帝人フロンティアとELEMINISTがコラボしてつくった「ECOPET®ニットバッグ」の販売が6月8日の世界海洋デーから始まった。おしゃれなデザインはもちろん、抗菌防臭素材「Ecopure®(エコピュアー®︎)」でニオイ対策もばっちり。リサイクルポリエステル繊維「ECOPET®(エコペット®︎)」も使用し、長く愛用できる環境配慮型のアイテムに仕上がった。そんなコラボアイテムに込められた想いと開発裏話をお伝えする。
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エレミニスト編集部
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機能性が高く環境に配慮した素材を開発している帝人フロンティアと、サステナブルでエシカルな情報を発信するELEMINIST。コラボ企画がスタートしたのは、2023年夏頃のことだった。
コラボ商品である「ECOPET®ニットバッグ」の企画に携わった、帝人フロンティア衣料マーケティング部マーケティング課の村田真結子氏と、ELEMINISTでアドバイザリーを務める白鳥麻衣氏に、プロダクトに込めた想いを聞いた。
帝人フロンティアの村田氏。
帝人フロンティアは、環境戦略として「THINK ECO」を掲げ、地球環境にやさしい繊維、生地、製品の開発や仕組みの構築に取り組んでいる。廃棄物削減やサーキュラーエコノミーの実現などの課題と向き合いながら、機能性がありつつ環境に配慮された素材を生み出してきた。
「弊社の素材を生活者にもっとダイレクトに伝えたいという想いが、長い間ありました」と、村田氏。自ら発信していく商品づくりを模索するなかで、今回ELEMINISTとのコラボが実現した形だ。
試作品を何度も確認して、本当に使いやすく、自分たちがほしいと思えるものを追求したという。
コラボ企画に臨むにあたり、帝人フロンティアとELEMINISTに共通してあったのは、「長く使ってもらえるものをつくりたい」ということ。ものが溢れるいまだからこそ、気に入ったものを大切に長く使ってほしい。そのために、機能性だけでなく、見た目の可愛らしさにもこだわる必要があった。
そして行き着いたのが、「可愛くて、ニオイ対策ができて、環境にも配慮されているバッグ」。そんなコンセプトで、企画が走り出した。例えば、スポーツジムやヨガのあと、汗で濡れた衣料品を入れられる……そんなシーンを想定している。
「まずは『カワイイ!』と思って手に取ってもらえること、そしてカバンから取り出したときにも『カワイイな』と思って使い続けてもらえることが大事。だから、色味はもちろん、モノを入れたときのバックのフォルムにもこだわり、デザインしました」と白鳥氏。
「見た目や形、大きさにこだわり、何度も修正しました」と村田氏も語る。
ELEMINISTでアドバイザリーを務める白鳥氏。
風呂敷のようなデザインは、可愛らしさと使いやすさを重視した。ニットバッグなので、伸縮性もあり、見た目よりたっぷり収納できるのもポイントだ。また、出し入れがしやすく、使わないときはコンパクトにたたみやすい。広い用途で長く愛用されるために、柔軟な使い方ができるようにもこだわった。
今回のコラボバッグの素材には、エコペット®︎を採用した。
素材に使ったのが「エコペット®︎」だ。エコペット®︎は、使用済みペットボトルや繊維くずを原料とするリサイクルポリエステル繊維。廃棄されたペットボトルや服などの“いらないもの”を活用してつくられる。自由度が高く、幅広い用途で使える注目素材である。
「エコペット®︎は、最初から採用したいと考えていました。ELEMINISTでもご紹介していただいたので、ぜひバッグという商品にして、読者の方に直接手に取ってもらいたいという想いがありました」(村田氏)
そしてエコペット®に、抗菌防臭機能のある「エコピュアー®」を組み合わせた。エコピュアー®は、抗菌防臭効果が期待できる機能素材。生地表面を弱酸性にpHコントロールする機能があり、エコピュアー®生地上でニオイのもととなる悪玉菌の増殖を抑制できる。
ホットヨガに行っているという村田氏は、「私も汗をかいたウエアを持ち帰っているので、‟ニオイにくいバッグ”がほしいという考えにとても共感できました。そこで、エコピュアー®を使用すれば、ニオイ対策ができるのでは?と考えたんです」と語っている。
