【2023年最新】WHO世界の平均寿命ランキング 日本の順位と世界の状況とは

手のひらのうえで浮遊する若葉

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WHOが発表したデータにおいて、2022年版の世界平均寿命ランキングが公開された。日本の順位に注目してみよう。また平均寿命が長い国・短い国、それぞれが抱える「課題」にも注目。ランキングから透けてみえる社会の実情に迫る。

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2023.03.31
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平均寿命とは?健康寿命との違いも解説

平均寿命とは、「0歳時点での平均余命」を意味する言葉だ。0歳の子どもがあと何年生きられるのか、その平均値を求めた数値である。日本は世界的にみても、「平均寿命が長い国」と注目されている。

一方で、寿命を迎えるそのときまで、すべての人が健康に過ごせるわけではない。だからこそ、昨今注目されているのが健康寿命である。厚生労働省によると、健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。当然、健康寿命は平均寿命よりも短くなる。両者の差を縮めることが、社会の安定化や社会保障費の圧縮につながるだろう。(※1)

世界の平均寿命に関するデータは、世界保健機関(World Health Organization:WHO)が公開している。WHOはすべての人々の健康を増進し保護するため、互いにほかの国々と協力する目的で設立された国際団体であり、世界194の国と地域が加盟。このコラムで紹介する統計は、WHO加盟国を対象にしたものだ。

世界の平均寿命ランキング

WHOが発表する「World health statistics 2022: monitoring health for the SDGs, sustainable development goals」より、世界各国の平均寿命をランキング形式で紹介する。参照データは2022年のもので、数値は男女合わせている。(※2)

