「C40(世界大都市気候先導グループ)」とは? 取り組みや課題について解説

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世界の約100都市が加盟する、気候変動対策に取り組む国際ネットワーク「C40(世界大都市気候先導グループ)」。このC40がおこなっている取り組みや、取り組む課題について解説する。

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2024.04.19
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「C40(世界大都市気候先導グループ)」とは

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ここでは「C40」がどのようなグループなのか、また加盟している都市について説明する。

C40(世界大都市気候先導グループ)とは

C40(世界大都市気候先導グループ)は、気候変動対策に取り組む約100の世界の大都市・主要都市で構成された国際ネットワークのこと。この国際ネットワークは、2005年にロンドン市長によって提唱・創設された。

約100都市が加盟

世界の経済の4分の1を占め、5億5千万人以上の市民を有する、世界97都市が加盟している(※1)。運営委員会はロンドン、コペンハーゲン、モントリオール、香港、リオデジャネイロ、ミラノ、パリ、ソウル、東京都などがメンバーとなっている。

日本で加盟しているのは東京都と横浜市

日本でC40に加盟しているのは東京都と横浜市だ。

東京都の知事はC40加盟都市とともに、気候危機への行動「Climate Action」を世界的ムーブメントとして展開していくことを表明している。またアクションテーマとして「サステナブル・ビルディング(持続可能な建築物)」「グリーン・ハイドロジェン(グリーン水素)」を掲げている。

横浜市はC40にある17の分科会のうち、Clean Energy、Climate Change Risk Assessment、Private Building Efficiency、Waste to Resource、Waste Managementの5つのネットワークに参加している(※2)。

C40がおこなっている主な取り組み例

1.5℃気候行動計画

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C40がおこなっている取り組みをいくつかピックアップして紹介する。

1.5℃気候行動計画

C40がおこなっている取り組みのひとつが「1.5℃気候行動計画」である。これはパリ協定の1.5℃目標(世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より低く保ち、1.5℃に抑える努力をするという目標)に沿った行動計画を策定し実現するために、世界中の都市を支援している。(※3)

世界的な外交と権利擁護

C40の参加都市や市長にとって、都市外交活動も重要な取り組みのひとつ。気候変動に関するリーダーシップを発揮し、気候変動や経済、開発に関連する世界的な議論や決定にプラスの影響を与えることが目的だ。

具体的には、次のようなメッセージを世界的な会議などの場で発信している。

COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)へ参加し、気候変動対策への取り組みや成果を紹介する、「グローバル・グリーン・ニューディール原則(※4)」に取り組む約1,000都市の連合を構築する、石炭を含む化石燃料への公共投資をすべて中止する、など。(※5)

気候変動対策への資金提供

環境配慮や持続可能性のある社会へ移行していくために、C40はクリーンエネルギー、ゼロカーボン建築物、公共交通機関、廃棄物など、さまざまな地方自治体の気候変動の課題に資金提供を行い、投資を拡大している。

また都市の財政能力の改善に向けた政策の実現のために、主要金融機関とのより強力な関係を構築し、都市への金融供給の改善に取り組んでいる。(※6)

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気温上昇

気象庁が公表している世界の年平均気温偏差の経年変化(1891〜2023年)によると、2023年の世界の平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.54℃であったと発表された。

1891年の統計開始以降、2016年を上回りもっとも高い値となっており、近年になるにつれ温暖化の傾向が加速している状況だ。(※7)

気温上昇は、氷河の融解、海面上昇、熱波や干ばつなどの極端な気象現象、生態系や農業の変化、暑さに関連する病気が増えるなど、さまざまな影響を引き起こす。

気候変動による災害

気候変動により、台風やハリケーン、豪雨、洪水、土砂崩れ、森林火災などの頻度や強度が高まっている。これらの災害では、人々の命はおろか、健康、住まい、インフラ、経済、社会が機能を失い、大きな被害を受ける。

なかでも災害に対する脆弱性が高い開発途上国や小島嶼国は、より深刻な影響があるだろう。

食糧安全保障の危機

海面上昇や海水温上昇は、魚類やサンゴ礁などの海洋生物に悪影響を及ぼす。 また気温上昇や降水量の変化は、作物の生育や収穫に大きく影響し、深刻な問題となる。

漁業や農業への悪影響は、食料生産量の減少や価格の高騰につながり、飢餓や栄養不良のリスクにつながる。

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気候変動を解消するために個人でできる取り組みを5つ紹介する。

交通手段を見直す

自動車の燃料は軽油やガソリン、飛行機の燃料は化石燃料である。どちらも温室効果ガスを排出する乗り物であるため、極力利用を減らすことが望ましい。

たとえば近い距離なら徒歩や自転車で移動する、一度に多くの人を運べる電車やバスなどの公共交通機関を利用するといったことで、ひとり当たりのCO2排出量が抑えられる。

エコバッグを利用する

多くのレジ袋はプラスチック素材が使われている。プラスチック製品の製造や焼却時には、多くのCO2が排出されるだけでなく、大量の不法投棄により海洋汚染問題も生じている。

そういった問題を解消すべく、レジ袋は断りエコバッグを持ち歩くようにしよう。エコバッグに加えてマイボトルも活用することで、CO2削減やプラスチックごみを抑制できる。

節水・節電を心がける

電力の多くは、温室効果ガスを排出する石炭や石油、ガスを燃料としている。節電することでエネルギー消費量を減らすことが大切だ。

長い間使わない家電の主電源はオフにし、LEDランプを使ったり、窓からの熱の出入りをカーテンなどで防いだりして節電しよう。

また、節水は水道水の浄化に必要なエネルギーや化学物質の使用量を削減でき、温室効果ガスの削減につながる。水道の蛇口をこまめに止める、シャワー時間の短縮などで節水しよう。

食品ロスを減らす

食料を廃棄することで、食料の生産、加工、梱包、輸送のために使った資源やエネルギーがすべて無駄になってしまう。また廃棄した食料を埋め立て処理すると、食料が腐敗し、強力な温室効果ガスの一種であるメタンガスが発生してしまう。焼却処分をするときにも、エネルギーを消費する。

地球温暖化を進めないためにも、購入した食品はあますところなく使い切る、食べ残しはしない、食べられる分だけ食料を購入するなど、食品ロスを減らすことを心がけよう。

自宅を再生可能エネルギーに変更する

家庭で使っているエネルギー源がなにか、契約している電力会社に確認する。エネルギー源が石油、石炭、ガスなら、風力や太陽光、地熱といった再生可能エネルギー源の電気を取り入れている電力会社に変更する。

あるいは自宅の屋根にソーラーパネルを設置し、使用する電力を家で生み出す方法もよいだろう。

気候変動を抑制する行動をしよう

木にとまる鳥

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C40(世界大都市気候先導グループ)は世界の主要都市や大都市が連携し、気候変動対策に注力していくというもの。多くの人口を有する都市だからこそ、対策へのインパクトは大きい。そして、それらの都市が連携してアクションを起こすことで、さらなる影響力が期待できる。

地球温暖化による気候変動は、気温上昇や自然災害の増加、食糧安全保障の危機など広範囲におよび、その影響は深刻化している。もはやひとつの地域、国だけの力では、対応しきれなくなっているのも事実だ。一方、私たちひとりひとりが日常から気候変動への対策を意識的に行うことは、小さいことかもしれないが、積もれば大きなインパクトへとつながっていく。

グローバルな連携とプライベートな取り組みの両輪で、地球環境の改善にあたっていくことが、いま、求められているのではないだろうか。

※掲載している情報は、2024年4月19日時点のものです。

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