SDGsブランディングについて メリットや事例、方法をわかりやすく解説

デスクにブランディングの本とパソコンが置かれている様子

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これからの企業ブランディングに、SDGsの考え方は欠かせない。SDGsが注目される現代、ブランディングにSDGsを取り入れる動きは加速するだろう。本記事では、SDGsブランディングのメリットや取り組み方、企業の成功事例を紹介する。愛される企業になるための、ヒントを探ってみよう。

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2023.07.24
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

SDGsとブランディングの関係性

パソコンに向かって仕事をする人

Photo by Christin Hume on Unsplash

SDGsとは「Sustainable Development Goals」であり、「持続可能な開発目標」と訳される。2015年9月に国連サミットにて採択された、国際的な目標である。2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットが掲げられている。環境・社会・経済における地球の課題がまとめられている、地球一丸となって取り組むべき内容だ。

ブランディングは、自社のファンをつくるための活動を指す。他社との差別化や広い認知によって企業の利益を増やすのが目的だ。

SDGsが注目される現代において、SDGsの考え方を活かしたブランディングが欠かせない。環境問題や社会課題が深刻化するなか、消費者は企業の姿勢に関心を示している。ブランディング活動にSDGsをかけ合わせることが、愛される企業への近道だろう。SDGsの活動に積極的に取り組むことが、企業ブランディングにつながるといえる。

SDGsマーケティングとの関係性

SDGsマーケティングとは、SDGsの概念を活かしたマーケティング手法。企業の戦略につながる部分であり、SDGsマーケティングを実行した結果、SDGsブランディングを確立できる。SDGsマーケティングとSDGsブランディングは関わりが深く、取り入れる企業が目指す方向は一致しているだろう。

SDGsをマーケティングに取り入れる方法とは 企業のメリットや成功事例を解説

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企業がSDGsブランディングに取り組むメリット

壮大な山の隙間から光が差す様子

Photo by Grant Ritchie on Unsplash

SDGsブランディングに取り組むということは、目先の利益を追うよりも、SDGsの達成を優先する必要がある。SDGsブランディングに取り組んだからといって、速攻的な効果が見込めるとは限らない。しかし、取り入れる企業は、この先、着実によい方向へと進むだろう。以下で、企業がSDGsブランディングに取り組むメリットを5つ挙げる。

企業イメージが向上する

もっともわかりやすいのが、企業イメージの向上だ。世界的にもSDGsの取り組みが加速するなか、企業の姿勢は常に注目されている。企業の組織活動が環境問題や社会問題とつながっている可能性も大いにあり、企業には社会的責任を果たすことが求められているのも事実だ。

SDGs達成に向けた取り組みを積極的に行い、ブランディングに活かしている企業は、社会からの好感度が上がるだろう。また、企業の社会貢献活動としてCSRがあるが、SDGsブランディングとの関係も深い。SDGsブランディングの強化は、信頼性の向上にも紐づいている。

企業利益につながる

エシカルな消費者が増えた現代、SDGsに貢献する形で提供されたものにこそ価値を感じる人が増加傾向だ。エシカルな価値観を持つ消費者は、信頼できる企業の商品やサービスを選ぶだろう。SDGsブランディングは、企業利益に直結しているともいえる。

消費者だけでなく、投資家も同様だ。SDGsに関して具体的な取り組みを実行している企業に投資したいと考える人は多いだろう。ブランディングによってSDGsへの取り組みをアピールできると、投資を受けやすくなるメリットもある。

新しい市場を開拓できる

SDGsブランディングを強化しておくと、新しいビジネスチャンスに恵まれる可能性が増えるだろう。取り組みを進めるなかで、SDGsに関する理解が進み、新たなアイディアが生まれるかもしれない。また、これまでに関わりがなかった企業との接点ができることも考えられる。

優秀な人材を確保しやすい

意識が高い人材を獲得しやすいのもメリットのひとつだ。SDGsブランディングによって企業のイメージがよくなれば、求職者から注目される機会が増えるだろう。

また、企業のイメージアップは、従業員のモチベーションアップにつながる。企業のSDGs達成への取り組みが、従業員のモチベーションと関連しているというデータもあり、興味深い。(※1)離職率が下がり、採用コストの負担が減ることもメリットだ。

事業活動を継続しやすくなる

利益最優先の企業は、これからの時代、淘汰されていくだろう。事業活動をこれからも続けていくためには、持続可能な企業になる必要がある。つまり、SDGsブランディングに取り組むことが急務なのだ。ステークホルダーから支持される企業になるためにも、改めて、ブランディング施策を見直してみてはどうだろうか。

企業がSDGsブランディングに取り組む方法

解析画面が開かれたパソコン

Photo by Domenico Loia on Unsplash

SDGsブランディングのメリットをおさえたところで、具体的な方法を見てみよう。以下で3つ解説する。

積極的に情報発信を行う

SDGsに関する取り組みを発信することは、SDGsブランディングにおいて、もっとも有効的な手段である。具体的な取り組みの内容や今後の展望を積極的に発信してみよう。