また、今回のバッグは、単一素材でつくられているのもポイント。単一素材でつくられているものは、製品回収後に選別がしやすくなるため、役割を終えた後のリサイクルが効率的になる。そのため「ボタンやファスナーなどもない、シンプルなつくりにしました」と、白鳥氏もこだわった。
「衣料品は複数の素材を組み合わせてつくられるケースが多いです。例えば、コットンとポリエステルが一緒になっている生地が使用されていたり、ウール100%の生地であってもファスナーにナイロンが使われていたり。複数の素材を組み合わせてつくることで機能性を高めていることも珍しくないのですが、素材が複数あることでリサイクルが効率的にできないという課題があります。でも今回のバッグは易リサイクル設計を取り入れ、単一素材でつくりました」(村田氏)
単一素材でも工夫を施すことで、機能や見た目を妥協することなく、高機能にできるそう。「これぞ、自由度の高いポリエステル繊維の底力です!」とも語っている。
こだわりを詰め込んで完成したコラボバッグは、環境月間である6月に発売する。さらに、発売日の6月8日は、世界海洋デー。国連が制定した国際デーであり、海について考える日だ。
「コラボバッグの素材に使われているエコペット®︎は、帝人フロンティアさんが資源の枯渇や海洋汚染などの問題を解決に導くために、地球と共存するポリエステル繊維を生み出そうという想いでつくられている素材です。この想いを知り、コラボ商品が自然や海を想うきっかけになればと思い、形づくっていきました」(白鳥氏)
そんな背景から、発売日を環境月間である6月、さらに世界海洋デーに設定したという。
バッグには、海の水や空の青、海藻などから着想を得たミックスカラーを採用した。ニットバッグならではの、深みのある落ち着いた色合いだ。
「バッグをきっかけに、海に想いを馳せ、海洋汚染や海洋プラスチック問題などについても考えてもらえたら」と村田氏も話す。
また、ポリエステルは耐久性が高いため、長く愛用できる。「素材が環境に配慮されているだけでなく、使い終わった後のことまで考えた商品設計があるということをみなさんに知っていただけるとうれしいです。今回の商品を大事に使っていただき、もしボロボロになってもう使えないという状態になったら、自治体のルールにしたがって可能な限り資源回収に回していただけるとありがたく思います」(村田氏)
「この商品だけでなく、多くのものがごみとして処分するのではなく、資源に戻すことができます。日常のなかでも、ごみではなく資源に戻すことを考えたり調べたりするきっかけになったら嬉しいです」と白鳥氏も語る。
衣料品を可愛く包み、手持ちのバッグに入れるために開発された「ECOPET®ニットバッグ」。とくにおすすめなのは、当初から想定していたスポーツシーンでの利用だそう。「運動時に着ていた衣料品を脱いで持ち帰った後に、袋から出したときのモワ〜ッとしたニオイが少し抑えられている感じがします」と村田氏。
ほかにも、旅行中に着用後の衣料品を入れたり、ときにはシューズを包んだり。風呂敷のようにきゅっと結ぶタイプだから、さまざまな大きさのものを包めるし、バッグに入れず、そのまま持ち歩いてもOKだ。とにかく、自由な発想で使ってもらいたい。
「ぜひ、手に取ってくださった方のおすすめの使い方を教えていただきたいです!コラボ商品を通して、私たちとみなさんがコミュニケーションをとれたらうれしいです」と、白鳥氏は話す。
試行錯誤を繰り返し、デザインにこだわってつくった、高機能で環境にやさしい「ECOPET®ニットバッグ」は、2024年6月8日から「ELEMINIST SHOP」で販売を開始した。
「ELEMINISTとコラボしたことで、自分でも使いたいおしゃれなものになった(村田氏)」「素材の持つ可能性と機能性に驚かされた。帝人フロンティアさんの技術によってファッションや生活を楽しみながら、地球と共存していけそう(白鳥氏)」と、開発者も大満足のバッグに仕上がっている。
この機会に、高機能で環境に配慮された素材を、身近に感じてみてはいかがだろうか。販売は期間限定&数量限定、なくなり次第終了だ。
帝人フロンティア×ELEMINIST「ECOPET®ニットバッグ」
発売日:2024年6月8日(世界海洋デー)
価格:6,600円(税込)
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