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イギリスのエデンプロジェクトが「ワイルドフラワーバンク」を設立し、イギリス全土の生物多様性危機に取り組む計画を発表した。さまざまな生物の生息地となる地域は、最低30年間管理される。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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イギリスの教育慈善団体かつ社会的企業であるエデンプロジェクトは、生物多様性を守るため「ワイルドフラワーバンク」を立ち上げる計画を発表した。英国全土に多様な野生の花々がある草原の生息地をつくり出すことを目指すものだ。
このプロジェクトでキーとなるのが、「生物多様性ネットゲイン」という考え方。これは、生物多様性を保全するだけでなく、「純増(ネットゲイン)」させるというもの。
自然環境にとってメリットをもたらすような投資を検討する地主、企業、組織と協力して、対象となる土地を最低30年間管理する。
この「ワイルドフラワーバンク」立ち上げの発表前、イギリスでは英国全土のほぼすべての開発事業において、今後少なくとも生物多様性の純増を10%達成することを義務付けるルールが2024年から始まることが発表された。このバンクは、このようなイギリスでの取り組みをさらに後押しすることになるだろう。
「ワイルドフラワーバンク」の具体的な取り組みでは、まずイギリス全土に「種子ハブ」を設立する。ここでは、野生の花の種子を収穫、洗浄、保管、配布し、より広範囲な自然回復の支援をおこなう。
イギリスは、世界でもっとも生物多様性が失われた国のひとつであり、野生の花々の生息地は97%も減少しているという。エデンプロジェクトの開発ディレクターであるダン・ジェームス氏は次のように語った。
「自然危機が早急に対応すべきグローバルリスクであることは明白です。生物多様性のレベルを高め、自然の回復をサポートしない限り、気候変動の影響を逆転させることはできません」
人間による土地の開発などの影で、生物多様性が損失している。気候変動対策とあわせて、生物多様性を守る取り組みにも近年注目が集まっている。今後は、このような生物多様性保全の取り組みが増えていくだろう。
※参考
The Eden Project Wildflower Bank
Eden Project launches wildflower bank to help grassland habitats thrive|cornwalllive
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