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消費材メーカーの大手、ユニリーバが、廃棄予定の花を活用して、自社製品の香料を製造するパイロットプロジェクトをスタートした。
Ouchi_Seiko
ライター
フランス在住。美容職を経て2019年よりライターに。居住地フランスのサステナブルな暮らしを手本に、地球と人にやさしい読みものを発信。
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パーソナルケア製品から日用品まで幅広く販売するイギリスのメーカー、ユニリーバ。同社は、廃棄される花を活用して、シャンプー・洗剤など自社のホームケア製品やパーソナルケア製品の香料に取り入れるべく、イギリスのノッティンガム大学の研究者と協力して、試験的な試みをスタートした。
同社では現在、天然由来の香料と化学由来の香料を組み合わせて使用している。廃棄される花を香料に活用できれば、化学原料への依存を低減できる可能性があるという。また、原料調達をよりサステナブルにすることで、CO2排出量を減らす効果も期待できる。
ユニリーバによれば、毎年何トンもの花が廃棄されているという。これは、販売の基準が設けられていることや花の需要が季節によって大きく変動すること、花自体の品質が理由だという。
そこでユニリーバは、年間9,000万本の花や植物をイギリス国内の小売業者に販売している、イギリス・リンカンシャー州のブリッジ・ファーム・グループと協力関係を結んだ。
同ファームで販売できなかったり売れ残ったりした花について、ファームの温室で保管し、香りの原料として利用する。香料を製造する具体的な方法としては、エッセンシャルオイルを抽出する従来の技術「ソックスレー法」をさらに効率化した方法が用いられる。使用される主な花は、ペチュニア、バラ、マリーゴールドなどだ。
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ユニリーバのバイオテクノロジー部門責任者であるニール・パリー氏は、「最新のバイオテクノロジーを用いて、持続可能な新しい香りをつくり出すことで、植物の循環型経済を生み出す大きな可能性があります」と述べている。
また、ブリッジ・ファーム・グループの科学部門責任者であるレイ・マリオット氏は、「規格外の植物にも、活用できる部分がある」と強調。原料調達をよりサステナブルにするためには、廃棄植物の用途を数多く見つけることが重要だと述べた。
世界では、食品の大量廃棄「フードロス」が問題になっているが、フラワーロスについても同じことが言える。どちらも、生産や保管に大量のエネルギーを消費してしまうためだ。ユニリーバという大手企業がイニシアチブを取り、廃棄される植物を利用しようと始めることは、このような問題解決のひとつのきっかけにつながるのではないだろうか。
※参考
Unilever Uses Unwanted Flowers for Fragrance|RESET
Unilever trialling use of unwanted flowers to make fragrances for products|The Standard
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