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フラワーロスとは、綺麗な状態なのにロス(廃棄)される花のこと。近年、花の需要が低下傾向にあり、廃棄される花が増えている。この記事ではフラワーロスが発生する仕組み、フラワーロスを購入するメリットと購入できるネットショップ、我々一人ひとりが取り組める削減方法を紹介する。
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エレミニスト編集部
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「フラワーロス」とは、きれいな状態であるのに廃棄されてしまう花のこと。例えば、検品基準を満たしていないために廃棄されるもの。結婚式などの短期間のイベントで使われ、役目を終えて廃棄されるものなどが該当する。
フラワーロスは以前から問題となっていたが、表面化したのは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響があってからだ。イベントやコンサートでは、会場や舞台を華やかにするためにたくさんの花が必要とされていたが、コロナによって中止や縮小されることでそれらの花が不要になってしまった。
しかし花の生産は例年通りに行われるため、花き農家や街の花屋にとってフラワーロスは大きな負担となっている。コロナから回復しつつある現在もフラワーロスの課題は残っており、現在減少させるための活動が行われている。
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新型コロナの流行が落ち着きを見せた現在も、フラワーロス問題の根本となる課題は解決されておらず、依然厳しい状況が続いている。
1世帯あたりの花の購入金額は年々減少しており、ピークだった1997年の13,130円から、2022年には5,000円下落して7,992円となっている。(※1)
結婚式をはじめとする冠婚葬祭、ライブや成人式などのイベントでは、式後に回収された美しい花がそのまま廃棄されることもあり、これもフラワーロスにつながっている。ここではフラワーロスが起こる、根本的な原因について考えてみたい。
花業界は、生産者が生産した花を小売業者が購入し、消費者に販売するという流通形態になっている。しかし消費者の需要は時期によって変動し、仕入れが過剰になることでロスが生まれる。
また花は生もののため、入荷の時期が遅れたり、環境によって状態が劣化したりすると、せっかく入荷しても消費者に販売できず、結局廃棄せざるを得ない場合もある。その結果、多くのフラワーロスの発生につながっている。
花の消費は、市場の動向にも大きく影響を受ける。一般的に多くの花が取引されるのは冠婚葬祭においてである。結婚式や葬儀などで、花は会場を彩るのに欠かせないアイテムだ。
しかし近年では結婚式をあげるカップルが減少し、ニーズの多様化によって未婚率が高まることで結婚をしない人も増えてきた。2020年時点では男女ともに過去最高の生涯未婚率となっており、男性は4人に1人が、女性は5〜6人に1人が結婚しないという選択をとっている。(※2)
葬儀についても、小さく終わらせる家族葬が増えてきた。花の消費はこういった時代の流れに左右されており、国内での消費は年々減少している。
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イベントの減少や、流通の事情によってフラワーロスとして廃棄される花のなかには、購入できるものもある。ここではフラワーロスを購入するメリットについて解説していく。
フラワーロスとして販売されている商品は、実際の価格よりも割安で入手できることがある。花の状態や種類、購入する店舗によっても価格は異なるが、およそ3割から5割ほど割り引いた価格で販売されている。また、ドライフラワーやブリザードフラワーとして再利用されて販売されているものは、見た目の美しさはそのままで価格も手頃になっていることもあり、お財布にやさしい。
フラワーロスの購入は、持続可能な開発目標として定められるSDGsへの貢献につながる。花が廃棄されることなく再利用されることで、花の生産や運輸に使用された資源の無駄遣いを減らし、環境への負荷を軽減することが可能だ。環境への意識を高めたい人は、フラワーロスの購入を選択することで、地球の環境と我々自身の生活を豊かにすることに貢献できる。
花や緑に囲まれることには、ストレスの軽減やリラックス効果が期待できる。花や緑には人間の副交感神経を優位にし、リラックスさせる効果があるといわれている。ストレスが軽減され、心身のリフレッシュが促進されることで生活もより豊かなものになるだろう。また花や緑のある環境では、緊張が緩和され家庭や職場でのコミュニケーションも円滑にいくようになる。フラワーロスを活用することで、日常生活に花や緑を気軽に取り入れることができ、ストレスや疲労の軽減につながる可能性がある。
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フラワーロスを購入できる場所はまだ限られている。ここではフラワーロスをインターネット上で購入できるサイトを紹介する。
ロスされたフラワーを中心に扱うオンラインショップで、花の廃棄問題に対する間接的な支援を目指している。生花のほか、フラワーロスを加工したドライフラワーを販売しており、ラインアップを定期的に変えながら運営しているので、いつも新しい発見がある。
地球環境に配慮した循環型花屋で、花の廃棄処分をゼロにする取り組みを行っている。廃棄になる花から堆肥をつくり、ドライフラワーやブリザードフラワーに加工して新たな価値を生み出す活動を行っている。
月額980円から利用できる、花のサブスクリプションサービスを提供している。定期的に季節の花が自宅に届けられるため、花に詳しくない人でも利用しやすいサービスだ。ロスされたフラワーを専門に扱うサービスではないが、注文を受け必要な分だけ発注するためフラワーロスの削減につながる。
市場で仕入れてすぐに販売する、フラワーロスが生まれない仕組みで運営されているオンラインショップ。手頃な価格でボリュームたっぷりの花を提供している。ポピュラーな花から個性的なものまで、幅広いブーケを提供している。
規格にとらわれず、すべての花が美しさを発揮できるようにというコンセプトで運営されているオンラインショップ。障がい当事者や地域の福祉施設と連携し、社会貢献への意識ももつエシカルな企業だ。
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フラワーロスについて知り選択することも大切だが、フラワーロスを出さないために我々一人ひとりができることを紹介する。
花を購入したり、誰かからもらったりする機会があったら、その美しさを最大限に楽しむことがフラワーロスの削減につながる。花瓶や花器の水をこまめに変えることで、可能な限り美しい状態を保ったまま花を長持ちさせられる。美しい状態が続くことで部屋の雰囲気も明るく華やかになる。
花をドライフラワーに加工することで、その美しさを長期間にわたって楽しめる。ドライフラワーは生花を風通しのいい日陰において乾燥させることで、誰でも簡単につくることができる。花のもつボタニカルな魅力を最大限保ちながら長期間保存も可能だ。フラワーロスをドライフラワーにすることで、生花とはまた違った美しさを楽しめ、フラワーロスの削減にもつながる。
フラワーロスは、ボタニカルキャンドルにするのにも適している。色鮮やかな花をキャンドルに閉じ込めることで、長期間保存できるだけではなくインテリアとしても非常に美しい。ボタニカルキャンドルは表面に花や植物を埋め込んでつくるため、灯りをともすと花の美しい姿が浮かび上がり特別な気分に浸れるだろう。
フラワーロスに関する課題は、業界に携わる人々だけではなく我々にとっても決して無視できるものではない。もちろん、フラワーロスの問題を根本的に解決するのは非常に時間がかかる。
しかし、花はさまざまな面で加工するのに適しており、生花とは違った別の美しさを持っている。消費者一人ひとりが楽しんでアレンジメントを行うことが、自然にロス削減につながる。
※1 花きの現状について|農林水産省
※2 結婚と家族をめぐる基礎データ|内閣府
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