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スウェーデンのストックホルムで、ガソリン車とディーゼル車の通行が禁止される。排気ガスによる大気汚染の削減が目的で、今後走行できるのは電気自動車と低排出ガス車のみとなる。新しい規則は2024年12月31日に発効する。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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スウェーデンの首都ストックホルム市は、排出ガスを削減し汚染を減らす目的で、市内中心部でのガソリン車とディーゼル車の走行を禁止する。スウェーデンで自動車に対する厳格な環境規制を導入するのは今回が初めてとなる。
この新しい規則は2024年12月31日に発効予定で、対象となる区画はストックホルム市中心部の20ブロック。この区画内で走行が認められるのは、電気自動車と低排出ガス車のみ。プラグインハイブリッド車も許可されるほか、緊急車両や障がい者の許可証を保有する車両は対象外だ。
交通審議官を務めるラース・ストロムグレン議員によると、今回規制される区画では、主に車両による配達が行われているという。そのため、ガソリン車から電気自動車にシフトすることで、持続可能で静かな配送が可能となる。さらに同氏は、以下のように付け加えた。
「ストックホルムでは、誰もが病気にならずに空気を吸えるべきだ。私は、屋外席と、ウォーキングやサイクリングのための十分なスペースがある都市を思い描いている」
ストロムグレン氏は昨年、ストックホルム市における歩行者、自転車、公共交通インフラの改善のために20億ユーロ(約3100億円)の拠出を発表している。
スウェーデンの環境政党である「緑の党」は、2030年までにストックホルムを二酸化炭素を排出しない都心にする計画を策定している。
この計画には、大気汚染の進む地域で車両規制を行うほか、特定の日や地域に車両の通行を禁止すること、さらに2030年までに総自動車交通量を30パーセント削減することなどが含まれる。
また同報告書によると、ストックホルム市民は毎年1,000人が大気汚染により早死にしているそう。だが、新たな交通対策によってこの数字を減らしたい意向だ。
スウェーデンなどの欧州各国のように、持続可能な公共交通機関や移動手段を標準とする国や地域が増えれば、大気汚染に起因する死亡や健康被害は格段に減少するだろう。人々の健康のためにも、また大気汚染や地球温暖化軽減のためにも、このような政策が広がることを期待したい。
※参考
Stockholm is introducing a petrol and diesel car ban in its city centre to slash emissions|Euronews
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