歯ブラシは竹製に ゆるく始めるプラスチックフリー生活のコツ 

プラスチックごみ問題が世界中で年々深刻化している。竹製の歯ブラシや草ストローなどプラスチックフリーなグッズを毎日の生活に取り入れて、自分にとって心地いい暮らしをしながら、サステナブルな生活にシフトしていこう。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2020.08.11
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

海洋プラスチックがおびやかす地球環境

海中に漂うペットボトルごみ

Photo by Brian Yurasits on Unsplash

プラスチックごみが、世界中の海岸に打ち上げられている。レジ袋や包装容器など、その種類は多種多様だ。プラスチック製品は軽くて便利だが、逆にその長所が裏目に出ることもある。

風に乗って海や河川に飛ばされたごみは、そのまま大海原へ流れ出てしまうのだ。便利さを追求した結果のしわ寄せが、いま世界を襲っている。

マイクロプラスチック問題

世界の海洋プラスチックごみの総量は、すでに1億5,000万tともいわれている(※1)。早くキレイにしたいが、簡単にはできない理由がある。

海を漂うプラスチックは、荒波に揉まれ太陽の紫外線を浴び、やがて小さなマイクロプラスチックになる。こうなると回収は難しい。

実はすでに、海の生物たちは海中のプラ片を誤飲している。はからずも、食物連鎖の頂点である人間はその魚を食べてしまっているのだ。

マイクロプラスチックが与える影響

マイクロプラスチックは、一つひとつが5mm以下と非常に小さい。そのため、海から発生する水蒸気とともに上空に上昇し、最後には雨となって地上に降り注ぐ。海だけでなく、世界中も汚染しているのだ。

人間一人当たりのマイクロプラスチック摂取量は、年間39,000から52,000粒子とも(※2)。自然界に散らばってしまうと、収拾がつかない。そのプラスチックを食べた魚や動物は、人間はもちろん、鳥やクジラも食べてしまう。

自分のためにも動物のためにも、日々の買い物には気をつけた方がよさそうだ。

プラスチックフリー生活とは

テーブルに乗った脱プラスチックアイテム

Photo by Anna Oliinyk on Unsplash

いますぐプラなし生活を始めたいところだが、勢い余って断捨離するのは御法度。プラスチックフリーのコンセプトは、「プラ製品を捨てて、ナチュラル系に新調しよう」という意味では決してない。いまあるものは大事にするのが大前提。まずは自分がどんなごみを出しているか知り、代替策を考えよう。

日常生活で発生するプラスチックごみ

日本のプラスチックごみのおよそ4分の1は、プラスチックの包装容器。その廃棄量は、アメリカに次いで世界第2位だ。1日会社に行くだけで、弁当の容器、ペットボトル、それにお菓子の袋と、どうしても捨てるものが出てしまう。リデュースする方法はあるのだろうか。

変えられるものは代替素材で

食材が入ったメイソンジャー

Photo by Ella Olsson on Unsplash

プラスチックの代替品はたくさんある。例えば、ガラス製のメイソンジャー。パスタやサラダを入れてお弁当にしたら、女子ウケも狙える。割り箸は間伐材や、竹箸がベター。お弁当バッグは綿や麻のものを。石油系素材のポリエステルやナイロンは、安っぽくて美しくない。

プラスチックフリーは地球にやさしい

プラスチックが世に浸透した理由は、木材の使いすぎによる森林破壊を食い止めるためだった。同じことを繰り返さないためにも、草や竹などの植物や、ガラスや缶などのリサイクル可能な資源をぜひ活用したい。

小さなことから始めるプラスチックフリー生活

プラなし生活は、誰でも無理なく始めることができる。上質なアイテムに囲まれた豊かな暮らしを、自分のペースでのんびり整えよう。

エコバックを持ち歩こう

エコバックを肩にかけて買い物する女性

Photo by Dave Takisaki on Unsplash

以前はレジ袋を断るのが大変だったが、これからはエコバック持参が当たり前。布地はオーガニックコットンなど、自然にやさしい素材を。肉汁などが染みるのを防ぎたいときは、軽くて丈夫なステンレス容器を一緒に使えば心配ない。

