イタリア・ミラノ中心部で自動車禁止へ 大気汚染対策で

自動車の乗り入れが2024年より禁止される、イタリア・ミラノ中心部

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イタリアのミラノ市は、市内中心部において自動車禁止を計画している。これは同市が、ヨーロッパでも有数の大気汚染がひどい都市のひとつだからだ。

今西香月

環境&美容系フリーライター

慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中

2023.11.01
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ミラノが歩行者フレンドリーな街づくりを推進

イタリア、ミラノの街

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イタリア、ミラノのジュゼッペ・サラ市長は、市内中心部への自動車の乗り入れを禁止する計画だ。この新しい交通法は2024年の施行を目指しており、ヴェネツィア通り沿いには監視カメラを設置し、交通状況を記録。自動車の走行を禁止する方針だ。

タクシーや公共交通機関は引き続き走行が許可され、区域内に自宅がある住民については、自宅まで運転は認められる。違反者には罰金が科される方針だ。

理由のひとつは大気汚染

ミラノ市では、すでに車の台数を減らす取り組みをスタートしている。 10月には新たな交通法を導入し、平日に市内のとくに渋滞するエリアからもっとも汚染の多い車両の通行を禁止した。

ミラノ市がこのような取り組みを進めている理由は、同市がヨーロッパでも極めて大気汚染が進む都市のひとつで、市民の健康に危険を及ぼすと懸念されているから。

世界保健機関(WHO)が安全とする大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の許容濃度は、1立方メートルあたり5マイクログラム。だがミラノ市では、1立方メートルあたり19.7マイクログラムと、基準値の4倍近い。そのため、大気汚染を改善させる目的で、自動車の交通量を減らそうというのだ。

ミラノの高級ブティックの中心街であるクアドリラテロ・デッラ・モダなどは、街がより歩行者にやさしくなると、今回の動きを歓迎している。

ヨーロッパで広がる脱自動車化

ヨーロッパでは現在、多くの都市で脱自動車社会に向けて舵を切っている。スウェーデンのストックホルムでは10月初頭、市内中心部からガソリン車とディーゼル車を禁止する計画を発表した。

スウェーデン、首都中心部でガソリン車を走行禁止 24年末より施行

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パリ(フランス)、オスロ(ノルウェー)、マドリッド(スペイン)といった多くの都市でも、市内中心エリアで自動車禁止ゾーンを導入する計画に取り組み中だ。

しかし、こうした自動車禁止令は、必ずしも多くの住民から支持を得られるものではない。ミラノでは2020年に光化学スモッグ対策として、一時的に自動車を禁止する措置がとられたが、多くの人々が規則を守らず、発効から数時間だけで数百人のドライバーが法令違反で罰金を支払った。

脱自動車や持続可能なまちづくりを目指す上で、人々に規則の目的や、なぜその規則が必要なのか理解を深めてもらえるかが鍵となるのではないだろうか。

※掲載している情報は、2023年11月1日時点のものです。

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