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人工甘味料とはどんな調味料なのだろうか?この記事では人工甘味料の種類や、安全性が危惧される人工甘味料について解説する。さらに人工甘味料が含まれている食べもの、安全な甘味料についても紹介する。
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甘みを感じるのに低カロリーな食品に用いられることが多い調味料「人工甘味料」。最近では、人工甘味料を使用する食品が多く市販されている。人工甘味料とは、読んで字のごとく化学合成によって人工的につくり出された甘味料のことだ。砂糖と比較すると何倍もの甘さを感じるのにカロリーゼロのものもあり、砂糖の代わりに清涼飲料水や酒、ゼリー、ガムなどのさまざまな食品に使われている。
本来、甘味料には自然由来のものが使われてきた。サトウキビやてん菜からつくり出される砂糖が代表的なもので、そのほかにはちみつなどがある。砂糖はブドウ糖と果糖からなるショ糖(スクロース)が主成分で、甘みをつける以外にも、肉を柔らかくする作用や防腐や抗酸化作用などがある。
人工甘味料は、天然の糖質を科学合成した「糖アルコール」と、天然ではない糖質を化学合成した「合成甘味料」の2種類がある。清涼飲料水やお菓子などに使用されるときは、単品での使用だけでなく複数の人工甘味料を併用して砂糖の甘みに近づけるなどの加工を行う。
「糖アルコール」は、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどが挙げられる。果物や野菜・発酵食品など自然由来のものから酵素処理などによって、甘味成分を人工的に抽出するもの。食品由来の糖アルコールは安全性が高いとされているが、消化管で吸収されにくい性質があるため、一度に大量摂取すると便が緩くなることがある。
現在日本で使用許可が出ている「合成甘味料」は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アドバンテームの6種類。食品由来の成分ではないため「添加物」として分類される。(※1)
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人工甘味料には、肥満につながるブドウ糖が含まれてない。そのためカロリーを抑えられるというメリットがあるが、健康への影響を懸念する声も上がっている。上で述べた人口甘味料のうち、食品由来ではない「合成甘味料」に対して、危険を危惧する研究や発表が世界ではなされている。それぞれを具体的に見ていこう。
アミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンからつくられた、代表的な人工甘味料のひとつ。砂糖と似た甘さが特徴で、甘みが強いため少量で十分な甘さを感じられる。アスパルテームが使用される食品例としては、清涼飲料水、調味料、ガム、キャンディなどがある。
世界保健機関(WHO)傘下機関である国際がん研究機関(IARC)が、健康への影響評価で発がん性をグループ2Bに分類した。しかし日本では、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が設定した許容一日摂取量(ADI)を変更する理由はないとしている。(※2)
アセスルファムK(カリウム)の原料に酢酸を用いた人工甘味料だ。甘みは砂糖の200倍といわれている。(※3)飲料やガム、キャンディ、ジャム、めんつゆなど広く使用されている。砂糖の甘みに近づけるために、他の人工甘味料と合わせて使用することも多い。
ただし生成工程で発がん物質の塩化メチレン(ジクロメタン)を溶媒として使用しているため、混入の危険性が指摘されている。
スクラロースとは砂糖の600倍の甘さがあり、甘さが砂糖によく似ているといわれている人工甘味料だ。ダイエット食品や栄養ドリンク、缶コーヒーなどに使用されている。砂糖を原料にしているが、生成の過程で一部が塩素に置き換えられるため、加熱すると有害物質が生成される可能性があると報告されている。(※4※5)
サッカリンの甘みは砂糖の約500倍といわれる。漬物や醤油などに使用されることが多く、日本では古くから使用されていた。1980年代に発がん性の疑いで日本でも使用禁止となったが、その後発がん性疑いが否定されて使用が再開されている。
ネオテームは、同じ人工甘味料のアスパルテームと似ている、甘みの強い人工甘味料だ。その甘さはアスパルテームの30倍以上といわれており、アドバンテームが誕生するまでは人工甘味料の中で一番甘みが強いとされていた。ネオテームにはアミノ酸の一種であるフェニルアラニン含まれているため、フェニルケトン尿症者が摂取する場合には注意が必要だ。(※6)
