19歳農大生が立ち上げたHAYAMIの「草ストロー」 年内に100店舗導入実現を目指す

農大生が立ち上げたHAYAMIは新しいエコストローとして「草ストロー」の販売を行う。紙ストローとの違いは、水分を吸った時に増す耐久性。使用後は100%土に還すことが可能で、農場カフェなどで飼料や肥料にも活用されており、製造を行うホーチミン郊外の農村発展にも貢献している。

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2020.06.30
SOCIETY
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エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

エコストロー界の革命児、HAYAMIの「草ストロー」

草ストローパッケージ

草ストロー(50本) 650円

昨今、大手コーヒーショップをはじめ、多くの店で紙ストローが使われるようになったが、プラスチック製と比べると耐久性に物足りなさを感じずにはいられない。水分を吸ったことでシワシワになったり、破けたりしてしまい最後までドリンクを味わうことが難しい時もある。

そんなエコストロー界の悩みを解消してくれる革命児とも呼ぶべきエコストローがHAYAMIが販売する、ベトナム生まれの「草ストロー」だ。紙ストローに比べ、耐久性・耐熱性ともに優れており、長時間の使用にも適している。

草ストロー

使用して水分を含むと柔らかくなり、さらに耐久性を増すのがポイント。木や竹、ステンレスのストローに比べてコスト負担も低く、新しいエコストローとして注目を集めている。

100%自然に還る正真正銘の「生分解性ストロー」

草ストローの原料 草

サトウキビやデンプンでつくる生分解性プラスチックストローもエコストローとして流通しているが、生分解させるには50度以上のコンポスト化装置のなかで数週間処理を行わなければならない。つまり自然界においては生分解されるものではないのだ。

また、十分に分解されずにマイクロプラスチックとして環境を汚染してしまう生分解ストローも多く流通しているという。一方、草ストローは完全自然由来・生分解性のため道端の草木と同じように分解され、自然に還る。

分解中の草ストロー

牧場や農業直営のカフェでは、使用済みの草ストローが、動物たちの飼料や畑の肥料として活用されている。

草ストローを食べるうさぎ

安心安全な商品づくりで衛生企画検査もクリア

並べられた草ストロー

草でできたストローと聞くと、衛生面が気になる人もいるかもしれない。「草ストロー」は、高温殺菌、UV殺菌を行なっており、一般社団法人食品分析センターによる衛生企画検査(ヒ素、重金属、ホルムアルデヒド、大腸菌群、一般生菌)を通過している。

また、ベトナム工場の視察訪問や現地スタッフが常駐することで、品質面・衛生面ともに高い水準を保っている。

19歳農大生が輸入販売を決意 年内には100店舗の導入を目指す

ベトナムの様子

「HAYAMI」を立ち上げた東京農業大学2年生の大久保夏斗氏は、バッグパッカーとしてベトナムを訪れた兄から草ストローの存在を聞き、販売を決意したという。

現在は、大久保氏、そして兄である日本人スタッフ、ベトナム在住のベトナム人スタッフの3人の20代の若者が販売を行なっている。現地にスタッフがいることから、製造元と密接な関係を築くことができ、ユーザーニーズに合わせた商品開発を可能にしているのが強みだ。

草ストローの魅力はエコであることだけではない。製造を行うベトナムホーチミン郊外の農村コミュニティの発展にも貢献している。フェアトレードの観点から値段を大幅に下げれないことを課題としてあげつつも、すでに20店舗が採用しているのは、その値段が表す価値や意味が伝わっているからだろう。

HAYAMIは年内に草ストローの導入を100店舗実現することを目標としている。また大学や企業などとのコラボレーション企画も広めていく予定だ。町のあちらこちらの店で草ストローを見つける日も近いかもしれない。

問い合わせ先/HAYAMI
https://hayamistraw.base.ec/

※掲載している情報は、2020年6月30日時点のものです。

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