新潟県最古の老舗酒造「吉乃川」はステンレス製のマイボトルに日本酒を詰め、酒造と購入者を行き来させるサービス「カヨイ」をクラウドファンディングサイトで発売した。蔵でしか飲めない酒をエコに楽しめる。すでに完売しているが、今後は敷地内の酒ミュージアムのサービスとして展開予定だ。
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米どころ新潟県最古の老舗酒蔵「吉乃川」が「自分だけのオリジナルステンレス製ボトル」に入った日本酒を届けるサービス「カヨイ」をクラウドファンディングサイト「Makuake」で展開した。
これは、日本のものづくりに特化したニューワールド株式会社と共同企画したもの。一度は完売し、追加で用意した限定50本も再び完売している。
プラスチックはもちろん、ガラス瓶もまだ普及していなかった江戸時代中期。この時代には、店名や商標が書かれた徳利にお酒を詰めて客に渡し、徳利が空になったら代金と引き換えに再びお酒を注ぐ、という販売方法をとっていた。
徳利が繰り返し酒造と客の間を通うことから、この習慣は「通い徳利」と呼ばれていた。「カヨイ」はまさに現代の通い徳利と呼べるサービスだ。
カヨイのステンレスボトル 720ml 10,000円〜(Makuake特別価格)
Makuakeで予定されている「カヨイ」は最大で4回だ。
初回は酒が詰められたボトルが届く。空になった後に送り返すと、洗浄されたボトルに再び酒が詰められ、自宅に送られてくる。ボトルを送るだけで、日本酒のおかわりができるのだ。
繰り返し「通う」ために、軽量で耐久性が高いステンレスが採用された。ステンレスのなかでも、酒造で一般的に使用される醸造タンクと同じ素材の「SUS316L」を使用。鉄分の溶解や、金属臭の心配がほとんどない。
さらに酒の品質を守るために必要なのが「遮光」。ステンレスにすることで紫外線に晒されることもなく、品質が保たれる。こうしたボトルへのこだわりにより、これまで蔵でしか飲めなかったプレミアムな酒を直に届けてもらうことができる。
江戸時代当時は「貧乏徳利」などと呼ばれることもあったようだが、現代に置き換えれば、同じ容器を繰り返し使うことはエコロジーな営みだ。そこに大きな価値がある。
今後は吉乃川の敷地内にある酒ミュージアム「醸蔵(じょうぐら)」のサービスとして継続予定となっている。日本の古き習慣にアイディアを加えた今回の取り組みは、新たな文化を生むきっかけになるかもしれない。
問い合わせ先/吉乃川株式会社
https://yosinogawa.co.jp/
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