アドバンテームは、アスパルテームからつくられた高甘味度甘味料。砂糖の約14000~48000倍、アスパルテームの90~120倍の甘味度を持つのが特徴だ。(※7)
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日常生活のなかにも多く使用されている人工甘味料だが、どのような食べ物、飲み物に入っているのか詳しく解説する。
カロリーを抑えられるため、キャンディやグミ、アイスクリーム、プリンやゼリー、スナック菓子、ビスケット、チョコレートなどの甘みが必要となるお菓子などに多く使用されている。さらに漬物やソースやたれ、めんつゆなどの料理につかう調味料に使用されていることもある。
人工甘味料を用いた飲み物としては、コーヒー、ココア、紅茶飲料、スポーツドリンク、炭酸飲料などがある。またアルコール度数の高いストロング系のチューハイ、乳酸菌飲料、野菜ジュースなどにも用いられている。
人工甘味料はさまざまな使い方ができるが、食べ物や飲み物以外にも、医療現場での健康食品や医薬品の苦みを抑えるために用いられたり、歯磨き粉の清涼感を出すために使用されたりすることも多い。
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天然由来の甘味料でも人工甘味料でも、糖分の摂り過ぎは健康に大きな影響を与えることは述べておく。ここでは、安全といえる甘味料にはどんなものがあるか解説する。
ステビアは植物由来の天然甘味料で、砂糖の200~300倍の甘さを持っている。(※8)
南米パラグアイやブラジルなどに自生する多年生キク科植物で、ハーブやマテ茶の甘味付けとして使用されている。清涼感があり、甘さがあるのに虫歯の原因になりにくく、ノンカロリーなのが特徴だ。
グリチルリチン酸を主成分とする甘味料。砂糖の約200倍の甘さと、しょっぱさを和らげ旨味を引き出す効果が特徴だ。少量の使用でもしっかりとした甘みを感じる。咳や炎症を抑えたり、痛みを抑制したりする効果も期待でき、漢方薬にも含まれている。
中国南部が原産の、ウリ科の多年生つる植物だ。6~8月の間に開花、8~10月には実がなり、寒くなる前の9~11月に実を収穫する。甘みの強い果実は、コクと独特な風味が特徴だ。数百年にわたり「長寿の神果」と呼ばれており、中国の民間療法では病の予防と治療に役立つ漢方として用いられている。
はちみつはミツバチが花の蜜を巣穴に持ち帰り、加工した天然の甘味料だ。砂糖より甘いが、カロリーが控えめであることが特徴だ。はちみつには「純粋」「加糖」「精製」の3種類あるが、栄養面を考えると純粋はちみつの使用が推奨される。
天然由来の甘味料「糖アルコール」のひとつで、砂糖より甘さが70%程度と控えめ。栄養素が体に吸収されないため、血糖値を急激に上昇させないだけでなく、カロリーゼロという特徴から糖尿病患者も摂取することができる。
天然由来の甘味料「糖アルコール」のひとつで、虫歯を予防する効果があるとされる。ガムや歯磨き粉、洗口液、液体歯磨きなどに含まれることが多い。甘さは砂糖とほぼ同じだが、カロリーが砂糖の約75%と控えめで、ダイエット中の人におすすめだ。さらにキシリトールには、中耳炎を予防する効果があるとされている。
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人工甘味料は、自然界でできたものではなく、人工的につくられたものだ。誕生してから日が浅いものもあり、人体への影響は詳しくわかっていないのが実情である。さまざまな研究結果が飛び交っており、安全性に対する評価もまちまちのため、健康への影響を気にする人も少なくないだろう。種類や成分によって違いはあるが、摂取量や使用基準の範囲内であれば、国の基準で安全性が認められている。
人工甘味料を用いたときのメリット・デメリットをしっかり理解したうえで、ライフスタイルや健康状態に合わせて上手に使いたい。
※1 人工甘味料ってどうなの ?|武蔵野陽和会病院
※2内閣府 食品安全委員会 | アスパルテームに関するQ&A
※3 Coca-Cola(Japan)| よくあるご質問
※4 サントリー | お客様センター
※5 内閣府 食品安全委員会 | 食品安全関係情報詳細
※6 厚生労働省 | ネオテームの L-フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起について
※7 アドバンテームの食品添加物の指定に関する部会報告書(案) |厚生労働省
※8 ステビア工業会 | ステビア甘味料とは
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