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スウェーデンのアパレルブランド、ASKET(アスケット)は、通常のレシートと一緒に「インパクトレシート」の発行を開始する。購入した商品の製造でどのくらい環境負荷がかかったか、消費者と共有することで、環境への意識向上に役立てる意図がある。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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スウェーデン発のアパレルブランド「ASKET」は、2023年11月より「インパクトレシート」の発行を開始した。
「インパクトレシート」とは、購入した商品をつくる工程で排出されたCO2量、使用した水の量、消費したエネルギー量が記載されたもの。その商品をつくるためにどのくらい環境に影響を与えたかわかる。さらに、梱包や配送に関連する環境への影響も記載。これらは、ブランドWebサイトの各商品ページにも掲載され、購入前に事前にチェックすることも可能だ。
ASKETではパートナー企業と協力して、原料の栽培、紡績、生地づくり、商品の製造まで、あらゆるプロセスでの設備等を考慮して、カーボンフットプリントを算出している。
ASKETの共同創設者、オーガスト・バード・ブリンジェウス氏は以下のように語る。
「これまで消費者は、衣料品に支払う価格しか知らされてこなかった。このことが原因で、ファッション業界は消費者の買い物習慣とその影響との間に溝をつくってきた。その結果、私たちは環境に対して取り返しのつかない負債を蓄積している」
ストックホルムにあるASKET店舗では、顧客に衣類の購入によって環境に影響を与えることを思い出させるため、店内をぐるりと囲うように巨大な「インパクトレシート」がオブジェのようにデザインされている。
Photo by ASKET店内
またASKETでは、透明性を高めるため、商品のサプライチェーンにおける情報をWebサイトで開示。トレーサビリティを明確にして、消費者はすべての製造過程でなにがおきているか把握できるという。
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スウェーデンでは年間平均8トンのCO2が排出されているが、地球の平均気温上昇を1.5℃ までに抑えるパリ目標の達成には、これを2トンに抑える必要があるという。衣類が与える影響を減らすためにも、消費者自身が環境負荷を理解する必要がある。
こうした観点から鑑みて、環境負荷をわかりやすく見える化したインパクトレシートの存在は理に適うものだ。アパレル業界の新スタンダードとして、取り組みの浸透が期待される。
※参考
ASKET
ASKET prints receipts that include carbon, water and energy used to produce its clothes|designboom
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