EUで「ペットボトルはキャップ一体型」に統一 プラごみ削減が目的

プラスチックボトルのキャップ

Photo by Roberto Sorin on Unsplash

EUでは、3リットル以下の飲料用ペットボトル容器にキャップが一体化されるルールが始まった。キャップのリサイクルを容易にし、自然環境に与える影響の低減を目指している。

Ouchi_Seiko

ライター

フランス在住。美容職を経て2019年よりライターに。居住地フランスのサステナブルな暮らしを手本に、地球と人にやさしい読みものを発信。

2024.08.23
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ペットボトルのキャップは「もっとも多いポイ捨てごみ」のひとつ

ヨーロッパのペットボトル

Photo by Waldemar on Unsplash

EUでは2024年7月3日から、キャップが外れるペットボトルの販売が禁止され、容器とキャップが一体化したものだけが販売されるようになった。対象は3リットル未満の飲料製品。プラスチックごみを削減し、海洋汚染を減らすことを目的としている。

同規制は、EUが2018年に発表した「使い捨てプラスチック削減」計画の一環。他の試みとして、野菜・果物のプラスチック包装の禁止や、ファーストフード店での使い捨て容器の禁止などが挙げられる。

ペットボトルのキャップは、EU域内の海岸でもっともポイ捨てされるプラスチック製品のひとつだという。事実、現在でも大量のプラスチックごみがリサイクルされずに海に流れ込んでいる。2019年にプラスチックの生産と焼却で排出された温室効果ガスは、8億5000万トン以上という。

今回のキャップ一体型ペットボトルの規制は、こうした温室効果ガスの低減も目指している。キャップがボトルと一体化していることで、キャップの紛失を防止し、道路や海岸に投げ捨てられることを防ぐ。

ペットボトルはさらに規制強化へ

プラスチックの海洋汚染

Photo by Naja Bertolt Jensen on Unsplash

EUにおけるペットボトル規制は、キャップだけにとどまらない。2025年までには、すべてのペットボトルに25%以上、2030年までに30%以上の再生プラスチックを使用することが求められる。この計画は、生産工程でリサイクルが必要不可欠になることを意味する。

一方で、キャップ一体型ペットボトルを「使いにくい」とする消費者もいる。規制開始直後は、EU域内のソーシャルメディア上で賛否の声が上がっていた。しかし過去には缶飲料でも同様の取り組みが行われた。以前は、缶本体から引き金部分が外れる「プルタブ」だったが、現在は開封しても引き金が缶本体から離れない「ステイオンタブ」が一般的だ。

新たなペットボトル規制で、プラスチックごみの回収とリサイクルがより促進されることになると期待したい。

※掲載している情報は、2024年8月23日時点のものです。

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