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古着市場が世界的に急成長しており、2025年にはファッション全体の10分の1を占めると言われている。さらに、4年後の2028年までには3500億ドル(約54兆円)規模に達する見通しだ。
鴨井里枝|Rie Kamoi
ファッションライター/エディター/ジャーナリスト
イギリスの美術大学でグラフィックデザインを学び帰国後、ファッション週刊紙「WWDJAPAN」の編集部に約10年在籍。ファッションビジネスやトレンドの分析を主に、海外ではNY、ミラノ、ロン…
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リセールサイトを運営するアメリカのThredUpの2024年報告書によると、2023年の世界全体の古着の売上高は前年比18%増の1970億ドル(約30兆円)の過去最高額を記録した。なかでもアメリカの古着市場は、成長が停滞していたファッション小売全体に比べ、7倍もの速さで成長している。
古着市場急成長の背景に、世界的な物価高やサステナビリティへの関心の高まりがある。ThredUpのジェームス・ラインハルトCEOは、「世界全体が厳しい経済環境の中、光熱費や食費の上昇で家計が圧迫されても乗り越えられるよう、古着市場は“回復力がある”と評価され、好調に推移してきた。消費マインドが不安定なときこそ、価値が鍵になる。人々はより価値ある買い物を重視し、中古品を求めている」という。
同報告書によれば、消費者の半数以上が過去1年間に中古品を購入したことがあり、Z世代とミレニアル世代ではその割合が65%に上った。さらに、38%の消費者が「高級ブランドを買うために中古品を購入している」と答えている。
若者にとっては、リセールサイトの急増で中古品を購入する手軽さを実感しているようで、個人間の売買が可能な大手サイト「eBay」がスポンサードするリアリティショー「Love Island」では、出演者が中古品でコーディネートするなどし、利用を後押ししている。
中古品への関心は、トレンドに敏感な若者だけでなく、世代を超えて広がり始めている。年配の消費者については、チャリティーショップや専門ブティックなど実店舗で購入する傾向が強い。イギリスでは、高級百貨店やファストファッションチェーンなど大型小売店が中古品販売を積極的に行い、高級ブランドが並ぶ繁華街でも中古品が手に入れやすくなっている。
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古着の世界売上高は、2025年までに世界のファッション市場全体の10%を占め、2028年までには3500億ドル(約54兆円)規模に達すると予測されている。その成長のスピードは、ファッション市場全体の3倍の速さ。
最近でも、子ども服のデザイナーズブランドが中古市場に続々と参入したり、フランスではファストファッションに罰則を設ける法律が制定されたり、関連する話題が尽きない。古着市場成長の余波はまだまだ続きそうだ。
※参考
Secondhand clothing on track to take 10% of global fashion sales|The Guardian
Resale Report 2024|ThredUp
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