ミニマリスト派には風呂敷もおすすめ。ヨガマットを包んだり、マルチカバーなどにも応用できて万能だ。

意識してほしいのが、お気に入りの一枚を長く使い続けること。「いくつか買ったはいいものの、使う機会がまったくない」なんてことになれば本末転倒だ。英国環境庁の発表によると、コットン製のエコバッグの場合、131回以上使わないと環境不可の軽減にはつながらないという。

マイボトル、マイカトラリーを持ち歩こう

おしゃれなマイボトルが一本あると、きちんと感を演出できる。ハーブティーを入れておけば、リラックスしつつ働けて体にもやさしい。

ついでにマイカトラリーも揃えるなら、温かみのある竹製や、ずっと使えるステンレス製がベスト。マイ食器を使えば、面倒くさいごみの分別からもおさらばできる。

プラなし生活は、日々のストレスから私たちを解放してくれる。

ハンカチを持ち歩く

これはすでに習慣にしている人も多いのでは。手を洗うたびにペーパータオルを使うと、ごみが出るだけ。その点、何度でも使えるハンカチは、手拭き以外にもさまざまな用途に使える。食事のときに膝にかけたり、汗を拭くときにも大活躍。

ナプキンから月経カップに変える

女性が一生の内に使う生理用品の量は、なんと200kg。ナプキンには吸水ポリマーが使われており、マイクロプラスチックの発生原因の一つになっている。

そこで新たな生理用品として注目を集めているのが、シリコン製の月経カップ。最初こそ漏れたりしないか心配になるが、12時間連続して使えるものもあるので、慣れるとこれほど快適なものはない。最初は布ナプキンと併用すれば、安心だ。

歯ブラシは竹製に 植物性由来の商品に変える

MiYO-oraganicの歯ブラシ

毎日使うプラスチック製品といえば、やっぱり歯ブラシ。それをエコにしたいなら、竹製歯ブラシ「MiYO-organic」がおすすめ。柄の部分に竹を使用することで、従来品と比べてプラスチックを80%も削減できるという。

1本290円と買いやすいので、来客用としても喜ばれるかも。もし毎日コーヒーをテイクアウトするなら、ストローだけでも断って、代わりに「草ストロー」を。

HAYAMIの草ストロー

HAYAMIの草ストローは、ベトナム産の草100%でできている。紙ストローに比べ、耐久性・耐熱性ともに優れており、長時間の使用にも適している。

リフィルショップ/量り売りショップを利用する

この頃じわじわ増えているのが、量り売りショップ。定番のナッツやドライフルーツ以外にも、最近はシャンプーや洗剤をリフィルできるお店も出てきている。必要分だけ買えて無駄がないから、一人暮らしの強い味方だ。家にある入れ物を持参すれば、シングルユース容器の削減に貢献できる。

プラスチックフリーの商品を選ぶ

普段の買い物で「プラスチックフリー」と表示された商品を選ぶことも、プラスチックフリー生活を送る方法のひとつだ。キッチンではプラスチック容器の代わりにシリコーン製の容器を使ったり、クローゼットでは木製ハンガーを使ったり、日常に取り入れられるプラスチックフリーのグッズは数多くある。

プラスチックフリー生活をして変化すること

プラスチック製品がないインテリア

Photo by Brina Blum on Unsplash

日常からプラスチックが減ると、上質な持ち物が増えて気分もアガる。プラなし生活で困ったときは、SNSが便利。「プラスチックフリー」や「ゼロウエスト」などで検索すると、同じ価値観を持った人に辿りつけるはず。お互いにフォローし合えば、友達の輪を広げられるかも。

一人じゃ難しくても、みんなでプラスチックフリー生活を進めることで、プラスチックごみ問題を解決することができる。

いきなり完璧を目指さずに、ゆるくプラスチックフリー生活を始めてみては。自分が自然体でいられるペースで、ゆっくり楽しむのが成功の鍵。

生活で発生するすべてのプラスチックを完全になくすことはできないかもしれないが、無理なくできることから進めよう。

※1
海洋プラスチック問題について|WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
※2
Human Consumption of Microplastics|ACS Publications
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.est.9b01517

※掲載している情報は、2020年8月11日時点のものです。

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