順位国名平均寿命
1位日本84.3歳
2位スイス83.4歳
3位大韓民国83.3歳
4位シンガポール83.2歳
5位スペイン83.2歳
6位キプロス83.1歳
7位オーストラリア83歳
8位イタリア83歳
9位イスラエル82.6歳
10位ノルウェー82.6歳
11位フランス82.5歳
12位ルクセンブルク82.4歳
13位スウェーデン82.4歳
14位アイスランド82.3歳
15位カナダ82.2歳
16位ニュージーランド82歳
17位マルタ81.9歳
18位アイルランド81.8歳
19位オランダ81.8歳
20位ドイツ81.7歳
21位オーストリア81.6歳
22位フィンランド81.6歳
23位ポルトガル81.6歳
24位ベルギー81.4歳
25位イギリス81.4歳
26位デンマーク81.3歳
27位スロベニア81.3歳
28位ギリシャ81.1歳
29位クウェート81歳
30位コスタリカ80.8歳
31位チリ80.7歳
32位ペルー79.9歳
33位モルディブ79.6歳
34位コロンビア79.3歳
35位パナマ79.3歳
36位チェコ79.1歳
37位エストニア78.9歳
38位クロアチア78.6歳
39位トルコ78.6歳
40位アメリカ合衆国78.5歳
41位エクアドル78.4歳
42位ポーランド78.3歳
43位スロバキア78.2歳
44位アルバニア78歳
45位ヨルダン77.9歳
46位キューバ77.8歳
47位タイ77.7歳
48位中国77.4歳
49位イラン(イスラム共和国)77.3歳
50位カタール77.2歳
51位アルジェリア77.1歳
52位ウルグアイ77.1歳
53位チュニジア77歳
54位スリランカ76.9歳
55位ボスニア・ヘルツェゴビナ76.8歳
56位アルゼンチン76.6歳
57位アンティグア・バーブーダ76.5歳
58位ハンガリー76.4歳
59位レバノン76.4歳
60位トリニダード・トバゴ76.1歳
61位アラブ首長国連邦76.1歳
62位アルメニア76歳
63位バルバドス76歳
64位ジャマイカ76歳
65位リトアニア76歳
66位メキシコ76歳
67位ブラジル75.9歳
68位モンテネグロ75.9歳
69位セルビア75.9歳
70位バーレーン75.8歳
71位リビア75.8歳
72位パラグアイ75.8歳
73位ルーマニア75.6歳
74位ラトビア75.4歳
75位ブルガリア75.1歳
76位エルサルバドル75歳
77位ニカラグア75歳
78位ベラルーシ74.8歳
79位北マケドニア74.8歳
80位マレーシア74.7歳
81位ベリーズ74.4歳
82位バングラデシュ74.3歳
83位ブルネイ ダルサラーム74.3歳
84位セントルシア74.3歳
85位サウジアラビア74.3歳
86位キルギスタン74.2歳
87位モーリシャス74.1歳
88位カーボベルデ74歳
89位カザフスタン74歳
90位オマーン73.9歳
91位ベネズエラ (ボリバル共和国)73.9歳
92位ベトナム73.7歳
93位グルジア73.3歳
94位モルドバ共和国73.3歳
95位セーシェル73.3歳
96位バハマ73.2歳
97位ロシア連邦73.2歳
98位セントビンセントおよびグレナディーン諸島73.2歳
99位ブータン73.1歳
100位モロッコ73歳
101位ウクライナ73歳
102位ウズベキスタン73歳
103位グレナダ72.9歳
104位ドミニカ共和国72.8歳
105位シリア・アラブ共和国72.7歳
106位朝鮮民主主義人民共和国72.6歳
107位トンガ72.6歳
108位イラク72.4歳
109位ボリビア(多民族国家)72.1歳
110位グアテマラ72歳
111位ホンジュラス71.9歳
112位エジプト71.8歳
113位スリナム71.5歳
114位アゼルバイジャン71.4歳
115位インドネシア71.3歳
116位ネパール70.9歳
117位インド70.8歳
118位サモア70.5歳
119位フィリピン70.4歳
120位サントメ・プリンシペ70.4歳
121位カンボジア70.1歳
122位トルクメニスタン69.7歳
123位東ティモール69.6歳
124位タジキスタン69.5歳
125位ミャンマー69.1歳
126位ルワンダ69.1歳
127位スーダン69.1歳
128位エチオピア68.7歳
129位セネガル68.6歳
130位ラオス人民民主共和国68.5歳
131位モーリタニア68.4歳
132位モンゴル68.1歳
133位フィジー68歳
134位コモロ67.4歳
135位タンザニア連合共和国67.3歳
136位ウガンダ66.7歳
137位イエメン66.6歳
138位ガボン66.5歳
139位ガーナ66.3歳
140位ケニア66.1歳
141位ジブチ65.8歳
142位ガイアナ65.7歳
143位マラウイ65.6歳
144位パキスタン65.6歳
145位ガンビア65.5歳
146位マダガスカル65.3歳
147位パプアニューギニア65.3歳
148位南アフリカ65.3歳
149位バヌアツ65.3歳
150位ソロモン諸島65.2歳
151位コンゴ64.7歳
152位ナミビア64.6歳
153位トーゴ共和国64.3歳
154位エリトリア64.1歳
155位ハイチ64.1歳
156位リベリア64.1歳
157位ブルンジ63.8歳
158位ベナン63.4歳
159位ニジェール63.3歳
160位アフガニスタン63.2歳
161位アンゴラ63.1歳
162位ミクロネシア連邦63歳
163位コートジボワール62.9歳
164位マリ62.8歳
165位南スーダン62.8歳
166位ブルキナファソ62.7歳
167位ナイジェリア62.6歳
168位ザンビア62.5歳
169位カメルーン62.4歳
170位コンゴ民主共和国62.4歳
171位ボツワナ62.2歳
172位赤道ギニア62.2歳
173位ギニア61歳
174位シエラレオネ60.8歳
175位ジンバブエ60.7歳
176位ギニアビサウ60.2歳
177位チャド59.6歳
178位キリバス59.4歳
179位モザンビーク58.1歳
180位エスワティニ57.7歳
181位ソマリア56.5歳
182位中央アフリカ共和国53.1歳
183位レソト50.7歳
-アンドラデータなし
-クック諸島データなし
-ドミニカデータなし
-マーシャル諸島データなし
-モナコデータなし
-ナウルデータなし
-ニウエデータなし
-パラオデータなし
-セントクリストファー・ネイビスデータなし
-サンマリノデータなし
-ツバルデータなし

【最新】2021世界平均寿命ランキング 寿命が長い国、短い国の特徴とは

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世界全体の平均寿命の推移は?今後の予測も解説

今回紹介したランキングにて、平均寿命を把握できたのは183の国と地域である。これらの数値から平均値を求めると「72.53」。WHOに加盟していない国や、データを取得できなかった国を除いた世界全体の平均寿命は「約72.5歳」である。平均寿命は、ここ数十年で大きく変化した。生まれてから死ぬまでの平均期間は、非常に長くなってきている。

