LPガス(プロパンガス)とは? 都市ガスとの違いやメリットを解説

ガスコンロ

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LPガスは、世帯利用数が都市ガスの次に多い身近なエネルギーだ。近年では、新たなLPガスの開発が進み、脱炭素社会の実現につながるとして注目されている。この記事では、LPガスの製造方法や家庭に届くまで、都市ガスとの違い、メリット・デメリット、グリーンLPガスについて紹介する。

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2024.06.26
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LPガス(プロパンガス)とは

ライター

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LPガス(プロパンガス)とは、Liquefied Petroleum Gas(リキファイド・ペトロリウム・ガス/液化石油ガス)の略であり、石油ガスを液化したものを指す。家庭で使用されるガスの種類のひとつで、国内では、総世帯の36%(2,173万件)がLPガスを使用しており、都市ガスの44%(2,652万件)の次に多い。(令和4年3月末時点)

日本のLPガスの約半数は家庭業務用に使用されており、続いて一般工業用、化学原料用、都市ガス用、自動車用の順である。(※1)

主な成分は?

LPガスの主な成分は、プロパンやブタンである。プロパンとブタンは、炭化水素の一種に分類されている成分だ。無色・無臭だが、ガス漏れしたときに気付きやすいように、においが付けられている。

プロパンガスとLPガスは同じ

プロパンガスもLPガスもどちらも液化石油ガスを指す言葉。LPガスの主成分はプロパンとブタンであり、家庭用のLPガスはプロパンの含有量が多いため、プロパンガスと呼ばれる。つまり、家庭用LPガスとプロパンガスはほぼ同義だ。なお、工業用のLPガスはブタンが主成分のためブタンガスとも呼ばれる。

LPガスの使用例

LPガスの使用例としては、カセットガスコンロや100円ライターの燃料、給湯器やコンロなどのガス機器類などがある。他にもタクシーや火力発電の燃料などにも使われており、LPガスは私たちの生活に欠かせないエネルギーだ。

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LPガスが日本の家庭に届くまで

ガスコンロ

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ガスコンロや給湯器などに使われ、生活に身近なLPガスだが、家庭に届くまでにどのようなルートをたどっているのだろうか。詳しく見ていこう。

LPガスは何からつくられる?

LPガスは、油田や天然ガス田にメタンなどのガスと混ざって存在するほか、原油精製時などにも発生する。これらを分離・回収する方法で、LPガスはつくられる。

4分の3が海外からの輸入

日本で使用されているLPガスの4分の3は海外からの輸入である。かつてはサウジアラビアやカタールなどの中東地域からの輸入に依存していたが、近年はアメリカ産のシェールガスを元にしたLPガスの輸入が大幅に増加し、現在では約70%を占める。次いで、新規の天然ガスプロジェクトでLPガスの増産体制が確立されたオーストラリアとカナダが多い。(※2)残りの4分の1は国内で生産しており、原油精製時や化学製品生産時に発生するガスを回収して生産している。

LPガスの製造方法は3つ

LPガスの製造方法として、原油から取り出す、地中の天然ガスから取り出す、シェールガスから取り出す、の3つがある。

原油から取り出す

国内での生産方法の1つでもある、原油から取り出す方法である。原油を加熱し、温度の違いによって重油、軽油、灯油、ガソリンとともに、LPガスを分離して回収する。

LPガスを原油から取り出す方法の図 link

Photo by Iwatani

地中の天然ガスから取り出す

プロパンやブタンは油田や天然ガス田の内部に、メタンやエタンなど他のガスと混在した状態で存在する。浅い地盤に井戸を掘り、自噴する天然ガスを回収。それを設備に移送してプロパンとブタンを分離・回収し、そこから硫黄や水銀などの不純物を取り除く方法だ。

シェールガスから取り出す

近年では、地下2,000メートルほどのシェール層にある天然ガスを回収する方法も開発された。従来、地下深くを掘削することは経済的に困難と考えられていた。しかし2000年代後半、アメリカは技術開発を進め、これを可能にした。エネルギー分野に大きな影響を及ぼしたこの変革は、「シェール革命」と呼ばれている。

LPガスを天然ガスから取り出す方法の図 link

Photo by Iwatani

LPガスはどうやって家庭に届けられる?

