中国国内のマクドナルド5000以上の店舗で販売しているフィレオフィッシュ、ダブル・フィッシュバーガーなどに、MSCラベルが付けられることが発表された。MSCは、厳正な認証規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる「海のエコラベル」とも呼ばれる認証だ。
ELEMINIST Press
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中国マクドナルドとMSC(海洋管理協議会)は、中国国内のマクドナルド5000以上の店舗で販売しているフィレオフィッシュ、ダブル・フィッシュバーガー、キッズ・フィッシュフィレバーガーにMSCラベルを付けることを発表した。
これにより、マクドナルドは持続可能な水産物調達の世界的な取り組みを拡大し、上記の製品で使用されている魚が、世界基準のMSC認証規格を満たした持続可能な漁業で獲られたものであるという安心を中国の消費者に提供できることになる。
中国は世界最大の漁業国とも言われ、ほかの国よりも魚が食べられており、一人当たり年間約40kgを消費していると言われる。
また、最近の消費者調査では、中国の消費者は持続可能な水産物をますます重要視するようになってきており「環境にやさしい、あるいは持続可能な漁業から調達されている」ことは、水産物を購入する動機として第4位にランクしている。
中国マクドナルドでは、毎年3500トン近いMSC認証の白身魚が販売されており、ウェイダオやタイソン・フーズなどのサプライヤーおよびMSCと協働して持続可能な魚を調達している。
今回の発表は、MSCが中国に事務所を開設してからちょうど10年にあたる節目の年に行われ、開設から10年を経て、中国におけるMSCラベル付き製品の数は、10品目から200品目以上にまで増えている。
また、MSCプログラムに参加する中国のサプライチェーン企業、小売業者、漁業の数も大幅に伸びている。
6月8日(木)の世界海洋デーに行われた発表を記念し、マクドナルドの上海龍騰大道店では、お客様が海にいるかのように感じてもらえるディスプレーを用意。また、新たにMSCラベルが付いた製品を購入したお客様には、海洋プラスチックを再生利用した魚の形のキーホルダーがプレゼントされた。
「マクドナルドとMSCは、2011年から持続可能な水産物を共同で推進しています。マクドナルドはMSCの重要なパートナーとして、MSCラベル付き製品をヨーロッパ、アメリカ、日本など、多くの国々の消費者に届けてきました。
今回の取り組みは、中国という重要な市場で私たちのパートナーシップを構築し、中国における持続可能な水産物に対する消費者の需要の高まりに応えていくための重要な機会となります」
「中国マクドナルドは、消費者に新鮮で安全な天然の高品質食材を提供することにこだわると同時に、水産物調達の際に環境への負荷を減らすために、持続可能なサプライチェーンを積極的に構築しています。
信頼あるMSCの認証を取得することができたことを、大変うれしく思います。質の高い水産物を継続して供給できるようにするための、中国マクドナルドのサプライチェーンへの働きかけが認められたということです。私たちは、生命あふれる海を守るためにこれからも取り組みを続けてまいります」
MSCは、将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体だ。
本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20か国に事務所を置き世界中で活動している。
MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20000品目以上、日本では500品目以上が販売された。
国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、マクドナルドなどで購入できる。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新の科学的根拠に基づき策定されたもの。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもある。
漁業がこの規格を満たすためには(1)水産資源が持続可能なレベルにあり(2)漁業による環境への負荷が最小限に抑えられており(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められる。
お問い合わせ先/MSCジャパン
https://www.msc.org/jp
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