Photo by Dogger Bank Wind Farm
イギリスの沖で現在建設が進む洋上風力発電プロジェクト「ドッガーバンク」。そのうち1基の設置が完了し、初めての発電に成功した。
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Photo by Dogger Bank Wind Farm
ドッガーバンクウィンドファームがイギリスのヨークシャー沖で洋上風力発電の建設を進めている。全部で277基できる風力発電のうち、先日1基が設置され、発電を行った。
この風力発電は、高さ260m。そこに、長さ107mのタービンを有する巨大なもの。このタービンが一度回転するだけで、平均的な家庭で使う電力の2日分のエネルギーを生産できるといい、完成すれば世界最大規模の洋上風力発電となる見込みだ。
277基すべてが完成すると、容量は3.6ギガワット。イギリスの電力需要の5%をまかない、年間600万世帯にエネルギーを供給可能となるという。
ここで改めて、洋上風力発電とはどのようなものか確認しよう。
洋上風力発電とは、海や湖に発電機を設置した風力発電のこと。風の力を利用して風車をまわし、それによって発電する仕組みだ。陸上に設置する場合は「陸上風力発電」、海や湖に設置する場合は「洋上風量発電」とよぶ。
洋上風力発電では、陸上に比べて安定的に強い風が吹くうえ、周囲に障害物もないため、発電しやすいというメリットがある。一方、陸上に比べると建設コストが高く、塩害などの被害も考慮しなければならない点がデメリットだ。だが、発電時にCO2を発生しない、再生可能エネルギーのひとつとして注目されている。
本プロジェクトの主任を務めるアリスター・フィリップス・デイビス氏は「ドッガーバンクのプロジェクトは、イギリスのエネルギー安全保障や気候変動への取り組みにおけるリーダーシップの大きな後押しとなるだろう」と述べている。
またイギリスのリシ・スナク首相も「私たちのエネルギー安全保障が強化されるだけでなく、雇用の創出となり、電気料金の削減、さらにネットゼロに向けた軌道に乗ることができる」と、歓迎の意を表した。
この洋上風力発電は、2026年までに完成する予定だ。
※参考
‘Exactly how we should be responding to the energy crisis’: UK mega wind farm produces first power|Euronews
World’s largest offshore wind farm produces power for the first time|Dogger Bank
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