例えば、新商品をリリースする際に、商品そのものについてだけでなく、商品誕生のストーリーや社会課題と向き合う姿勢をあわせて伝えてみるのもいいだろう。自社のホームページやプレスリリース、オウンドメディアでの発信はもちろん、SDGs関連メディアへの掲載もひとつの手だ。

SNSを運用する

SNSは、消費者との距離が近く、企業やブランドイメージを確立するのに役立つツールである。SNSを運用することでファンをつくるのも、SDGsブランディングの手法のひとつだ。

どう運用したらいいか迷う場合は、環境問題や社会課題に関する情報を発信しているエシカルインフルエンサーに頼るのもおすすめ。企業のSDGsに関する取り組みをあわせて発信してもらうことで、SNS経由で新たな顧客を獲得することも可能となる。このようなマーケティング手法を用いることも、SDGsブランディングの一環だ。

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社内環境を整える

ワークライフバランスの考慮や福利厚生の充実といった、社内環境の整備もSDGsブランディングのひとつ。従業員が働きやすい環境を整えて、働きがいや経済成長を後押しすることもSDGsの達成と結びついている。

よりよい職場づくりは、上で紹介した対外的な取り組みとあわせて行うのが効果的。SDGsブランディングを加速させるひとつの方法だ。

SDGsブランディングの成功事例

いきいきとした表情で働く2人

Photo by Emma Dau on Unsplash

SDGsをブランディングに取り入れて、支持されている企業はたくさんある。以下の5つの事例を参考にしてみよう。

ファーストリテイリング株式会社

「ユニクロ」を展開しているファーストリテイリング株式会社は、ユニクロ1号店がオープンした1984年以来、服のチカラで世界をよくすることを使命としている。2001年には「社会貢献室」を発足。同ブランドの理念とSDGsが目指す世界に通じるものがたくさんあるとして、事業を通じた社会課題の解決に積極的に取り組んでいる。

環境負荷に配慮した商品開発の取り組みとして挙げられるのが「RE.UNIQLO」プロジェクト。全商品をリサイクル・リユースする仕組みづくりを進めており、服から服へのリサイクルを目指し、資源を有効活用している。大量生産・大量廃棄の問題とも通じており、販売後の商品についても責任を持つスタンスだ。(※2)

味の素株式会社

味の素グループは、2009年7月に「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」への参加を表明している。「味の素グループポリシー」にUNGCへの支持を明記し、全従業員に共有。SDGs達成に向けた取り組みを積極的に行っている企業として知られている。

食に関わる企業として、フードロスの低減やプラスチック廃棄物の削減、アミノ酸によるバイオサイクルなどに力を入れており、第3回ジャパンSDGsアワードでは「SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞」を受賞。アミノ酸発酵工程から発生する副生バイオマスを活用した肥料を使ってつくられた農作物を「九州力作」ブランドと名づけ、イオン九州で販売するプロジェクトが評価された。(※3)

ネスレ日本株式会社

「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます」を存在意義とするネスレ。2030年までに、公平で、温室効果ガス排出量実質ゼロで、自然にプラスの影響を与える食料システムの実現に向けた取り組みを加速すると発表している。(※4)

ネスレ日本では、廃棄物の削減に向けた取り組みとして、ネスレ製品のパッケージや空き容器を文房具や繊維として活用する、サーキュラーエコノミーの構築を進めている。廃棄可能性のある製品を販売する「食品ロス削減ボックス」を運用する新たなチャネルの構築も進行中だ。ほかにも積極的にさまざまな活動に取り組んでいる。(※5)

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、「GREEN CHALLENGE 2050」と題して、CO2排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つのテーマに則した取り組みを行っている。豊かな地球環境を未来へつないでいくための活動だ。(※6)

例えば持続可能な調達に関しては、オリジナル商品で使用する食品原材料のうち、持続可能性が担保された材料が占める割合は、2030年に50%、2050年に100%を目指すとしている。イトーヨーカドーでは、水産エコラベル「MEL認証」を取得。着々と歩みを進めている。(※7)

パタゴニア

ビジネスではなく、自然環境保全を事業の根底に据えるパタゴニア。同社が2018年に掲げたミッションは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」。このミッションをベースにブランディングを行っているユニークな企業である。(※8)

さまざまな活動を行っているパタゴニアだが、具体的な取り組みのひとつに「 1% for the Planet」がある。1985年以来、自然環境の保護・回復のために売上の1%を利用することを誓約している。「1% for the Planet」は、自然環境保護の必要性を理解する企業同盟として、環境に対する取り組みを続けている。(※9)

SDGsブランディングに力を入れて、長く愛される企業に

SDGsの達成年は2030年。改めて意識してみると、そう長くはないことがわかるだろう。だからこそ、今後、企業の具体的な取り組みがより注目されるようになる。事業活動をよりいい形で未来へつないでいくためには、SDGsの考え方を取り入れたブランディングが欠かせない。

サステナブルな暮らしをガイドする「ELEMINIST」では、企業のSDGsブランディングをサポートしている。プロモーションやマーケティング施策など、方法はさまざま。以下のページから事例をチェックできるので、ぜひ一度目を通してみてほしい。

※掲載している情報は、2023年7月24日時点のものです。

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