「長寿国」というイメージも根強い日本のランキングは、世界1位。平均寿命は84歳を超えている。「World health statistics 2022: monitoring health for the SDGs, sustainable development goals」によると、日本人男性の平均寿命は81.5歳、日本人女性の平均寿命は86.9歳である。男女間に差がある様子がみてとれる。

平均寿命は、今後もさらに延びていくと予測される。人々の健康に関与する技術や知識は、いまだ発展途上であり、さらに進化するだろう。あらゆる病気を早期発見できるようになれば、初期治療が可能になり、リスクを最小限にできる。病気を理由に、若い時期に命を落とす可能性は低くなっていくはずだ。

一方で、ランキングからもわかるとおり、いまだ平均寿命が短い国は多い。こうした国々をどうサポートしていくのかが、世界の平均寿命を延ばすための鍵となるだろう。

ランキング上位の国の特徴と抱える課題

ランキング上位には、経済的に豊かな国々が目立つ。社会保障が充実している国では、不調を感じたタイミングで病院にかかりやすい。手遅れになる前に治療を受け、完治に至るケースも多いだろう。国全体の医療レベルが高ければ、受けられる治療の質も申し分ない。幼い時期に亡くなる子どもの数が減少すれば、その分平均寿命は長くなる。

とはいえ、平均寿命が長い国にも問題はある。寿命が長くなれば、その分、社会保障費の負担は重くなるだろう。日本をふくめ、経済的に豊かな先進国のなかには、「少子化」という課題を抱える国も多い。平均寿命が延びれば延びるほど、「多くの高齢世代を少ない若者世代が支える」という状況が深刻化する。

また高齢者自身が抱える問題も多い。仕事から引退したあと、いわゆる「老後」の生活費をどう工面するのか、悩む人も増えるだろう。経済的に不安定な高齢者が増えれば、さまざまな社会問題を引き起こす可能性がある。

さらに、平均寿命と健康寿命はイコールではない。寿命だけが延びたところで、ずっと寝たきりでは「生きがいを感じられない」と思う人も多いはずだ。平均寿命と健康寿命の差を、できるだけ小さくするための工夫も求められるだろう。

ランキング下位の国の特徴と原因

ランキング下位には、アフリカの開発途上国の名前が目立つ。アフリカ地域の平均寿命は64.5歳。地域別で比較した場合、もっとも低い数値である。平均寿命が短い理由は、以下のとおりだ。

・貧困
・飢餓
・紛争
・衛生面での問題

これらの理由は、すべてが複雑に絡み合っている。長く紛争で悩まされてきた地域で、安定した仕事をみつけるのは難しいだろう。貧困で食べるものを入手できなければ、社会的弱者から亡くなっていく。衛生環境を整える余裕がなければ、感染症リスクも高まるだろう。これらの影響をもっとも受けてしまうのも、まだ幼い子どもたちだ。

教育が不十分なまま成長しても、貧困から抜け出すのは難しい。飢餓や衛生面の問題は、次世代へと受け継がれていく。安定した社会情勢のなか、持続的な経済発展を遂げ、人々の暮らしを安定させることが求められるだろう。

また急激な気候変動も、平均寿命を押し下げる原因の一つである。熱波や洪水といった災害に見舞われれば、国内の食料事情は悪化。亡くなる人が増えるだけではなく、紛争リスクの上昇も予測される。ひとたび紛争が勃発すれば、その影響は長期にわたって続いていくだろう。

平均寿命が短い国においては、「平均寿命が長い国であれば問題なく治癒できる原因」によって、命を失う人も多い。死因の例としては、肺炎や下痢、結核に麻しんなどが挙げられる。特に、5歳未満の幼い子どもたちの命をどう守っていくのかが、平均寿命を延ばすための鍵になるだろう。

世界の平均寿命ランキングからあらためて学ぼう

2022年版のWHO発表データにおいて、日本の平均寿命は世界トップである。90歳、100歳を迎えるのが「普通」になっている今、少子高齢化や社会保障費の負担、老後の不安解消、健康寿命との差など、これまでにはない「課題」と向き合わなくてはならないだろう。

一方で、世界にはいまだ、平均寿命が60歳に満たない国もある。ランキングからもわかるとおり、国や地域別の「命の格差」は決して小さくないのだ。各国が抱える課題から目を背けず、それぞれの「課題」を知るきっかけにしてみてほしい。

※掲載している情報は、2023年3月31日時点のものです。

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