最後に、LPガスが家庭に届くまでを確認していこう。天然ガス田や油田から取り出されたガスは、冷却・液化された後、タンクローリーで充填所に運ばれる。LPガスはここでボンベなどに充填され、各家庭に届けられるという仕組みだ。

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LPガスと都市ガスの違い

東京タワーと街並み

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日本の家庭で使われる主なガスは、LPガスと都市ガスである。都市ガスはどのようなガスなのだろうか。LPガスとの違いを見ていこう。

都市ガスの主成分は

都市ガスの主成分は、原料の天然ガスに含まれるメタンである。その他、エタンやプロパンなどで構成されており、LPガスとは主成分が異なる。

都市ガスの特徴は

都市ガスの特徴は、LPガスと同じく無色・無臭だが、ガス漏れ時に気付きやすいようににおいが付いている。また、LPガスは空気より重いが、都市ガスは空気より軽い。このため、家庭内に設置するガス漏れ警報機は、LPガスは部屋の床に近い場所に、都市ガスは天井に近い場所に設置されるという違いがある。

都市ガスのつくられ方

都市ガスは天然ガスが主成分で、海外からマイナス162℃で冷却された液化天然ガス(LNG)の状態で輸入される。その状態から、まずは海水のシャワーをかけて気体に戻される。産出国によって熱量が違う天然ガスを一定の熱量に保つために、LPガスを混ぜて調整、においを付けて完成する。

都市ガスはどうやって家庭に届けられる?

都市ガスは、整圧器で減圧され、道路の下に通るガス管を通じて家庭に届けられる仕組みだ。したがって、LPガスのボンベとは供給方法が異なる。

LPガスのメリット

森林

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LPガスにはさまざまなメリットがあり、都市ガスにはない利点もある。主なポイント4つを挙げてみよう。

全国どの地域でも使うことができる

1つ目のメリットは、全国どこでも利用できることだ。都市ガスはガス管が通っていない場所では使用できないが、LPガスはボンベと必要な設備があればどの地域でも使える。

発熱量が高い

2つ目は、発熱量が高いことだ。火力が同じでも、より少ない量で発熱できる効率の高さが魅力だ。そのため、強い火力を必要とする飲食店で用いられることが多い。

災害時に強い

3つ目は、地震などの災害時に強いことである。都市ガスの場合、災害時にガス管に被害を受けると、復旧するのに時間がかかる。一方、LPガスのボンベの場合、より早く復旧できる。

石油や石炭に比べて環境にやさしい

4つ目は、石油や石炭に比べて環境にやさしいことだ。LPガスは、燃焼時の二酸化炭素の排出量がより少ないほか、硫化物やすすなどの有害な物質はほとんど発生しない。

LPガスのデメリットは料金が高いこと

電卓とペン

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LPガスにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもある。それは同量のガスの場合、都市ガスに比べて料金が高いことだ。

LPガスの料金体系は、基本料金と利用した分のガス料金の二部料金制と、これらに設備使用料金を加えた三部料金制がある。金額は都道府県により異なり、富山県の基本料金は2,180円、5㎥の料金は6,126円であるのに対して、栃木県はそれぞれ1,790円、5,084円(いずれも2024年4月実績)と違いがある。(※3)ガスボンベを運搬、設置する人件費なども影響しているだろう。

料金が高いとはいえ、LPガスの発熱量は高い。つまり同じ量のガスでも都市ガスより消費効率はいいため、一概に比較することは難しいのが実情だ。

バイオマスでつくられるグリーンLPガスにも期待

木と滝

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最後に、バイオマスでつくられるグリーンLPガスについて触れておこう。グリーンLPガスとは、家畜の排泄物や生ごみなどを発酵させた際に発生するメタンガスと二酸化炭素を使うというもの。このバイオガスを原料に、カーボンニュートラル水素やカーボンニュートラルなエネルギーを用いてプロパンやブタンを合成する方法だ。

環境への負担が少ないという特長があることから、脱炭素の実現に向けて期待されている技術の1つだ。日本をはじめ、アメリカやヨーロッパ諸国などが開発に取り組み、グリーンLPガスを生産している。(※4)

LPガスの今後に注目

ガスコンロ

Photo by KWON JUNHO on Unsplash

LPガスは、世界で1,385億5000万ドルの市場規模を誇る(2021年時点)。2029 年までにCAGR(年平均成長率)6.5%で成長し、2293億ドルになる見通しだ。(※4)日本の家庭での利用においても、都市ガスの次に多い。全国どの地域でも利用できることや、発熱量が高いなどのメリットがあるほか、石油や石炭に比べて環境にやさしい。

近年では、バイオマスでつくられるグリーンLPガスの開発が進み、二酸化炭素の排出を抑えるエネルギーとして注目されている。脱炭素社会を実現するためにも、グリーンLPガスの普及が進むことに期待したい。

※掲載している情報は、2024年6月26日時点のものです。

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