農鳥岳>だ。白根三山の一角をなす赤石山脈(南アルプス)北部の山である。(※18)

18位|仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)(標高:3033m)

[長野県・山梨県/赤石山脈北部]18位は仙丈ヶ岳である。日本百名山の一つだ。「南アルプスの女王」と呼ばれ、穏やかな山容が特徴である。高山植物が多く生育していることでも知られている。(※17)

18位|南岳(みなみだけ)(標高:3033m)

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]18位タイは南岳である。飛騨山脈南部に位置する山だ。(※1)

20位|農鳥岳(のうとりだけ)(標高:3026m)

[山梨県・静岡県/赤石山脈北部(白根山)]20位は農鳥岳である。山梨百名山の1つだ。北岳、間ノ岳とともに白根三山と呼ばれている。(※18)

20位|乗鞍岳<剣ヶ峰>(のりくらだけ<けんがみね>)(標高:3026m)

冠雪の乗鞍岳

[長野県・岐阜県/飛騨山脈南部]20位タイは乗鞍岳<剣ヶ峰>だ。初心者から上級者まで楽しめる数々の登山コースがあり、岳人入門の山として人気。花畑散歩道などがある。(※19)

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高い山が多い地域

山の風景

Photo by Aleks Dahlberg on Unsplash

日本の高い山ランキングを見ていくと、山脈や連峰も多い。そこで高い山が多い地域とその特徴を紹介しよう。

アルピニストの聖地、飛騨山脈(北アルプス)

飛騨山脈(北アルプス)は、新潟・富山・長野・岐阜の4県にまたがる山脈だ。槍ヶ岳や奥穂高岳と3000m級の山が連なる。(※20)

日本一の山脈、赤石山脈(南アルプス)

赤石山脈(南アルプス)は、長野・山梨・静岡の三県にまたがる。南北120kmにわたり、3000m級の峰がそびえる日本一の山脈だ。(※21)

屈指の紅葉を誇る、木曽山脈(中央アルプス)

木曽山脈(中央アルプス)は、長野県に位置する木曽駒ケ岳や宝剣岳などの山々が連なる山脈である。東に天竜川が流れる伊那谷、西に木曽川が流れる木曽谷に挟まれた東西約20km、南北約100kmに走る。高山植物や屈指の紅葉が見どころだ。(※22)

自然景観が魅力の、八ヶ岳

八ヶ岳は、長野県と山梨県にまたがる山岳・高原地帯である。春の桜、夏の高原の風、秋の紅葉、冬の厳しさ・美しさが訪れる人に感動を与える。(※23)

日本の山や自然環境で起きている問題

木にとまる鳥

Photo by あま あわれ on Unsplash

山では自然の景観や植物の生育が楽しめる一方、人が入れば自然や生態系に影響を及ぼす危険もある。いま山で起きている3つの環境問題を紹介する。

ごみの放置

1つ目は、ごみの放置である。富士山では登山者が急増し、登山道の脇に残されるごみが問題になっている。2023年夏には1000キログラム以上のごみが回収され、なかにはペットボトルや登山用ストックなどもあった。(※25)

在来種の減少

2つ目は、在来種が減少していることである。山の植物を採取する、手入れ不足、外来種の侵入、などにより山の生態系が乱れ、在来種に影響を及ぼしている。山に入った人間は、自然に影響を及ぼしている。(※26)

土壌侵食

3つ目は、土壌侵食である。高山では、厳しい環境により土壌の表面部にある表土が少ないのが特徴だ。そこに登山者が足を踏み入れると、植生が失われるとともに、雨などにより表土が流出してしまう。生態系の喪失にもつながる問題だ。(※27)

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日本の山を守るために登山者にできる取り組み

登山道を歩く人

Photo by Willian Justen de Vasconcellos on Unsplash

日本の山で起きている環境問題の解消に向けて、登山者にできることは何だろうか。3つのポイントを取り上げる。

ごみの持ち帰りの徹底

はじめに、ごみの持ち帰りの徹底である。ごみは景観を損ねるだけでなく、動植物や自然環境にも影響を与える。自分で持ち込んだものは、責任を持って持ち帰るようにしよう。

環境に配慮したトイレ利用

次に、環境に配慮したトイレの利用である。山ではトイレの問題が深刻だ。穴を掘って埋めるほか、山のトイレを利用する方法もある。

環境に配慮したトイレには、オガクズなどを使用したバイオ循環式、カートリッジ式、汲み取り運搬式などがある。し尿と紙の分別や処理不能なものの廃棄をしないなど、利用に関する基本的なマナーも徹底する必要がある。第一は、トイレをきちんと利用することが大切だ。(※28)

野生動物への配慮

最後に、野生生物への配慮が挙げられる。登山道以外の場所には立ち入らない、野生動物に近づかない、植物を採取しないことが、野生動物を守ることにつながる。

日本の山とその自然環境を守る

日本の高い山ランキングTOP20には、山脈や連峰、山塊となっている山が多くある。山地の割合は国土の約6割を占めているから、日本は山に恵まれているといえるだろう。(※29)

一方で気を付けたいのが、山に足を踏み入れることで自然環境や動植物の生態系を乱してしまう可能性があることだ。これからも山登りを楽しむために、登山者としてできる取り組みを行い、美しい山を守っていきたい。

※掲載している情報は、2024年9月29日時点のものです。

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